Rh因子 Rh(D)免疫グロブリン (RhIg) の投与量計算

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Rh因子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/04 06:26 UTC 版)

Rh(D)免疫グロブリン (RhIg) の投与量計算

妊婦の場合

Rh(D)免疫グロブリン (RhIg) はRh(−)の妊婦がRh(+)児を出産した際に72時間以内に投与され、抗体産生を防ぐ。

RhIg1バイアル (300 µg) あたり30 mLのRh(+)胎児血球に効果があるので、例えば体重50 kg、循環血液量70 mL/kg、胎児血球が2.5 %残存しているとすると、50 kg × 70 mL/kg × 0.025 = 87.5 mLの血球が母親体内にある。87.5 ÷ 30 = 2.92なので、4バイアル必要。(小数点以下を四捨五入+1とする)

輸血の場合

Rh(−)の患者にやむを得ずRh(+)製剤を輸血した場合に投与され、抗体産生を防ぐ。

RhIg1バイアル (300 µg) あたり15 mLのRh(+)成人血球に効果があるので、例えばRCC1単位に100 mLの血球があるとすると、100 ÷ 15 = 6.67なので、8バイアル必要。(小数点以下を四捨五入+1とする)

半減期

半減期は21日となっているので、例えば63日後には12.5 %が体内に残る。

歴史

1937年オーストリアの医学者カール・ラントシュタイナー及びアレクサンダー・ヴィナー英語版がD抗原を発見して、1940年に発表したのが始まり。発見から発表まで約3年かかっているのは、抗Rh血清の製造法改善に時間がかかった為である。Rhは、実験に使用されたアカゲザル: Rhesusaffe: Rhesus monkey)の頭文字から。

割合

脚注

注釈

出典


  1. ^ なお、前述のことがまだわかっていなかった時点でも、cやeに対する抗体の血清はあるのに抗d血清だけなかなか手に入らないため、1960年代前半にはすでに抗d血清(d抗原への抗体)の存在が疑われていた[1]。結論から言うと「d抗原」が存在しないので「d抗原への抗体」も存在しなかった。
  1. ^ 古畑種基『血液型の話』岩波新書、1962年、P75
  2. ^ 松尾 2009, p. 128.
  3. ^ 松尾 2009, pp. 130–131.
  4. ^ 北村聖、編集『看護のための最新医学講座』株式会社中山書店、2006年第2版、347P、ISBN 4-521-62511-8
  5. ^ 半藤保; 間部佑子; 柳瀬徹; 倉林工『血液型不適合妊娠の頻度と対応策の現況』新潟青陵大学、2008年3月。doi:10.32147/00001197https://doi.org/10.32147/000011972021年7月11日閲覧 
  6. ^ Rh式血液型(Rh blood group)”. 日本赤十字社 東京都赤十字血液センター. 2013年7月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年5月26日閲覧。
  7. ^ Touinssi, Mhammed; Chiaroni, Jacques; Degioanni, Anna; De Micco, Philippe; Dutour, Olivier; Bauduer, Frédéric (2004). “Distribution of rhesus blood group system in the French basques: a reappraisal using the allele-specific primers PCR method”. Human Heredity 58 (2): 69–72. doi:10.1159/000083027. PMID 15711086. 


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