女番長ブルース 牝蜂の逆襲 作品の評価

女番長ブルース 牝蜂の逆襲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/12 01:26 UTC 版)

作品の評価

シリーズ化

当初シリーズ化の予定はなかったが、大ヒットしたため[10]、岡田社長が「石井輝男のエログロ映画が終わり、ヤクザ映画以外にもう1本ラインがないと興行が弱い。若者のラインを何とか確立したい」と号令をかけシリーズ化させた[12]

シリーズの概要

東映の『女番長シリーズ』は、主演女優の引退宣言や怪我などが相次ぎ、やや複雑である[25]。シリーズ2作目の『女番長ブルース 牝蜂の挑戦』を撮り終えたところで、池が突如、「第二の南沙織を目指す」と脱ポルノを宣言、女優を辞めて清純派歌手への転身を発表した[5][8][9]。東映は激怒したが、池は女優を一旦引退し歌手になった[8][26]

東映ポルノのNo.2格だった渡辺やよい東京12CHの『プレイガール』のレギュラーに収まったこともあり[27]、シリーズ3作目の『女番長ゲリラ』でそれまで脇だった杉本美樹が主演に昇格した[11][8][27]。池はキャバレー回りなどをしたが歌唱力はなく、転身は失敗に終わり、引退を撤回して東映に詫びを入れ、1972年8月に東映に復帰[8][26][28]。『女番長ゲリラ』は急遽2人が共演するオールスター女番長映画となった(池の出演は最初と最後だけ)。

その後、シリーズ4作目の『女番長』、5作目の『女番長 感化院脱走』は杉本が主演を務めたが、1973年に杉本も池同様、ポルノに拒否反応を示し、東映と揉めて1年近く干された[8][26]。1974年の『0課の女 赤い手錠』は既に撮了のため公開されたが、この年引退宣言をして一時映画界を離れ、翌年に復帰したが東映の番線からは遠のいた[8]

本来、6作目だった『女番長 玉突き遊び』は、関本郁夫の監督デビューにあたり、それまでの鈴木則文・中島貞夫監督と比べられては辛いであろうとの判断がなされ、主演は新人の叶優子となった[26][29]。しかし撮影のラストに叶が骨折し[26]、公開が延期となり、池玲子を主演にして関本が『女番長 タイマン勝負』を撮り[30]、こちらが先に公開され、『女番長 玉突き遊び』がシリーズ最終作として公開された[31][26]

逸話


注釈

  1. ^ a b c 女番長ブルース 牝蜂の逆襲”. 日本映画製作者連盟. 2017年10月29日閲覧。
  2. ^ ぴあシネマ 1998, p. 385.
  3. ^ a b THE 女番長(スケバン) 全開ガールズパワー/ラピュタ阿佐ケ谷
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m 東映ゲリラ戦記 2012, pp. 21–31.
  5. ^ a b PV 1999, pp. 48–51.
  6. ^ a b c ポルノ女優第一号を創った男たち/春日太一 - 筑摩書房 PR誌
  7. ^ a b 日刊ゲンダイ|プレイバック芸能スキャンダル史 池玲子 2度の逮捕で一時活動休止した元祖ポルノ女優
  8. ^ a b c d e f g h i j 悪趣味邦画 1995, pp. 143-145、259-261.
  9. ^ a b c d e f 藤木TDCのヴィンテージ女優秘画帖 第13回 スケバンへの道~Enter the Sukeban~その6」『映画秘宝』、洋泉社、2007年4月、99頁。 
  10. ^ a b SA 2015, pp. 138–141.
  11. ^ a b c PV 1999, pp. 48-51、102-106.
  12. ^ a b c d 「東映『女番長』シリーズのすべて鈴木則文に訊く『女番長』シリーズ誕生秘話」『映画秘宝』、洋泉社、2009年4月、66-67頁。 
  13. ^ a b c PV 1999, pp. 102–106.
  14. ^ 日本不良映画 2016, pp. 44-49、74-81.
  15. ^ PV 1999, p. 2.
  16. ^ a b c 日本不良映画 2016, pp. 44–49.
  17. ^ 藤木TDCのヴィンテージ女優秘画帖 第12回 スケバンへの道~Enter the Sukeban~その5」『映画秘宝』、洋泉社、2007年4月、99頁。 
  18. ^ a b c d 「東映ポルノの巨匠 鈴木則文の美学 『下品こそ、この世の花、』」『週刊ポスト』2017年4月21日号、小学館、160頁。 
  19. ^ 猛爆撃 1997, pp. 236–240.
  20. ^ PV 1999, pp. 66-67、102-106.
  21. ^ 「藤木TDCのヴィンテージ女優秘画帖 第8回 スケバンへの道~Enter the Sukeban~その1」『映画秘宝』、洋泉社、2006年11月、112頁。 
  22. ^ 牝蜂! 野良猫! ずべ公番長! 70年代、お姐ちゃんたちは強かった!! スケバン映画よ永遠なれ! スケバン映画年表」『映画秘宝』、洋泉社、2008年10月、60頁。 
  23. ^ a b c d e f g h i j 日本不良映画 2016, pp. 74–81.
  24. ^ PV 1999, pp. 40-41、102-106.
  25. ^ 「藤木TDCのヴィンテージ女優秘画帖 第30回 余禄・星くず女番長の伝説」『映画秘宝』、洋泉社、2008年12月、99頁。 
  26. ^ a b c d e f 映画人烈伝 1980, pp. 154-157、190-201.
  27. ^ a b 「藤木TDCのヴィンテージ女優秘画帖 第18回 女番長の星座 その1」『映画秘宝』、洋泉社、2007年6月、99頁。 
  28. ^ 「藤木TDCのヴィンテージ女優秘画帖 第17回 スケバンへの道~Enter the Sukeban~その10」『映画秘宝』、洋泉社、2007年9月、99頁。 
  29. ^ 「藤木TDCのヴィンテージ女優秘画帖 第25回 女番長の星座 その8」『映画秘宝』、洋泉社、2008年7月、99頁。 
  30. ^ 「藤木TDCのヴィンテージ女優秘画帖 第30回 余録・女番長の星座」『映画秘宝』、洋泉社、2008年12月、99頁。 
  31. ^ 日本不良映画 2016, pp. 44-49、63-65.
  1. ^ 演じている池畑慎之介の実際の持ち歌。






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