戦争の世代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 04:57 UTC 版)
第3世代
ナチス・ドイツのフランス侵攻で用いられた電撃戦は、固定的な砲陣地や塹壕陣地に打ち勝つ速度と機動性の力を示した。ドイツ国防軍は、戦車、機械化歩兵、近接航空支援の運用によって、敵の線的な防御陣地を迅速に突破し後方地域を確保することができた。
敵が堅固に守る防御陣地を迂回するために巧妙な機動と速度を重視することは世界中で共通の戦略である。これにより、より縦深の目標を打撃することによって敵を崩壊させることは、第4世代の戦争においても主要な戦略である(その方法は第3世代の戦闘とは少し異なる)[2]。
第3世代の戦争は、巧妙な戦略によって技術的な不利を克服するという考え方からはじまった。これにより線的な戦い方は終わり、より素早く動く新しい戦い方が表れた。
運動性の強調により、重装甲よりも速度が重視された。ヘリコプターの開発により敵地への進入が容易となり、ミサイル技術の発展により敵防御陣地を飛び越えて長距離から目標を打撃することができるようになった。これにより、戦況は急速に変化することとなり、前線の部隊はより高度な自律性を求められるようになった。
自律性を高めるために、上級将校は隷下部隊の下級将校に対してより大きな自主裁量の余地を与える必要があった。上級将校によるマイクロマネジメントを避けることによって適切に目標を達成することができると信じられた。
下級将校は、前線から遠く離れた司令官の判断よりも、現地の状況の変化に応じて柔軟に判断することが許された。これにより、旧態依然の秩序ある命令の文化は廃れた。
代表例として以下の戦争が挙げられる。
- ^ Lind, William S.; Nightengale, Keith; Schmitt, John F.; Sutton, Joseph W.; Wilson, Gary I. (October 1989), “The Changing Face of War: Into the Fourth Generation”, Marine Corps Gazette: 22–26
- ^ a b c d Lind, William S. (January 15, 2004), “Understanding Fourth Generation War”, antiwar.com 2010年2月7日閲覧。
- ^ On Fourth Generation Warfare, The Mackenzie Institute
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