すべての p ≥ 1 に対して Lp は L1,loc の部分空間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/30 23:39 UTC 版)
「局所可積分函数」の記事における「すべての p ≥ 1 に対して Lp は L1,loc の部分空間」の解説
定理 2Ω を ℝn の開部分集合とする。Lp(Ω), 1 ≤ p ≤ +∞ に属するすべての函数 f は局所可積分である。 証明 p = 1 の場合は自明であるので省略し、以下では 1 < p ≤ +∞ を仮定して証明を続ける。Ω のあるコンパクトな部分集合 K に対し、その特性函数 χK を考える。このとき、p ≤ +∞ に対して | ∫ Ω | χ K | q d x | 1 / q = | ∫ K d x | 1 / q = | μ ( K ) | 1 / q < + ∞ {\displaystyle \left|{\int _{\Omega }|\chi _{K}|^{q}\,\mathrm {d} x}\right|^{1/q}=\left|{\int _{K}\mathrm {d} x}\right|^{1/q}=|\mu (K)|^{1/q}<+\infty } が成立する。ただし q は、与えられた 1 ≤ p ≤ +∞ に対して 1/p + 1/q = 1 を満たすようなある正の数である。 μ(K) はコンパクト集合 K のルベーグ測度である。 このときヘルダーの不等式より、積 fχK は可積分である。すなわち、L1(Ω) に属すとともに、次を満たす。 ∫ K | f | d x = ∫ Ω | f χ K | d x ≤ | ∫ Ω | f | p d x | 1 / p | ∫ K d x | 1 / q = ‖ f ‖ p | μ ( K ) | 1 / q < + ∞ . {\displaystyle {\int _{K}|f|\,\mathrm {d} x}={\int _{\Omega }|f\chi _{K}|\,\mathrm {d} x}\leq \left|{\int _{\Omega }|f|^{p}\,\mathrm {d} x}\right|^{1/p}\left|{\int _{K}\mathrm {d} x}\right|^{1/q}=\|f\|_{p}|\mu (K)|^{1/q}<+\infty .} したがって f ∈ L 1 , l o c ( Ω ) {\displaystyle f\in L_{1,\mathrm {loc} }(\Omega )} である。ここで、不等式 ∫ K | f | d x = ∫ Ω | f χ K | d x ≤ | ∫ K | f | p d x | 1 / p | ∫ K d x | 1 / q = ‖ f ‖ p | μ ( K ) | 1 / q < + ∞ {\displaystyle {\int _{K}|f|\,\mathrm {d} x}={\int _{\Omega }|f\chi _{K}|\,\mathrm {d} x}\leq \left|{\int _{K}|f|^{p}\,\mathrm {d} x}\right|^{1/p}\left|{\int _{K}\mathrm {d} x}\right|^{1/q}=\|f\|_{p}|\mu (K)|^{1/q}<+\infty } が成立するため、定理は局所 p-可積分函数の空間にのみ属する函数 f に対しても成立することに注意されたい。したがって、定理は次の結果を意味する。 系 1Lp,loc(Ω), 1 < p ≤ +∞ 内のすべての函数 f は局所可積分である。すなわち、L1,loc(Ω) に属する。
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