迷宮組曲 ミロンの大冒険 迷宮組曲 ミロンの大冒険の概要

迷宮組曲 ミロンの大冒険

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/04 05:17 UTC 版)

迷宮組曲 ミロンの大冒険
Milon's Secret Castle
ジャンル アクションゲーム
アクションRPG[1]
対応機種 ファミリーコンピュータ (FC)
ゲームボーイ (GB)
PlayStation 2 (PS2)
Windows (Win)
Wii
携帯アプリ
ニンテンドー3DS (3DS)
開発元 ハドソン
発売元 ハドソン
デザイナー 笹川敏幸
シナリオ 笹川敏幸
プログラマー 笹川敏幸
音楽 国本剛章
井上大介
美術 笹川敏幸
人数 1人
メディア 512キロビットロムカセット
発売日 FC
198611131986年11月13日
1988091988年9月
GB
199303261993年3月26日
1993031993年3月
PS2
200402192004年2月19日
Win
200702082007年2月8日
Wii
200704102007年4月10日
携帯アプリ
200802012008年2月1日
3DS
201212262012年12月26日
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
ESRBE(6歳以上)
PEGI3
コンテンツ
アイコン
Comic Mischief
その他 型式
HFC-KM
NES-KM-USA
テンプレートを表示

音楽による演出が特徴の本作は、それが評価され(#評価)、後に他機種でも発売された(#移植版)。なおミロンを主人公にしたゲーム自体は本作以降もいくつか製作されているが、いずれもゲーム内容は本作とは大きく異なる(#ミロンが主人公のゲーム作品)。

ゲーム内容

プレイヤーキャラクターの「ミロン」を操作し、魔人マハリトに支配された「ガーランド城」を舞台に、いくつもの迷宮で構成された部屋をくぐり抜けて、城の最上階に君臨するマハリトを倒し、囚われの王女エルシラを救い出すのが目的。

「組曲」というタイトルが示すように「音楽」が重要な要素になっており、通常ステージBGMワルツを基調にした楽曲や、回数を重ねるごとに充実し最終的には7楽器によるアンサンブルへと発展していくボーナスステージのBGM[注釈 1]などの演出が特徴。

システム

ゲームはガーランド城の外観から始まり、扉や窓(あるいは一部の壁)から様々な部屋(ステージ)に入ることができる。ミロンは城の外観では1キャラ分の小さな姿で、部屋の中では縦2キャラ分の大きな姿で表現される。

オーソドックスなステージクリア型のアクションゲームではなく、部屋に入る順番は任意で選べ、一度入った部屋にも何度でも入り直すことが出来る。ゲームを進めていく内に城の1階のみだった行動範囲も徐々に広がっていき、入れる部屋(探索範囲)が多くなって行く。そして、城の各所に仕掛けられた様々な謎やギミックを解いていきながら、必要なアイテムや倒すべき敵が存在する場所を探し出し、先へ進むための条件を満たしていかないと、ゲームクリアができないようになっている。

ミロンのアクションは、左右移動・ジャンプ・シャボン玉状の弾「バブル」の発射で、バブルをぶつけて敵キャラクターを攻撃したり、部屋の中の隠された仕掛けを発見したりできる[2]ライフ制で(作中では「パワー」と呼ばれる)、敵キャラクターの攻撃を受けると減少、0のときに攻撃を受けるとゲームオーバーとなる。左右移動には加速や慣性の概念が存在し、同じ方向に移動し続けることで徐々にミロンのスピードが上がり、そこからジャンプすることで、遠くまで勢いよく飛ぶことができる。また、特定の1ブロック分の地形にミロンを押し付けるように移動し続けることで、そのブロックをズラすことが出来る。

エンディング後は次の周回に入ることが出来るが、周回するごとに敵の攻撃力や耐久力が増加し、難易度が大幅に上がる。8周目のエンディングでは、それまでのエンディングデモの後に、さらにメッセージが表示される。

ミロンの耐久力が低くすぐゲームオーバーになることに加えて、セーブ機能が搭載されていないことから、当時のアクションゲームの例によって難易度はかなり高かった。救済措置としてコンテニューコマンドは用意されていたが、取扱説明書の片隅に分かりづらく記載されていたため、当時コマンドの存在を知る者はごく少数であった[2]

アイテム

説明内にある「○○の部屋」の各詳細については、#ステージ構成を参照。

敵を倒すと手に入るアイテム

ハート
取るとパワーを1目盛り回復させる。敵を倒した時に一定確率で出現し、出現後はその場から動かず、一定時間で消える。
パラソル
取るとバブルを連射(最大3連射)できるようになる。敵を一定数(単発時は10、2連射時は14、3連射時は18)倒すと必ず出現し、ゆっくり上昇していく。
他の部屋に入ると効果が消える(一部例外あり)が、出現条件となる撃破数のカウントは持ち越される。
既に3連射できる状態で取った時はハートと同じ効果となる。
フーセン(風船)
地下牢の部屋、および火の部屋の特定の敵を倒すと出現し、揺れ動きながら上昇していく。取るとミロンがバブルに包まれ、城外まで一気に脱出できる。

