経典
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/10/26 09:21 UTC 版)
チベット語訳経典
詳細は「チベット大蔵経」を参照
チベットにおける個別の仏典翻訳は、7世紀ソンツェン・ガンポ王の命令で、経典のチベット語訳は、トンミサンボータによって始められたが、8世紀末、仏教が国教となるのにともない、仏典翻訳は王国の国家事業となり、隣国インドより網羅的、体系的に仏典を収集し、翻訳する作業が開始され、数十年の短期間で一挙に完遂された。サンスクリット語の原典を正確に翻訳するためのチベット語文法と語彙の整備が行われ、シャン=イェシェデ、カワ=ペルツェク、チョクロ=ルイゲンツェンらが作業に従事、824年、一応の完成をみた。
チベット仏教における経典の分類は、他の仏教圏とも共通する「経・律・論」の三部分類よりも、「仏説部(カンギュル)」、「論疏部(テンギュル)」の2分類が重視される。カンギュルとは釈尊のことばそのものである「カー」をチベット語に「ギュル」(翻訳)したもの、テンギュルとは、竜樹らインドの仏教学者たちが「カー」に対してほどこした注釈である「テン」をチベット語に「ギュル」したもの、の意味である。
チベットでは、経典は、信仰心を著わすものとしてながらく写本で流布していたが、中国の明朝の永楽帝は中国に使者を派遣するチベット諸侯や教団への土産として、1410年木版による大蔵経を開版、この習慣がチベットにも取り入れられ、以後、何種類かが開版されることになった。
- 北京版 永楽版カンギュル(1410年)、万暦版カンギュル(1606年)、康熙版カンギュル(1692年)、雍正版テンギュル(1724年)
- リタン版(1621年-1624年)
- ナルタン版 カンギュル(1732年)、テンギュル(1773年)
- デルゲ版 カンギュル(1733年)、テンギュル(1742年)
- ラサ版 カンギュル(1936年)
また中国では、1990年代より、洋装本の形式で刊行される中華大蔵教事業の一部として、過去の諸写本、諸版の多くを校合したテンギュルの編纂が進められている。
以上の諸版に収録されている教典群大蔵経には、大乗の経論、ことに原典も漢訳も現存しないインド後期仏教の文献が多く含まれており、インド後期仏教の研究にも重要な意味をもっている。チベット語訳がサンスクリットの逐語訳に近く、原形に還元しやすいので、原典のない漢訳経典の原型を探るためにも重要視されている。
チベットの四大宗派のひとつニンマ派では、ある時期に埋蔵された経典(テルマ gter-ma)が、時を経て、しかるべき定めを帯びたテルトン(埋蔵経典発掘者)によって発見されたとする経、論を多数有し、同派の特徴となっている。テルマ(埋蔵経典)の出現は、中世以来、現代に至るまで継続しており、他の宗派からは、発掘者による創作だと見なされることが多い。この派は上記の諸版とは内容、構成のことなる独自の大蔵経を有している。
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