第23回スーパーボウル 背景

第23回スーパーボウル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/12 10:47 UTC 版)

背景

1985年3月10日から15日に開かれたオーナー会議で、フロリダ州マイアミでの6度目となる開催が決定した。過去5回の開催スタジアムはマイアミ・オレンジボウルだったが、この試合ではジョー・ロビー・スタジアムが選ばれた。

サンフランシスコ・フォーティナイナーズ

ナイナーズはマイアミ・ドルフィンズを破った第19回スーパーボウル以来4年ぶりの出場となった。過去3シーズン、チームはプレーオフ出場を果たしていたがいずれも1回戦で姿を消していた。シーズン中、モンタナとタンパベイ・バッカニアーズから獲得したスティーブ・ヤングの間で先発QBの座が争われた。チームは第11週終了時点で6勝5敗だったが、残り5試合に先発したモンタナが4勝をあげて10勝6敗まで成績を伸ばし、NFC西地区優勝でシーズンを終えた。モンタナは238回のパス成功で2,981ヤード、18TDをあげた。ジェリー・ライスは64回のキャッチで1,306ヤードを獲得、9TDをあげた。ロジャー・クレイグはチームトップの76回のキャッチをあげると共に、ラン、レシーブで合計2,036ヤードを稼ぎ、10TDをあげた。FBのトム・ラスマンも427ヤードを走るとともに42回のキャッチで387ヤードを獲得した。スペシャルチームでは2年目のジョン・テイラーがパントリターンでNFLトップの556ヤード、平均12.6ヤードをリターンし2TD、キックオフリターンでも228ヤード、レシーブでは14回のキャッチで325ヤード(平均23.2ヤード)を獲得した。

ディフェンスではティム・マッカイアーが7インターセプト、ロニー・ロットが5インターセプト、エリック・ライト、ジェフ・フラーと合わせてディフェンスバック陣で18インターセプトを奪った。またラインバッカーのチャールズ・ヘイリーが11.5サック、2ファンブルリカバーをあげた。

シンシナティ・ベンガルズ

ストライキで短縮された1987年シーズン、サム・ワイチヘッドコーチとQBブーマー・アサイアソンは反目しあい、チームは4勝11敗に終わった。1988年、アサイアソンはキャリアベストとなる3,572ヤードを獲得、28TD、14INTでNFLトップのQBレイティング97.4の成績をあげて、シーズンMVPに選ばれた。

チームのオフェンスからは6人の選手がプロボウルに選ばれた。WRのエディ・ブラウンはチームトップの54回のキャッチでチーム記録の1,273ヤード、9TDをあげた。またピッツバーグ・スティーラーズ戦では1試合のチームレシーブ記録となる216ヤードを稼いだ。またWRティム・マギーとTEロドニー・ホールマンが合計75回のキャッチで1,213ヤード、9TDをあげた。新人FBイッキー・ウッズはチームトップの1,066ヤードを走り15TD、レシーブでも21回のキャッチで199ヤードを獲得、タッチダウンをあげた後に彼が行う、タッチダウンセレブレーション、イッキー・シャッフル英語版と呼ばれるダンスでメディアに注目された[2]。もう1人のRBジェームズ・ブルックスはラン、レシーブ合計で1,218ヤードを獲得、14TDをあげた。オフェンスラインはプロボウラーのマックス・モントーヤ、アンソニー・ムニョスに統率された。特にムニョスはそれまで3回NFL最優秀オフェンシブラインマンに選ばれており、プロボウルにも8回選ばれていた。ベンガルズのオフェンスはNFLトップの448得点、ラン獲得2,710ヤード。トータルオフェンスで6,302ヤードを獲得した。

ディフェンスはNFL28チーム中、17位で相手に5,556ヤードを与え、329失点を喫した。チームは優れたディフェンスラインを持っており、プロボウルDTティム・クラムリーの他、ジム・スコーが9.5サック、デビッド・グラントが5サック、ジェイソン・バックが6サックをあげた。またディフェンスバックのエリック・トーマス、デビッド・フルチャーが合計12インターセプト、Sルイス・ビラップスが4インターセプト、2ファンブルリカバーをあげた。

チームは12勝4敗で前年地区最下位からAFC中地区優勝を果たした。

プレーオフ

ベンガルズはプレーオフでシアトル・シーホークスを21-13、バッファロー・ビルズを21-10で破った。イッキー・ウッズがプレーオフ2試合で合計228ヤード、3TDと活躍、シーズン17位だったディフェンスも2試合合計で23失点に相手を抑え5インターセプトを奪った。

