韓国車 日本での展開

韓国車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/06 16:08 UTC 版)

日本での展開

日本では2005年より大宇バスが大型観光バス「BX212/H」を、2008年より現代自動車世界戦略車として大型観光バス「ユニバース」をそれぞれ輸入販売しており、日本のバスよりも車両価格が安いことに加え、中国人観光客のインバウンド需要増加による日本国内メーカーのバス車両不足を受けて、受注を拡大してきた。ユニバースは2009年の正式販売以降徐々に販売台数を増やし、ピークの2016年には年間163台を販売した。しかし、インバウンド需要が一段落した2018年には販売台数が年間12台と大幅に減らし、更にその後の新型コロナウイルス感染拡大による需要減少で販売台数は年間10台前後と低調のまま推移している[35]。この他、2014年にはエジソン・モータース(当時はファイバー)が製造・販売する路線バスタイプの大型電気バス「ファイバード」が輸入されたが、車両の故障が頻発したことで導入からわずか5年で運行終了している[36]

また、欧米ブランドではルノーサムスン自動車で製造されるQM5ルノーブランドのコレオスとして、韓国GMキャプティバソニックシボレーブランドで輸入・販売されているが、販売は低調である。2009年までは現代自動車が乗用車も輸入しており、過去にはGM大宇(大宇ブランドで輸入販売)や雙龍自動車(自社ブランドで販売)、起亜自動車(自社ブランド及びフォードブランドで販売)も正規輸入していたこともあった。またCT&Tのe-zone(電気自動車)も輸入されていたが、同社は経営破綻してしまっている。

性能が日本車(国産車)に比べ多方面で劣ること[37]、日本での韓国製品に対する印象が薄く信頼も無いこと、流通拠点・ディーラーの少なさなどによるアフターサービス面での不安、日本車の基盤が厚いなかでドイツ車を始めとする欧州車のようなブランド力がないことによる差別化の困難、さらには「現代(ヒュンダイ)を知らないのは日本だけかもしれない」といった挑戦的な広告が反感を買ったことなどが背景にある。現代自動車はコマーシャル韓国人俳優ペ・ヨンジュンを起用し「とりかえっこキャンペーン」や「10年10万km保証」などを展開したものの、販売増加への貢献はなかった。

他方、沖縄県では2006年まで4年連続で輸入車販売台数のトップである。これには、地場のレンタカー会社であるOTSレンタカーが所有車の3分の1を現代自動車にしたことが寄与している。

2018年の国内での販売数は5台[38] と完全に低迷している。(2020年1月現在韓国ブランドで正規販売されている車種はユニバースのみである。)

2022年に現代自動車は、日本にアイオニック5とネッソの2車種を投入することを決定した。2009年に撤退して以来13年ぶりの日本再進出であり、7月にはデリバリーを始めた。 また同年、ルノーコリアで製造されるXM3をルノー・アルカナとして投入したことで久々に韓国製のルノーが日本市場で販売されている。


