音節 綴り字と発音

音節

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/07 04:39 UTC 版)

綴り字と発音

言語によっては、綴り字(スペリング)と発音の対応が一定でなく、見かけ上の音節数が実際のそれと異なる場合がある。その場合、単に文字を数えるだけで正確な音節数がわかるとは限らない。しかし、ある程度の法則性は存在する。

英語における無音の “e”

英語では一般的に、無音の e が閉音節の末尾に付く場合、当該音節の核となる母音は、長母音か二重母音として発音され、付かない場合は短母音として発音される。例えば、mad と made では、前者が短母音、後者が二重母音である。bit 対 bite、mod 対 mode なども同様である。長母音の例としては、pet に対する Pete、cut に対する cute などがある。

これらの例は、綴り字上は CVCV(2音節)に見えるが、実際の発音では CVC(1音節)である。なお、このように無音の e を末尾に伴う閉音節における二重母音・長母音は、アルファベットの文字そのものの名称と発音が同じになる(例えば a[ˈ]i[ˈ])。

音節文字

音節をそのままひとつの文字として表記する文字を音節文字と呼び、日本語における仮名をはじめ、中国南西部に居住するイ族彝文字(ロロ文字)や、19世紀前半にシクウォイアによって発明されたアメリカチェロキー文字、その影響を受けて発明されたリベリアヴァイ文字など、世界中にいくつかの文字体系が存在する。ただし、現代における話者数が比較的多い言語において音節文字を使用しているのは日本語のみであり、表音文字の大部分は音素を表す音素文字に属する。また、日本語においても完全な音節文字体系ではなく、表意文字である漢字と併用されて用いられる[2]。日本語における仮名は、本来表意文字である漢字を、その意味にかかわらず日本語の一音節をあらわすために用いる、いわゆる万葉仮名から変化したものである。

脚注


注釈

  1. ^ これらの音は音素レベルでは、/əl/, /əm/, /ən/ のように解析されることが多い。 cf. 英語版ウィクショナリー Appendix:English_pronunciation (Consonants 節の脚注) を参照。詳細については このブログ記事 などが参考になる。
  2. ^ この場合の sh は、英語の sh とは発音が微妙に異なる。
  3. ^ 特に、単語の末尾から2番目の音節(penult)に最強アクセントがあることが多い言語(スペイン語イタリア語、英語など)を母語とする者は、mashita の shi をとくに強調してしまうことがある。

出典

  1. ^ 日本語 ことばの概説 東京外国語大学語学研究所
  2. ^ 『図説 世界の文字とことば』 町田和彦編 121頁。河出書房新社 2009年12月30日初版発行 ISBN 978-4309762210


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