ランオフェンスでNFLのトップ10にそれぞれ入るシーホークスとビルズを相手に、ベンガルズのディフェンス陣は平均2ヤードしか許さなかった。AFCチャンピオンシップゲームのビルズ戦ではイッキー・ウッズが2TDをあげた。ディック・ルボーディフェンスコーディネーターが後半よりLBレオ・バーカー、ランに強いFSソロモン・ウィルコッツの代わりに、パスに強い控えSSバーニー・ブッシー、コーナーバックも務められる新人リッキー・ディクソンを投入、ビルズのボール保持時間を後半30分のうち、9分4秒に抑えた。この試合ビルズオフェンスをラン17回で45ヤード、ケリーをパス30回中14回成功、163ヤードに抑え、3インターセプトをあげるとともに、3サックを浴びせた[3]

ナイナーズはミネソタ・バイキングスを34-9、シカゴ・ベアーズを28-3と圧倒し勝ち上がった。NFCチャンピオンシップゲームはロードでの勝利となったがこれは1979年以来のことであった。

トーナメント表

                                   
ディヴィジョナルプレイオフ
    1月1日
リッチ・スタジアム
       
AFC ワイルドカード AFCチャンピオンシップ
 5  オイラーズ  10
12月24日
クリーブランド・スタジアム
    1月8日
リバーフロント・スタジアム
 2*  ビルズ  17  
 5  オイラーズ  24  2  ビルズ  10
12月31日
リバーフロント・スタジアム
 4  ブラウンズ  23      1  ベンガルズ  21   第23回スーパーボウル
 3  シーホークス  13
    1月22日
ジョー・ロビー・スタジアム
 1*  ベンガルズ  21  
 A1  ベンガルズ  16
1月1日
キャンドルスティック・パーク
NFC ワイルドカード NFCチャンピオンシップ    N2  49ers  20
 4  バイキングス  9
12月26日
HHHメトロドーム
    1月8日
ソルジャー・フィールド
 2*  49ers  34  
 5  ラムズ  17  2  49ers  28
12月31日
ソルジャー・フィールド
 4  バイキングス  28      1  ベアーズ  3  
 3  イーグルス  12
   
 1*  ベアーズ  20  
  • ディヴィジョナルプレイオフの試合は、同地区のチームが対戦しないように組まれている。
  • チーム名の左の数字はシード順。
  • スーパーボウル開催地は事前にオーナー会議で決定。
  • チーム名の左の数字は、1988年レギュラーシーズンの結果に基づいて決定されたシード順。

  1. ^ a b TV By The Numbers, "Top 100 Rated TV Shows Of All Time," TV By The Numbers, March 21, 2009. 2016年2月27日閲覧。
  2. ^ JONNAN BRADY (2006年2月4日). “Will the Ickey Shuffle Rise Again?”. ABC. 2012年2月7日閲覧。
  3. ^ Brian Hewitt (1989年1月9日). “AFC CHAMPIONSHIP: BENGALS 21, BILLS 10 : Bengals Pull Switch on Buffalo Offense : Second-Half Adjustment Anticipates Bills' Change to Passing Strategy”. ロサンゼルス・タイムズ. 2015年9月22日閲覧。
  4. ^ SPORTS PEOPLE: PRO FOOTBALL; Stanley Wilson Jailed”. ニューヨーク・タイムズ (1990年1月13日). 2012年2月7日閲覧。
  5. ^ スーパーボウル史上失敗した最も短いFG
  6. ^ a b c d e スーパーボウルヒストリー”. NFL JAPAN. 2012年2月9日閲覧。
  7. ^ Nate Davis, USA TODAY Sports, "Ranking all 49 Super Bowls: Which was best of all time?," USA TODAY, January 27, 2016. 2016年2月27日閲覧。
  8. ^ Eddie Brown, "What's the best Super Bowl of all time?," SanDiegoUnionTribune.com, January 31, 2016. 2016年2月27日閲覧。
  9. ^ Jeremy Gottlieb, "Ranking the watchability of all 49 Super Bowl games ever played," The Washington Post, February 5, 2016. 2016年2月27日閲覧。
  10. ^ Steve Serby, "Ranking all 49 Super Bowls from worst to first," New York Post, February 5, 2016. 2016年2月27日閲覧。
  11. ^ John Clayton, "Ranking all 49 Super Bowls," ESPN.com, January 29, 2016. 2016年2月27日閲覧。
  12. ^ Don Banks, "Every Super Bowl, ranked," SI.com, December 21, 2015. 2016年2月27日閲覧。
  13. ^ Neil Best, "From I to XLIX, ranking the best Super Bowls," Newsday, February 3, 2016. 2016年2月27日閲覧。
  14. ^ Gary Myers, "From wide right and David Tyree to all those blowouts, ranking every Super Bowl game ever played from I to XLIX," NY Daily News, February 5, 2016. 2016年2月27日閲覧。
  15. ^ Greg Rajan, "What are the best, worst Super Bowls?," Houston Chronicle, February 4, 2016. 2016年2月27日閲覧。





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