魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/15 14:54 UTC 版)
登場人物
ワタルと仲間たち
- 戦部 ワタル(いくさべ ワタル)
- 声 - 田中真弓
- 主人公。小学4年生。魔界の支配者・ドアクダーの侵略から創界山と星界山を救った救世主。ドバズダーに敗れ魂を砕かれた龍神丸を救うため、仲間たちとともに逆さ創界山へ向かう。本作では訪れた世界の文化に合わせて服装が変化するのが特徴で、魔神搭乗時は普段の救世主の装束に戻る。龍神丸の欠片を手に入れるまでは自分の魔神を呼べないため、魔神に乗った敵には劣勢となる場面が多い。
- 忍部 ヒミコ(しのびべ ヒミコ)
- 声 - 林原めぐみ
- 忍部一族13代目の御頭。不思議な忍術を使う元気な少女。危機的状況でもマイペースさを崩さないムードメーカー。小さい体ながらも非常に大食らいで、本作では特にチョココロネが好物。
- 剣部 シバラク(つるぎべ シバラク)
- 声 - 西村知道
- 野牛シバラク流剣術の使い手。ワタルの師であり父親的存在。美人に弱くだらしない面もあるが、優れた剣技と年長者としての経験の豊富さから頼りにされている。本作の羽織には胸紋に炎模様、背紋に(魂)の文字が描かれている[注 6]。『ワタル2』までは、専用テレホンカードと公衆電話、『超魔神』ではPHSを使って愛機の戦神丸を召喚していたが、本作ではスマートフォンを用いた通話やSNSで召喚している[注 7]。ただし充電不足だったり、戦神丸から既読無視されたりして呼び出せない場合もある。漫画版ではリンゴ村特製10G最新スマホを使用しているが、こちらは既読自体が付かずなかなか呼び出せない。
- 第1話冒頭のドバズダーたちとの戦いの後にワタルたちとはぐれ、第2世界にある塚原剣術道場に居候していたが、遅れて同じ世界にやってきたワタルたちと合流する。
- 虎王(とらおう) / 翔龍子(しょうりゅうし)
- 声 - 伊倉一恵
- かつてドアクダーに洗脳され、ワタルたちと敵対していた創界山の皇子。後にワタルの親友(トモダチ)となり、二度にわたるドアクダーとの戦いで活躍する。本来の姿である翔龍子は穏やかで礼儀正しい性格だが、 洗脳されていたときの姿である虎王になると粗野で豪快な性格となる[注 8]。ヒミコを気に入っており、自分の嫁(ヨメ)にすることを公言している。
- 劇中冒頭では翔龍子の姿でワタルに加勢するが、ドバズダーの邪気に触れたことで虎王の姿になる。過去作では中盤以降からの登場となっていたが、本作では最初からワタルたちの旅に同行する。ドバズダーを倒し創界山に帰還してからは、もとの翔龍子の姿に戻る。
- 海火子(うみひこ)
- 声 - 高乃麗
- 『ワタル2』からの登場人物で、本作ではアニメ第5話より登場。ぶっきらぼうだが心優しい漁師の少年。当初はワタルと対立していたが、後に星界山の王族であることが判明し、ワタルたちと協力してドワルダー(ドアクダー)を打倒した。
- 本作ではワタルたちのあとを追って逆さ創界山に入るが、第5世界にあるドレッド王国に迷い込み捕らわれの身となっていた。そこでドレッド王女のイズーと騎士のオリスカンたちに救われたことに恩義を感じ、のちにドレッド王に投獄されたオリスカンを救うべくブリキン城のバトル大会に参加する。そこで同じく参加していた虎王とはからずも対戦することとなり、持ち前の負けず嫌いから味方でありながら張り合う場面を見せる。
- 渡部 クラマ(わたりべ クラマ)
- 声 - 山寺宏一
- ドアクダーの呪いで鳥の姿にされていた青年。ヒミコからは「トリさん」と呼ばれ慕われている。歴代のシリーズ作品ではワタルと離れて単独行動する場面が多く、本作でも唯一アニメ以外の媒体で先行登場し、アニメ第9話終盤にてドバズダーと対峙するワタルたちの援護に駆け付ける。創界山に帰還後は本来の人間の姿に戻る。
