心中
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/12 01:08 UTC 版)
概説
相愛の男女がその愛情の変わらないことへの誓いとして二人で自殺すること。転じて二人ないし数人の親しい関係にある者たちが合意の上で一緒に自殺すること(例:一家心中)。さらに合意のない殺人でも、状況により無理心中と呼ばれることがある。
情死
相愛の男女による心中。この世で結ばれないことから、来世で結ばれることを願う。また、親密な同性のカップルが一緒に自殺する場合もあり、エスが流行した1910年代以降には、少女同士の自殺が多発し社会問題となった[1]。
一家心中
一家そろって自殺する(もしくは首謀者が同居家族に対して嘱託殺人を行い自分も自殺する)こと。家族心中・親子心中ともいう。
無理心中
恋愛のもつれから恋人を殺害して自殺する場合など、相手の合意無く行われる心中で、首謀者が相手を殺害したうえで自殺を図る。実際は殺人として扱われ、首謀者が生き残れば殺人罪に問われる[2]。
自分が自殺しようとしたとき、自分の子・親・配偶者など同居者が現世に残されるのを不憫に思い、同居者を殺して自殺するなど、相手の意志や人権を無視したケースもある(ゲッベルスの一家心中など)。
一家心中を図り、親が家族を殺害したあと自分も自殺をしようとしながら死にきれず生き延びた場合など、非難の意味を込めて無理心中と呼ぶ場合がある。
ストーカーが最終手段としてストーカー被害者を殺害して自殺するケースもある(逗子ストーカー殺人事件、館林ストーカー殺人事件など)。
ネット心中
インターネットの自殺系サイト等で知り合った見ず知らずの複数の他人が、一緒に自殺すること。ネット上で参加者を募るため、お互いに全く繋がりがない者同士で自殺するという点が従来の心中とは異なっている。
- ^ a b c 長島淳子『江戸の異性装者たち:セクシュアルマイノリティの理解のために』勉誠出版、2017年、194-212頁。ISBN 9784585221982。
- ^ 被害者に同意の上で殺害した場合には、その罪は刑法202条で6ヶ月以上7年以下の懲役・禁錮と定められており、通常の殺人罪より処罰は軽いが、殺人罪に変わりはない。
- ^ 村井信幸「ナシ族(納西族)」、平凡社『世界大百科事典』の一項目
- ^ 原島陽一「心中」、小学館『日本大百科全書』、Yahoo!百科事典の一項目[リンク切れ]
- ^ a b c d e f 大掛麻央「「『好色五人女』巻四 恋草からげし八百屋物語」の考察」『広島女学院大学国語国文学誌』第39巻、広島女学院大学、2009年12月、41-55頁、CRID 1050858784330579584、ISSN 0288-2078、NAID 120005396580。
- ^ 松村明編「旺文社古語辞典」旺文社、「心中」より
- ^ 杉本つとむ『女のことば誌』雄山閣出版 1975
- ^ a b 松島遊廓の研究法律新聞 1916.9.13
- ^ 森達也『放送禁止歌』知恵の森文庫、2003年、110頁。ISBN 4-334-78225-6。
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