  1. ^ 2021年1月 - 9月期限定のランキングが3位であり、2021年間ランキングは4位。2021年上半期(1月 - 6月)は4位。2021年下半期(6月 - 12月)は4位。
  1. ^ [単独]現代車販売量史上初の「世界3位」”. Steam Charts. 2022年1月17日閲覧。
  2. ^ 特集 韓国自動車市場と産業・経済 韓国自動車産業の現状と今後の課題社団法人日本自動車工業会 の雑誌「JAMAGAZINE」、2004年11月4日号
  3. ^ 1962年設立、セナラの日本語訳は「新しい国」(“”が「新しい」の意味で、“나라”が「国」を意味している)を意味。
  4. ^ セナラ自動車を買収して1965年設立
  5. ^ これ以外にもトヨエースなどの車種をノックダウン生産したが、反共国家やその国の会社と取引関係をしている企業とは貿易をしない「周四原則」により、当時、中国への参入を模索していたトヨタ自動車は1972年に韓国から撤退した。
  6. ^ 新進自動車とGM[要曖昧さ回避](ゼネラルエレクトリック)が50:50の出資による合資会社
  7. ^ 後に起亞産業に吸収
  8. ^ 起亜自動車の前身
  9. ^ セハンの日本語訳は「新しい韓国」の意味。
  10. ^ 1976年にGMコリアから社名変更
  11. ^ 韓国の自動車産業及び市場動向とその将来展望 - 呉 在[火亘] (JAMAGAZINE 2001年3月号)
  12. ^ 海外生産車は対象外のため、アメリカ製のトヨタ・アバロンが少量輸入されていたことがあった。
  13. ^ asahi.com:現代自動車、日本の「壁」に挑む - 経済を読む - ビジネス (2007.06.22)
  14. ^ a b c d Hyundai bets new sedan is a luxury it can afford 『ウォールストリート・ジャーナル』 2008年1月8日
  15. ^ NIKKEI NET:米新車品質調査で「トヨタ」6位に後退 (2007.06.07)
  16. ^ 【韓国車の品質】新車満足度は上々、耐久性はイマイチ | Chosun Online | 朝鮮日報 (2005.11.30)
  17. ^ 米国における新車の初期品質が過去最高になったことが明らかに
  18. ^ 現代自、デザインと品質向上努力が実り躍進、日本経済新聞 2012年5月8日
  19. ^ 実際に発売されたものでは、2代目ロータス・エランを起亜自動車がライセンス生産したキア・ビガート、イギリスのパンサー・ウェストウインズ雙龍自動車が買収し、同社の「リマ」を改良したオープンカー「カリスタ」等があるが、いずれも生産台数は少数にとどまっている。他にもオウリムモータースによる韓国初のスーパーカー「スピーラ」が2010年に発表され、翌2011年から生産を開始したが2012年には生産中止となっており、会社自体の消息も明らかになっていない。
  20. ^ a b http://www.chosunonline.com/article/20071124000008
  21. ^ http://www.chosunonline.com/article/20071114000009
  22. ^ http://www.chosunonline.com/article/20071121000007
  23. ^ http://www.chosunonline.com/article/20051027000046
  24. ^ グッドデザインファインダー:2005年度受賞「ヒュンダイ ソナタ」(グッドデザイン賞公式サイト)
  25. ^ 例えばソナタの場合、2010年12月現在においても韓国ではタクシー用途に限定してNF系とYF系が併売されている。そのため、その区別の意味もあってか例外的にヒュンダイが公式に「NFソナタ」「YFソナタ」と呼称している。
  26. ^ 「ゲッツ」の名称はヒュンダイが日本国内での商標権を持っている。欧州ではヴィッツは「ヤリス」と呼ばれるためこの問題は発生しない。
  27. ^ 日産・スカイライン(R31型)で使われていたグレード名「エクセル」があったため。
  28. ^ ヒュンダイ・サンタフェは2001年に申請したため、この問題に引っかかっていない。
  29. ^ 「外車そっくりの国産モデル」 求められる韓国式デザイン 『朝鮮日報JNS』 2004年12月12日
  30. ^ 起亜自動車の新型車『レイ』が日本車『キューブ』『タント』と酷似 デザインパクリ疑惑が浮上 『ガジェット通信』 2011年12月3日
  31. ^ BMW「現代自動車見下さないが…10年の技術格差」 『中央日報』 2012年3月14日
  32. ^ a b 現代自「ジェネシス」はトヨタ「カムリ」とそっくり!? 『朝鮮日報JNS』 2007年3月16日
  33. ^ Genesis: Hyundai`s blue light special? 『ニューヨーク・タイムス』 2007年4月5日
  34. ^ http://www.worldcarfans.com/9071204.001/new-hyundai-genesis-emblem-revealed-and-v8-confirmed
  35. ^ 日本自動車輸入組合 (JAIA)調べ
  36. ^ “全国に先駆け導入した大型EVバス、5年でひっそり運行終了 故障が多発 車体価格は8700万円”. 南日本新聞. (2022年9月26日). オリジナルの2022年10月2日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20221002145101/https://373news.com/_news/topic.php?storyid=163414&topicid=57 
  37. ^ 同クラスの日本車と韓国車を性能面で比較すると「エンジン出力」「排出ガスのクリーン化」「燃費」の3項目で大きな差がある。また、品質面での比較では「耐久性」「信頼性」(故障率)ともに日本車に大きく劣るとの指摘が実際に韓国車を購入したユーザーから出ている。
  38. ^ https://www.recordchina.co.jp/b668347-s0-c20-d0144.html
  39. ^ 「ユーロ6」を契機に韓国市場奪還を狙う日本車(1)中央日報2015年2月27日(2015年4月14日 閲覧)
  40. ^ 起亜自とルノーサムスン、新車めぐり舌戦朝鮮日報オンライン 2013年6月21日(2013年6月22日 閲覧) 尚、文中ではSM5は192PSと表記されているが、190PSが正解である。
  41. ^ その後、2015年1月にチボリを出したため、双竜も同クラスの車種をラインナップすることとなる。
  42. ^ 双竜車社長「QM3をスペインで生産するルノーサムスンは輸入商」中央日報2014年3月6日(2015年5月7日 閲覧)
  43. ^ “20~30代会社員の64%が「輸入車を買いたい」”. 東亜日報. (2015年2月7日). http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2015020759318 2015年2月8日閲覧。 
  44. ^ 現代自労組「ストはもういやだ」 『朝鮮日報JNS』 2007年9月5日 
  45. ^ 【社説】経営権を放棄した現代車の労使合意 『中央日報』 2007年9月6日





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