- ビジュアルストーリー第3回ではワタルたちを追って独りで逆さ創界山に入り、第4世界のアニマランドの村から奪われた種を取り返すために、ボンクラーラに戦いを挑む[11]。
- 漫画版ではドバズダーの黒い霧の影響でふたたび鳥の姿になり、黒い霧のガッタイダーの内部に捕らわれていた。
創界山の住人
- 聖龍妃(せいりゅうひ)
- 声 - 藤井佳代子
- 翔龍子(虎王)の母親で創界山の女王。ワタルたちを逆さ創界山へと送る。
- 妖部 オババ(あやしべ オババ)
- 声 - 丸山裕子
- ワタルを神部界に召喚したモンジャ村の預言者。
- 忍部 オジジ
- 声 - 沢りつお
- ヒミコの祖父でオババの友人。ドバズダーの悪意を受けて暴れていた。
- EXマン(エクスキューズマン)
- 声 - 龍田直樹(緑)、吉田小南美(黄)、藤井アユ美(赤)
- 『超魔神英雄伝ワタル』(『超魔神』)を除いた過去作に引き続き、本作のアイキャッチや進行係を務める。
逆さ創界山の人々
第1の世界
- メル
- 声 - 吉田小南美
- アップダウンシティに住む少女。ワーイ=ファーイの妨害で入院中の母親(声 - 藤井アユ美)に面会できず困っていたところ、街に現れたワタルに母親宛ての手紙と写真立てを託そうとするが、ワタルが街に平和を取り戻したあとはみずから母親に届けにいく。
- 第1作第3話に登場するゲストキャラクターをリライトしている[注 3]。
- ワーイ=ファーイ
- 声 - 龍田直樹
- アップダウンシティの市長。市民を自分に従わせるために、自分の銅像から発せられる怪電波によってスマホやドローン、動くビル群を暴走させ、市民を苦しめている。部下とともに魔神に乗ってワタルたちを翻弄するが、龍蒼丸を召喚したワタルに形勢を逆転されて敗北。それまでの悪行の罰として、市街の清掃をさせられる。
第2の世界
- 塚原 剣乃介(つかはら けんのすけ)
- 声 - 飯田友子
- 塚原剣術道場の跡取り息子。父亡きあとに道場を継いだが、気弱な自分には剣術は向いてないと思っている。一方で、シバラクや同郷の人間たちをうならせるほどの料理上手。ベンケーの部下たちから助けてくれたシバラクを救世主と呼び慕い、ワタルたちと合流するまで道場に宿泊させる。ベンケーに苦戦しながらも立ち向かうワタルやシバラクの姿を見て奮起し、その気迫に左尻に隠されていた龍神丸の欠片が反応、龍戦丸召喚のきっかけを作る。
- ヒカシボウ=ベンケー
- 声 - 竹田雅則
- ヒカシボウ一門の長。武蔵坊弁慶のような装束を纏っているが、顔立ちは西洋人風で口調も片言。好物の肉やポテトフライを食べ続けた結果、腹を中心に極度の肥満体形となっている。生身の戦闘では弁慶と同じく薙刀を使うほか、自分の出っ腹で相手を突き飛ばす戦法を得意とする。鎧兜を着たブリキントン(ワタル1に登場したドアクダー配下のザコ兵士)を部下に従えている。塚原家に伝わる家宝「赤龍の刀」を狙って道場を襲撃するが、ワタルの龍戦丸とシバラクの戦神丸に敗れ吹き飛ばされる。
- 愛(あい)
- 小説版に登場。第2世界に迷い込んだ直後のシバラクと出会う美少女。「困っている人を助けるように」という父・ゲンナイの教えにしたがい、ワタルたちとはぐれ途方に暮れていたシバラクを自分の屋敷に招待する。3日前に村はずれにあるドナイ山に出かけたゲンナイの言いつけで留守番をしていたが、長く帰ってこないことを不審に思ったシバラクの提案でともにドナイ山に向かう。その正体はゲンナイが作り出したからくり人形であり、垂直の崖を猛スピードで登ったり大木を軽々と持ち上げるなどの驚異的な身体能力に加え、両目からはビームを発射することができる。
- ゲンナイ
- 小説版に登場。愛を作ったからくり技師であり父親的存在。村の水路が枯れた原因を探るべくドナイ山にある水源に向かったが、水源の独占をもくろむ山賊に捕らわれていた。自分を探しに来た愛が山賊を撃退したことで救い出される。
第3の世界
- ドロロンパ
- 声 - 龍田直樹 (ドラマCD/映画)