部屋の中に隠されているアイテム

コイン
四角に$マーク。初めから置かれている他、ブロックの中に隠されていたり、どこかのショップでももらえる。ショップでアイテムなどを購入する代金となる。一部を除き、一度取ると再出現しない。
ハニカム
四角に蜂の巣の絵柄。取るとパワーが1目盛り分伸び、さらに全回復する。出現させても取得しない限り、その部屋に入り直せば再び出現させることが出来る。全部で9個ある。
ハチ助
ハドソンのトレードマークで、部屋の特定のポイント(ブロックか何もない空中)にバブルを当てると出現。出現後はミロンから離れる方向へ斜め上に飛んでいく。取ると2回まで攻撃を防ぐバリアに包まれる。さらにハートかハチ助を取ることで大きくなり、耐久力が倍になる(前者はパワーが減少していない時のみ)。ハニカムや楽器箱と違い、一度出現させてしまうと取り逃した場合でも同じ場所では二度と出現しない。
上述の「ミロンから離れる方向」は、正確には「出現時にミロンが向いている方向」のため、バブルを撃って素早く反対側を向けばミロンのいる側に誘導することもできる。
カギ
部屋の出口のドアを開ける。その部屋で倒した敵と消したブロックの合計が一定値に達すると、部屋内の特定の場所に出現(出現の際固有のSEが鳴る)。
カギを入手した部屋では画面にカギのマークが表示され、以降同じ部屋からは自由に出口から脱出できるようになる(再入手の必要はない)。
他の脱出方法がある部屋には存在しない。
楽器箱
特定のブロックに、下からジャンプで頭突きをすると出現。取るととボーナスステージ(詳細は後述)へ行ける。出現させても取得しない限り、その部屋に入り直せば再び出現させることが出来る。全部で7個ある。

ショップで購入するアイテム

ショップのアイテムは、アイテムの下にあるボタンにジャンプで頭突きをすれば購入することができる。名前のあとのカッコ内は購入時に必要なコイン数。一部はコインなしで手に入る。

クスリ(5枚)
緑色のボクシンググローブ状の物体・ボグに当たると、背丈が半分になり、通常では入れない狭い場所へ入れたりすることができるようになる。クスリを持っていない状態でボグに触れると、ダメージを受ける。
他の部屋(ショップやボーナスステージなどを含む)に入ったり再びボグに当たったりすると、元の背丈に戻る。
2階へ行くために必要なアイテムの1つで、ゲームクリアのために必ず入手する必要がある。
シューズ(16枚or10枚)
部屋にある「スプリング(特定の地点に隠されたジャンプ台)」が作動するようになる。1階の2箇所で売っているが、値段が異なる。
2階へ行くために必要なアイテムの1つで、ゲームクリアのために必ず入手する必要がある。
ランプ(50枚or15枚)
井戸の中を明るくする。1階と2階の2箇所で売っているが、値段が異なる。
チョッキ(24枚)
「火の部屋」の火のダメージを軽減する。
ハンマー(無し)
城の外壁(特定部分)を壊し、中に入ることが出来る。コインなしで入手できる。
ゲームクリアのために必ず入手する必要がある。
ノコギリ(無し)
格子のはまった窓を開けて、中に入ることが出来る。コインなしで入手できる。
ゲームクリアのために必ず入手する必要がある。
ハネ(35枚)
「ねじりん棒の部屋」にあるエレベーターに乗ることが出来る。
ホバリング(40枚)
ジャンプ後、ボタンを押しっぱなしで降下速度がゆっくりになる。
エクスカリバー(50枚)
バブルが虹色をした光弾のようになり、攻撃力が2倍になる。
スーパーシューズ(60枚)
ジャンプ力が上昇する。ただし城の外では効果はない。
エノグ(40枚)
「魔神殿」に出現する見えないブロックが見えるようになる。
スイトウ(無し)
敵キャラの「クロウ」と「ファイア」を倒せるようになる。コインなしで入手できる。
クロウは必ず倒さなければならない場面があるため、ゲームクリアのために必ず入手する必要がある。

上記以外にも、パワーを回復する「パワー(5枚・2目盛り回復)」「ハイパワー(15枚・全回復)」や、謎解きのヒント(無料)が入手できたり、逆にコインがもらえたりするショップがある。特にパワーやハイパワーは、ショップに入り直せば何度でも購入可能。

