台北機廠
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施設
落成時の原型をほぼ留めており、全体設計は台湾総督府の宇敷赳夫が[8][9]、モダニズムの影響がみられる職員用大浴場などの内装・機材設計は同じく総督府の速水和彦が担当した[10]、直径5メートル、深さ1.25メートルの大型浴槽が2つ設置されていた。工場操業用のボイラーから発する余熱で稼働しており、2012年末まで使用された[11]。機廠内の建築物としては最初に台北市の市定古蹟に指定された[5]。指定要因は建築様式だけでなく、作業員の生活感や当時の労働文化を偲ばせることであった[5]。
廠内は人事室、会計室、倫理室(政風室)、総務室、労働安全衛生室(勞工安全衛生室)、技術部、工作部、材料部と数か所の内部工場があった[12]。大半の人員は既に富岡基地に配置転換されており、残留スタッフの数は少なくなっている。
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正面
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総弁公室
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客車工場
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柴電工場
配線
縦貫線の台北駅 - 松山駅が地上複々線時代は最南端の1線が華山駅が管理する側線であり、台北機廠側線でもあった。機廠の外側には職員通勤用の臨時駅(正式名はなく、通称「台北機廠前」と呼ばれていた。)が設けられ、出勤日は2本の通勤電車が往復していた(末期はEMU100型1編成5両またはEMU300型3編成併結の9両)。松山駅方面への退勤列車は機廠を出発すると地下線経由で縦貫線順行側(北側)と合流し、松山へ向かっていた。
2010年代は汐科駅 - 板橋駅間の地下化区間で唯一地上路線区間であり、台北駅方面には折返し線を備えていた。 2012年1月30日、通勤列車が最後の運行を終え、翌日以降は台湾高速鉄道の南港駅延伸事業に伴い連絡線撤去が開始された[13]。
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1946年ごろの風景
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地下線への入口
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奥の高架下に職員用ホームが見える
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機廠内部(奥は台北101)
バス停留所
かつて市内八徳路上に「鐵路機廠」という名称の停留所が存在した[14]。京華城建設後、市民大道上に新設された停留所名は「京華城」となった。鐵路機廠停留所は京華城の正門に位置し、京華城停留所は裏門に位置していた。停留所の英文名は台鉄側の「Taipei Railway Workshop」に準拠せず台北聯営公車の事業者は単純な英訳である「Taipei Railway Machinery Manufacuturing Plant」、台北捷運公司は「Taipei Mold Loft of Town Taiwan Railway」だった。後に鐵路機廠とされていた停留所の方は「京華城」に変更され、英文名称を巡る相違もなくなった。
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- ^ 【2015.01.07】葛仲珊攀國寶級火車 台鐵譴責 2015年1月7日,udn.tv/Youtube
- ^ 葛仲珊MV惡搞自強號 台鐵要求刪除畫面 2015年1月6日,台灣蘋果日報
- ^ 葛仲珊踩國寶級火車 犯眾怒 2015年1月7日,中時電子報
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