- ビジュアルストーリー第1、2回に登場。怖ろしげな屋敷[12]に棲む、カウボーイハットとサングラスを身に着けた陽気な性格のオバケ。人をおどろかせるのが一番うまいオバケ「オドロキング」を自称しているが、素顔の瞳は愛らしく迫力に欠ける。屋敷に迷い込んだワタルとヒミコをおどろかせようとするが、自分の素顔を笑われたことに憤慨し、乗機のスケルバット14Kを持ち出して襲い掛かってくる。この時点でまだ第3世界の龍魔神を呼び出せないワタルを追い回すが、幻神丸に搭乗したヒミコに翻弄され敗北する[注 9]。
- ドロロンタワーではシバラクと虎王を人質にし、改造されたマスク・ド・スケルバットでワタルに再戦を挑むが、召喚された幻龍丸に二度目の敗北を喫する[13]。
- 漫画版では、ワタルを恐怖させるためにドアクダーの幻影を作り出したりする。
- 亀有 ミカ(かめあり ミカ)
- 声 - 田中真弓
- 設定資料集同梱のドラマCDに登場。
- ドロロンタワーに置かれていた喋る人形(声-吉田小南美、藤井アユ美)や走る甲冑にビビって逃げ出したワタルに黄色い声援を上げながら追いかけてきた女子高生。彼からも「誰?」と突っ込まれる。
- 元はラジオドラマ『ラジメーション 魔神英雄伝ワタル4』に登場した芝居好きの魔女、マジョリダーナの演劇に強制的に参加させられたワタルが演じたキャラクター。図々しいが恋愛に一途な性格を気に入ったワタル役の田中がアニメスタッフに本編の登場をリクエストし、『超魔神英雄伝ワタル』最終回にゲストとして出演。番組終了後に発売されたドラマCDの短編エピソードの主人公にもなった。
第4の世界
- ボンクラーラ
- ビジュアルストーリー第3回に登場。ドケドケ建設のナンバー2。心は幼児のまま体だけ大人になったような男で、赤子言葉を話し、哺乳瓶のミルクを愛飲している。父親とともに自然が大嫌いという理由で、アニマランドを強引に都市開発している。獣人たちから奪った「種」を取り戻すべく単身現れたクラマと戦い、自社のビル群という地の利を活かして優位に立つが、クラマの機転で魔神ごと鉄骨の下敷きにされる[11]。
- コミック版では未登場。
- トン・カバチョ
- 声 - 竹田雅則 (ドラマCD/映画)
- ビジュアルストーリー第4回に登場。ドケドケ建設の社長。顔はカバに似ている。虫が嫌いという理由で虫一匹住めないような楽園を作ろうとしていた。
- ココ
- 声 - 種崎敦美(ドラマCD/映画)
- ビジュアルストーリー第4回に登場。ワタルが出会う獣人一族の少年。両親を故郷から追い出したドケドケ建設への恨みから人間そのものを憎んでいたが、ワタルとの友情を経て人間への信頼を取り戻す。
- 長老
- 声 - 龍田直樹(ドラマCD)
- コミック版に登場。獣人一族の長老。
第5の世界
- オレ=ドレッド
- 声 - 辻親八
- ドレッド王国の国王。「強さこそがすべて」という思想の持ち主で、ブリキントンの姿を強さの象徴ととらえ、自国内ではブリキントン風の衣装を着用することを義務付けている。娘・イズーの婿にふさわしい強い男を探し出すために、居城のブリキン城にあるコロシアムで魔神を用いたバトル大会「イズー姫争奪、最強の花婿はオレだ! グランプリ」を開催する。その選考基準はあくまで「強さ」のみであり、それさえ満たせれば出身や人格・素行の良し悪しは問わない姿勢を貫いている。その真の目的は、バトル大会で敗退した魔神から抽出したパワーを用いて、城の地下に封印された大型合体魔神ゴーストンを復活させること。しかし、現場に乗り込んできたワタルたちに狼狽したことで制御用の杖を壊し、ゴーストンを暴走させる失態を犯す。ワタルたちが事態を収めてからは、「制御できない強いだけの力はただの暴力である」として改心し、「正しく力を使える者に国を任せる」としてオリスカンを自分の後継者として認める。
- イズー
- 声 - 鎌倉有那
- ドレッド王国の王女。投獄された恋人であるオリスカンを救うために海火子に助けを求める。
- オリスカン
- 声 - 土岐隼一
