塩の街
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/05 13:49 UTC 版)
塩の街、その後
『塩の街、その後』(しおのまち、そのご)は、本作品のサイドストーリーに当たる短編小説である。電撃hpに掲載された三話と、単行本化の際に書き下ろした一話の、合計で四つの話があり、題名にはそれぞれ、本編より後の話には「飛行後打ち合わせ」の意味を持つ「debriefing」が、本編より前の話には「飛行前打ち合わせ」の意味を持つ「briefing」が冠されている。
- -debriefing- 旅のはじまり
- -briefing- 世界が変わる前と後
- -debriefing- 浅き夢みし
- -debriefing- 旅の終わり
『その後』の登場人物
- 高橋 ノブオ(たかはし ノブオ)
- ルポライターを目指す中学生。塩害によって変貌した世界の姿を見るべく、秋庭と真奈の車に無理やりヒッチハイクを仕掛け、二人と行動を共にする。
- 江崎 樹里(えざき じゅり)
- 巨大な洋館に住まう車椅子の少女。入江の人体実験により父親を殺されたことを恨んでおり、自分が罹った塩害を入江に治させるべく拉致した。
- 柏木(かしわぎ)
- 江崎家に仕える使用人。父親が江崎家の執事であったために子供のころから江崎家に出入りしており、樹里が物心ついたころからずっと傍らに居た。
- 秋庭の父
- 秋庭の父親。元航空自衛官のパイロットであり、自分がパイロットであったせいで妻の臨終を看取れなかったことを後悔している。そのため自分と同じ道を目指す秋庭と対立し、長いあいだ絶縁状態にあった。
制作背景
本作はハードカバーとして刊行することを著者の担当が推していたが、同作品が電撃小説大賞の〈大賞〉を受賞したために電撃文庫から刊行するを余儀なくされ、その後の二作品は担当の要望どおりハードカバーとして刊行された。このため、『塩の街』が三部作の陸上自衛隊編であるということが読者にもなかなか認識されないということもあり、『塩の街』は続編を収録した後に新たにハードカバーとして刊行されたという経緯がある[4]。
既刊一覧
- 有川浩(著) / 昭次(イラスト) 『塩の街 wish on my precious』 メディアワークス〈電撃文庫〉、2004年2月10日発売[5]、ISBN 4-8402-2601-6
- ハードカバー:2007年6月11日発売[6]、ISBN 978-4-8402-3921-9
- 角川文庫版:2010年1月23日発売[7]、ISBN 978-4-04-389803-9
- 刊行後に乱丁が見つかり商品を回収した後、改めて出版し直された[8]。
注釈
出典
- ^ a b c 『このライトノベルがすごい!2005』宝島社、2004年12月9日第1刷発行、77頁。ISBN 4-7966-4388-5。
- ^ 出版社側は大賞を受賞したがゆえに文庫として出さざるを得なかったという
- ^ “有川ひろ×弓きいろ「図書館戦争」13年の連載に幕!自衛隊描く3部作マンガ化も決定”. 20230219閲覧。
- ^ 有川浩. “あとがき”. 塩の街 (初版 ed.). メディアワークス. pp. 416頁 - 421頁
- ^ “塩の街 wish on my precious”. KADOKAWA. 2023年8月8日閲覧。
- ^ “塩の街(ハードカバー)”. KADOKAWA. 2023年8月8日閲覧。
- ^ “塩の街(角川文庫版)”. KADOKAWA. 2023年8月8日閲覧。
- ^ http://www.kadokawa.co.jp/shop/20100122_info.html
- ^ a b “有川ひろ×弓きいろ「塩の街」がLaLaで開幕!「マリッジパープル」は最終回”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年8月24日) 2021年8月24日閲覧。
- ^ “有川ひろ×弓きいろ「塩の街」1巻、塩害の時代を生きる少女と青年を描く”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年4月5日) 2022年4月6日閲覧。
- ^ “塩の街 〜自衛隊三部作シリーズ〜 1”. 白泉社. 2022年4月6日閲覧。
- ^ “塩の街 〜自衛隊三部作シリーズ〜 2”. 白泉社. 2022年10月10日閲覧。
- ^ “塩の街 〜自衛隊三部作シリーズ〜 3”. 白泉社. 2023年4月5日閲覧。
- ^ “塩の街 〜自衛隊三部作シリーズ〜 4”. 白泉社. 2023年11月3日閲覧。
固有名詞の分類
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