わがアメリカンドリーム レーガン回想録とは? わかりやすく解説

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わがアメリカンドリーム レーガン回想録

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/02 01:51 UTC 版)

わがアメリカンドリーム レーガン回想録
An American Life
著者 ロバート・リンゼイ英語版
(ロナルド・レーガンと共著)
訳者 尾崎浩
発行日 1990年11月15日
1993年9月1日
発行元 サイモン&シュスター
読売新聞社
ジャンル 自伝
アメリカ合衆国
言語 英語
ページ数 748
953
コード ISBN 0-7434-0025-9
ISBN 978-4643930665(日本語版)
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わがアメリカンドリーム レーガン回想録』(An American Life)は、第40代アメリカ合衆国大統領のロナルド・レーガンが1990年に発表した自伝である。レーガンの大統領退任から約2年後に発売されたこの本は『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラーリストで第8位となった[1]。この本の主なゴーストライターはロバート・リンゼイ英語版である[2][3]

内容

原書は748ページで構成され、イリノイ州タンピコでの出生、俳優としてのキャリア、結婚、政界入り、カリフォルニア州知事時代、1976年共和党予備選での敗北、そしてアメリカ合衆国大統領時代までのレーガンの半生が綴られている。書評家のジョン・オサリヴァンはレーガンについて「彼は他人の感情に関わる場面では歴史家としての価値を損なうようなやり方で不愉快な事を覆い隠す傾向がある」と述べた[4]。彼は1976年の大統領選出馬に至った経緯や、合衆国議会議員との関係、世界と冷戦に関する自身の見解について語った[5]

私生活

レーガンには2度の結婚歴があり、最初の相手は1940年から1948年にかけての女優のジェーン・ワイマン(1917年-2007年)であった。レーガンはこの本の中でワイマンについて1段落だけ触れており、「上手くいかなかった」が、結婚生活は「2人の素晴らしい子供たちをもたらした」と述べている[6]。レーガンは1952年にナンシー・デウィヴィスと結婚し、本の中で「ナンシーと出会ったときから私の人生は本当に始まったのだと時々思う」と語っている[7]

大統領職

レーガンは大統領在任中英語版(1981年-1989年)に起こった出来事のほとんどをこの本でカバーしているが、ロバート・ボーク合衆国最高裁判所判事指名拒否に関しては省略されており、レーガンによる判事任命にはほとんど言及されていない。レーガン政権のより物議を醸した政策の1つは「レーガノミクス」と呼ばれる経済政策であるが、この自伝では「議会を支配する既得権益のせいで私が望んだほど、あるいは国が要求したほどの支出削減ができなかった」という点を除けばそれらに関する全てが成功していたと書かれている[8]。また経済政策の観点からのレーガンの主な後悔の1つは連邦均衡予算の編成に最終的に失敗したことである。

イランに送られた資金がニカラグアコントラに流用されたというイラン・コントラ事件に関してこの本では「イランに送った武器が市民を誘拐したテロリストに渡ったことはなかった」と書かれている[8]。事件についてレーガンは「(バド・)マクファーレン英語版(ジョン・)ポイントデクスター英語版(ボブ・)ケイシー英語版、そしておそらく(オリバー・)ノースは私がニカラグアの民主的抵抗勢力としてコントラの存続の必要性をどれだけ深く感じているかを知っていた。おそらくその認識が、(中略)彼らが密かにコントラを支援することに繋がったのだろう」と書いた。さらに自伝の中で「大統領である私が指揮を執っていたのだから、最終的な責任は私にある」と主張している"[9]。この本ではまたチップ・オニール英語版下院議長との政治的ライバル関係や私的な友情についても触れられている。

評価

この本は出版当時に『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラーリストで第8位となった[1]。作家、ジャーナリスト、批評家の中ではこの本がレーガンの半生を公平に記していることに同意する者もいれば[4][8][10][11]、その歴史的価値と目的を疑問視する者もいた[12]

参考文献

  1. ^ a b “Best Sellers:December 30, 1990”. The New York Times. (1990年12月30日). https://query.nytimes.com/gst/fullpage.html?res=9C0CE4D71438F933A05751C1A966958260 2007年12月25日閲覧。 
  2. ^ Casey, Constance (1990年9月1日). “Unseen hand in Reagan memoir”. Orlando Sentinel. https://www.orlandosentinel.com/news/os-xpm-1990-09-01-9008310534-story.html 2022年5月12日閲覧。 
  3. ^ Philbrick, Ian Prasad (2020年11月21日). “Presidential Memoirs Don't Always Take This Long to Write” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. オリジナルの2022年5月11日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220511152443/https://www.nytimes.com/2020/11/21/books/barack-obama-promised-land-presidential-memoirs.html 2022年5月11日閲覧。 
  4. ^ a b O'Sullivan, John (11 February 1991). "Reagan's Life". National Review. 2007年12月26日閲覧
  5. ^ An American life”. alibris.com. 2007年12月26日閲覧。
  6. ^ Reagan, Ronald (1990), p. 92
  7. ^ Reagan, Ronald (1990), p. 123
  8. ^ a b c Lehmann-Haupt, Christopher (1990年11月5日). “Books of The Times; How Ronald Reagan Overcame Doubts and Became President”. The New York Times. https://query.nytimes.com/gst/fullpage.html?res=9C0CE7DB1538F936A35752C1A966958260 2007年12月28日閲覧。 
  9. ^ Reagan, Ronald (1990), p. 486-487
  10. ^ An American Life. Amazon.com, Inc. (1990). ISBN 0743400259. https://archive.org/details/americanlife00reag_0 
  11. ^ An American Life. Amazon.com, Inc (United Kingdom). (1990). ISBN 0671691988. https://archive.org/details/americanlife00reag 
  12. ^ Dowd, Maureen (1990年11月18日). “Where's the Rest of Him?”. The New York Times. https://query.nytimes.com/gst/fullpage.html?res=9C0CE2D9133EF93BA25752C1A966958260 2007年12月28日閲覧。 



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