顕性 集団遺伝学における顕性

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顕性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/22 06:41 UTC 版)

集団遺伝学における顕性

集団遺伝学における適応度。①Aはaに対して顕性 ②Aはaに対して潜性 ③半顕性 ④超顕性 ⑤負の超顕性
(図L)単一座位モデルにおける遺伝子型値。相加的な場合(オレンジ)と、顕性の効果がある場合(黒)

集団遺伝学では、適応度の違いで顕潜を考える。適応度は個体が生む生殖可能な子供の数である。対立遺伝子Aとaがある場合、高い方(ここではA)の適応度を1とし、相対的な適応度を考える。AAとaaの相対適応度の差をsとすると以下の表のように表せる[8]

遺伝子型 AA Aa aa
相対適応度 1 1-hs 1-s

hは顕性の程度を表すパラメーターである。顕性の度合いはhの大小によって以下のように区分される。

h=0 A 顕性、a 潜性
h=1 A 潜性、a 顕性
0<h<1 部分顕性、不完全顕性
h=1/2 半顕性、共顕性
h<0 超顕性
h>1 負の超顕性

h=1/2のときは遺伝子の効果が相加的な場合であり半顕性(または共顕性)という。h<0のときはヘテロ接合が最も高い適応度を示し超顕性と呼ぶ。逆にh>1のときはヘテロ接合が最も低い適応度となる負の超顕性である。

量的遺伝学における顕性

量的遺伝学では、遺伝子の効果が相加的な場合を基準とし、そこからのずれを顕性の効果と考える。例えば、イネの収穫量を決めるAとaの対立遺伝子があり、AA>Aa>aaのようにAが増えるほど収穫量が増えるとする。相加的な場合はAが1つ増えるにつれて同じ分だけ収穫量が増える(図Lの直線上の点)。顕性の効果がある場合、Aとaの関係は直線から外れる(図の黒丸)。量的な形質では通常、単一座位だけでなく、多くの座位の効果が累積する。ただし顕性の効果は、座位間の相互作用については考慮しない。座位間の相互作用の効果はエピスタシスと呼ぶ。







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