お菊さん・一町六反
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/13 06:58 UTC 版)
比奈には「一町六反」という小字があり、1950年代辺りまでは一軒の家もない田んぼだった。昔、「お菊さん」という他村出身の人がおり、若い頃は遊びほうけて暮していたが、或る時に枕元へ死んだ父親が現れたのを機に改心し、家を出て比奈村まで来ると、よく働いて地所を多く持つようになった。或る年の田植え時、お菊さんは朝早くから一町六反歩の田んぼの田植えに励んでいたが日が暮れそうになり、「ああ! おてんとうさまが、もう少し待ってくれたら、終るのになあ!」と言うと、再び日が高く昇った。「ありがたや、ありがたや」とお菊さんは田植えを終えたが、畔に腰を降ろした途端、そのまま倒れて亡くなった。それからこの付近の田んぼを、「一町六反」と呼ぶようになったという。 現在、市立昭和幼稚園の片隅に「お菊塚」があり、毎年6月上旬に「お菊まつり」が行われる。
※この「お菊さん・一町六反」の解説は、「比奈」の解説の一部です。
「お菊さん・一町六反」を含む「比奈」の記事については、「比奈」の概要を参照ください。
- お菊さん・一町六反のページへのリンク