- ドレッド王国に仕える騎士で、イズーとは身分を超えた恋人同士。バトル大会で敗退した自身の魔神が地下の秘密施設で溶かされる姿を目撃し、それをドレッド王に問いただそうとしたために投獄された。
- コミック版では決勝戦まで勝ち進み、海火子に勝ちを譲られる形で優勝する。
- ダサイ・オサムーン
- ビジュアルストーリー第5回に登場。バトル大会第一試合での海火子の対戦相手。奇抜な衣装をまとった「ダサイ族」の戦士で、「一族でもっともイケている超戦士」を自称するナルシスト。乗機のパワーを活かして海火子を圧倒するが、雷撃波の発動条件である雷雲の発生を読んで時間稼ぎをしていた海火子の策にはまり、全身に電撃を浴びて敗北する。
第6の世界
- オトヒメ
- 声 - 古城門志帆
- リューグーランドを訪れたワタルたちを接待する謎の少女。園を管理する部下のキャスト[14]たちとともに常ににこにこした笑みを浮かべている。園内のアトラクションや贅を尽くした料理でワタルたちをもてなし、骨抜きになったワタルから七魂の剣を奪うが、唯一園のまやかしに掛からなかった虎王[15]に対しては、自分の魔神である虚閃角で直接排除しようとする。しかし、正気を取り戻したワタルと虎王の友情に呼応した現れた龍虎丸と白虎丸に敗北し、自分の過ちを認めワタルたちに謝罪する。
敵
- ドバズダー
- 声 - 辻井健吾
- 正体不明の敵。人々の負の思念が黒い霧状になって集まった存在で、世界征服のような明確な目的をもった悪ではない。黒い霧には触れた者の欲や怒哀の感情を増幅させ、外見をも変える作用がある。
- 本作冒頭で魂を砕かれた龍神丸に取り付き、その負の感情を増幅させることで「-黒闇-」に変質した龍神丸をワタルたちと戦わせるが、龍魔神たちの総攻撃を受けて龍神丸から引きはがされる。今度は大量の黒い魔神たちを伴ってワタルたちに襲い掛かるが、すべての神部七龍神の加護を受けた煌龍丸に一蹴され消滅する。
- 名前は「バズる」に由来する[16]。
小説版の登場人物
- シュワルビネガー
- 『ワタル1』に登場するクルージング・トムの元部下。ドバズダーの影響で正気を失い、魔神バトルゴリラ100を駆って暴れる。
- ジョン・タンクーガー
- 同じくトムの元部下。ドバズダーの影響で独占欲が止められなくなり、シュワワ村にあるラー湖の聖水を独り占めしていた。戦車型魔神ゲゲゲッペルンに乗る。
- ^ 第1話で聖龍妃が『ワタル2』の海火子について言及する場面があるためで、のちに海火子は第5話から登場した。
- ^ a b c d 第1話スタッフコメンタリーより。
- ^ a b c 第2話スタッフコメンタリーより。
- ^ ネクスエッジスタイル 龍蒼丸『またまた帰ってきた救世主!キャンペーン』特典、創界新聞より。
- ^ ビジュアルストーリー版はドラゴンタワーの屋上
- ^ 第1作、『ワタル2』では、胸紋は●、背紋は第1作では(し)、『ワタル2』では手のひらのマーク。『超魔神』では胸紋・背紋ともにトランプのハートマーク。
- ^ 小説版第1回では、フィーチャーフォン(ガラケー)からの機種変更手続き中であったため、電話が手元になく戦神丸を呼び出せない描写がある。
- ^ ワタル1最終回など翔龍子の姿でも虎王の性格と口調が出ることがある。本作の虎王について神志那監督は『魔神英雄伝ワタル 戦部ワタル&虎王×ぴあ』のインタビューで「虎王も過去作から成長していると思う」との考えから、旧作の無鉄砲な言動が鳴りを潜めたワタルの女房役として描いている。
- ^ a b c ビジュアルストーリー第1話より。ホビージャパン2020年7月号
- ^ 小説では「勇者の剣」と記載されているが、アニメでは「王者の剣」の形状のまま。
- ^ 粘土に亀裂が入っており、六つの勾玉も失われている。
- ^ タイトルコールでは「龍蒼丸、空中決戦!」(読点表記)、アップロード表記は「龍蒼丸・空中決戦!」(中黒表記)。
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