重要アイテム

クリスタル
魔獣(後述)を倒すと入手できる。7つ存在し、全て揃えないと最終ボス・マハリトのいる部屋に入れない。
また、クリスタルによって、以下の様々なパワーアップができる。
ホーマのクリスタル
ゲームオーバー時にコンティニューが可能となる。
ドーマのクリスタル
バブルが大きくなり、特定の敵を撃破可能(あるいは撃破数減少)となる。
バルカーマのクリスタル
バブルの射程が伸びる。
ブルードーマまたはレッドホーマのクリスタル
パラソルを取らなくても、バブルが2連射可能になる。
レッドバルカーマのクリスタル
ショップで手に入るアイテム12個を全て入手すると、城の外の特定の場所から直接「魔神殿」に入れるようになり、直前の部屋を経由する必要が無くなる。
カーマのクリスタル
パラソルを取らなくても、バブルが3連射可能になる。
カンムリ(冠)・ツエ(杖)
「魔神殿」にいる敵キャラ・クロウを倒すと出現。2つを揃えないと最後の魔獣・カーマのいる部屋に入れず、4階へ上れない。

注釈

  1. ^ ボーナスステージへ移行する条件は"楽器箱"を入手することである。これはゲームのクリアには関わらない要素だが、7つとも集めないと主旋律のバイオリンによって完成された楽曲を聴くことが出来ないため、すべて入手することがひとつの「攻略美」とされていた[2]
  2. ^ 一周目の耐久力。他の魔獣も同様。
  3. ^ 個体により差があり、16連射が可能なものも6–7割あった[3]
  4. ^ 2012年にハドソンを吸収合併。

出典

  1. ^ 【懐かしいゲーム特集】「迷宮組曲」(バーチャルコンソール版)”. livedoor ニュース. LINE (2010年10月11日). 2019年9月15日閲覧。
  2. ^ a b c d e f M.B.MOOK『懐かしファミコンパーフェクトガイド』87ページ
  3. ^ 高橋名人 『公式16連射ブック 高橋名人のゲームは1日1時間』 (2009) p.75
  4. ^ 電人☆ゲッチャ!』 「『迷宮組曲』 - 高橋名人世代」12:00。
  5. ^ なつかしの名作ACT『迷宮組曲』がi-revoゲームで遊べるように!”. 電撃オンライン. KADOKAWA (2007年2月8日). 2019年1月12日閲覧。
  6. ^ VC 迷宮組曲 ミロンの大冒険”. 任天堂ホームページ. 任天堂. 2019年1月12日閲覧。
  7. ^ Milon's Secret Castle (2007) Wii release dates” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2019年1月12日閲覧。
  8. ^ 「シャボン」を使って謎を解くアクションゲーム『迷宮組曲』配信中”. 電撃オンライン. KADOKAWA (2008年2月1日). 2022年11月3日閲覧。
  9. ^ ハドソンの傑作アクションゲーム『迷宮組曲 ミロンの大冒険』が3DSバーチャルコンソール化”. iNSIDE. イード (2012年12月19日). 2019年9月15日閲覧。
  10. ^ Milon's Secret Castle (2012) Nintendo 3DS release dates” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2019年1月12日閲覧。
  11. ^ a b 『迷宮組曲2』が実現する!? 高橋名人の新譜発売イベントを密着レポート/ゲーム情報ポータル:ジーパラドットコム - ウェイバックマシン(2010年11月24日アーカイブ分)
  12. ^ All about 迷宮組曲 制作者インタビュー
  13. ^ Milon's Secret Castle - Overview”. allgame. 2014年12月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年10月22日閲覧。
  14. ^ a b Milon's Secret Castle for Game Boy (1993)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年2月25日閲覧。
  15. ^ a b ミロンの迷宮組曲 まとめ [ゲームボーイ]”. ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2018年2月25日閲覧。
  16. ^ Provo, Frank. “Milon's Secret Castle Review”. Gamespot. 2013年5月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年10月22日閲覧。
  17. ^ M. Thomas, Lucas (2007年6月5日). “Milon's Secret Castle Review”. IGN. 2014年3月21日閲覧。
  18. ^ Milon's Secret Castle for Wii (2007)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年2月25日閲覧。
  19. ^ a b 「5月10日号特別付録 ファミコンロムカセット オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第9号、徳間書店、1991年5月10日、93頁。 
  20. ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、533頁、ASIN B00J16900U 
  21. ^ a b 「ユーゲーが贈るファミコン名作ソフト 100選」『ユーゲー 2003 Vol.07』第7巻第10号、キルタイムコミュニケーション、2003年6月1日、11頁、雑誌17630-2。 
  22. ^ a b c みかめゆきよみ (2013年7月15日). “【ファミコン生誕30周年企画】あの頃クリアできなかった『迷宮組曲』をリベンジ!”. iNSIDE. イード. 2019年9月15日閲覧。
  23. ^ 懐古主義・ファミコンゲームデザイナーの過去ブログ:ボンバーマンシリーズのBGMのこと(2)
  24. ^ ハドソン、「迷宮組曲」をモチーフにしたパズルゲーム EZweb「ミロンのほしぞらしゃぼん」を配信”. GAME Watch. Impress (2005年8月18日). 2022年11月3日閲覧。


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