WiBro
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/11 05:47 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動韓国では2006年、2.3-2.4GHz帯での商用サービスを開始してしまったため、WiBro(規格)は韓国の独自規格になっている。
策定の背景
韓国政府は、2004年2月に制定されたIT839戦略の一環として、当時使用率が低下していた加入者無線用の2.3GHz帯の有効利用を図るために同帯域を、高速無線通信用のための電波として割り当て直した。
携帯電話のCDMA方式では、韓国政府の支援もあって商用化に成功し、CDMA方式の携帯電話の生産も伸びて世界的にも高いシェアを獲得できた。しかし基幹技術を含む特許は米クアルコム社が保有していて、主要な半導体の供給もクアルコム社から受けていたために、ロイヤリティを支払う必要があった。こういった苦い経験から特許戦略の重要性を認識したことで、海外企業に依存している移動通信分野の半導体産業を育成して、国内企業の国際競争力を高めるため、独自規格を策定するに至ったのだと考えられている。
故に本規格は政府機関「ETRI(韓国電子通信研究院)」を中心とした、電子機器メーカーサムスン電子やLG、通信事業者KTなどの韓国企業が協力し策定した規格である。
本規格は、WiMAX(IEEE 802.16-2004、2004年6月策定)のライバルになると当初は予想されていたが[1]、2004年11月にインテル(WiMAXフォーラム参加企業)とLG Electronics(WiBroフォーラム参加企業)が提携し、WiMAX(IEEE 802.16-2004)の技術仕様を本規格に取り入れた。
また逆に、本規格開発陣営(WiBroフォーラム参加企業)が開発した、複数基地局でメッシュネットワークを構成する技術などが、モバイルWiMAX(IEEE 802.16e-2005)規格策定時に提案・採択されている。
WiBroに関する誤解
韓国ではマスコミによって、WiMAXのサブセットに過ぎないWiBroがあたかも韓国の独自技術に基づく規格であり、なおかつその規格がモバイルWiMAXとして採用されたかのように伝えられているが[2][3]、Wibroの基礎となっている規格はあくまでもWiMAXであり、主要な技術もWiMAXで規定されたものを利用している。よってWiBroが完全な独自開発による規格という主張には無理がある。[要検証 ]
ただし、同様にWiMAX(IEEE 802.16-2004)からの派生として生まれたモバイルWiMAXが、その規格策定初期の段階においてWiBroフォーラム参加企業が開発しWiBroに組み込んだ技術を取り込んだのは事実である。
2008年以降に世界中で導入が進んでいるモバイルWiMAXはwave2であり、韓国でサービス提供中のWiBro(wave1)世代よりも通信速度等が大幅に向上している。 また、WiMAXフォーラムではモバイルWiMAXでの国際ローミングを考慮して、共通周波数帯として2.5G/3.5G/5.8GHz帯の3波を推奨しているが、韓国は先に2.3-2.4GHz帯での商用サービスを開始し、周波数以外の技術仕様にも互換性がなかったため、モバイルWiMAXを利用した国際ローミングを実現する場合には韓国だけがその対象から外れてしまう可能性があった。
2010年8月15日、WiBroのサービスを行っているKTは、WiBroの次世代サービスとして、モバイルWiMAX wave2に準拠したサービス(サービス名称は「WiBro」のまま)を開始すると発表した。
名称の由来
「Wireless Broadband」の略。
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- ^ WiBro is first step in WiMAX
- ^ 韓国のワイブロ、「オイルマネー」獲得へ
- ^ 韓国技術のモバイルワイマックス、市場拡大に拍車
- ^ 趙章恩、『韓国版WiMAX,最後の賭けに出る 音声通信サービスの成否が命運握る』、日経エレクトロニクス2009年10月19日号
- ^ http://roaming.kt.com/jap/use/rental_wibro.asp
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