火星隕石
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/16 18:04 UTC 版)
歴史
1983年に、M.R.スミスらがいわゆるSNC隕石グループ(シャーゴッタイト、ナクライト、シャシナイト)が隕石の放射線分析の結果、火星起源であると示唆した。これらの結果はTreimanらによっても確認され、1983年末、D.D.ボガードらによってシャーゴッタイトに分類される エレファント・モレインA79001に含まれる貴ガスの存在比率が、1970年代にバイキング計画の結果得られた火星の大気の組成と似ていることを発見した[4]。
172個の火星隕石はシャーゴッタイトに分類されるものが140個、ナクライトが18個、シャシナイトが3個、玄武岩質の角礫岩隕石が7個、以上のどれにも属さないものが7個である(2016時点[1])。1980年にイエメンに落下したカイドゥン隕石は火星の衛星フォボスに由来する可能性がある。
SNC隕石グループの大部分は地質学的年代は若く、数億年前まで火星に火山活動があったことを示し、宇宙線照射年代の結果からは宇宙空間にあった時間も比較的短かったことが示されている。
分類
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2018年4月25日、207個の火星隕石のうちの192個はエイコンドライト(石質隕石)に分類され、そこからさらに3つ、シャーゴッタイト (169), ナクライト (20), シャシナイト (3)に分かれる。残り(15)には斜方輝石岩質隕石(OPX)のアラン・ヒルズ84001と、10個の玄武角礫岩質隕石が含まれる[5]。その結果、火星の隕石は全体としてSNCグループと呼ばれることがありる。それらは、互いに一致し、地球のそれと一致しない同位体比を持っている。なお、名称は、そのタイプの最初の隕石が発見された場所に由来している。
シャーゴッタイト
シャーゴッタイトは、1865年にインドのSherghatiで発見されたシャーゴッティ隕石から名付けられている。
主なものにNWA 4766や2011年に落下が観察されたティシント隕石がある。
- ^ a b http://www.lpi.usra.edu/meteor/metbull.php
- ^ Treiman, A.H. (October 2000). “The SNC meteorites are from Mars”. Planetary and Space Science 48 (12–14): 1213–1230. Bibcode: 2000P&SS...48.1213T. doi:10.1016/S0032-0633(00)00105-7.
- ^ Webster, Guy (2013年10月17日). “NASA Rover Confirms Mars Origin of Some Meteorites”. NASA. 2013年10月29日閲覧。
- ^ Bogard, D. D.; Johnson, P. (1983). “Martian gases in an Antarctic meteorite”. Science 221 (4611): 651–654. Bibcode: 1983Sci...221..651B. doi:10.1126/science.221.4611.651. PMID 17787734.
- ^ “Search results for 'Martian meteorites'”. Meteoritical Bulletin. Meteoritical Society. 2020年4月27日閲覧。
- ^ Meteorites and Their Parent Planets, Harry Y. McSween, Jr
固有名詞の分類
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