厘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/19 03:37 UTC 版)
歴史
中国では古く「氂」または「釐」と書いた。『孫子算経』では「1寸=10分、1分=10氂(釐)、1氂=10毫、1毫=10絲、1絲=10忽」という体系が示されている。「厘」は「釐」の古くからある略字。読みは本来「リ」であり、中国では今でも「lí」と発音するが、日本ではいつからか「リン」とよむようになった。『孫子算経』にも見えるように本来は長さの単位であるが、後にほかの分野にも用いられるようになったものである。
日本では中世以前は分→毛→厘の順であったが、近世(江戸時代以降)では現在の順序である分→厘→毛になった。中国では、古来から分→厘→毛の順で一貫している。ただし、「毛」の字はかつては「豪」であった[5]。
現在では、プロ野球などにおいて、打率などの数値を小数点以下三桁以降まで示す際にも使われている。
漢字の旁
厘は、メートル法でセンチ(c)を接頭する単位の漢字の旁(つくり)となる。
脚注
参考文献
- 小泉袈裟勝『歴史の中の単位』総合科学出版、1979年12月1日。ISBN 978-4-88181050-7。
- 三上隆三『江戸の貨幣物語』東洋経済新報社、1996年。ISBN 978-4-492-37082-7。
- 久光重平『日本貨幣物語』(初版)毎日新聞社、1976年。
外部リンク
注釈
出典
- ^ 現代の視点では1円が10にあたるというのは聊か不思議に見える。判っているのは、新貨条例に先立ち、大隈重信が、各国通用の制に則り、100銭を1元(圓)、1銭の1⁄10を1厘とするように建議したということのみ。銭はセントに通ずるとされる(三上(1996), p.297-298)。一方、何を根拠に1⁄100を意味する厘が元(圓)の1⁄1000の単位に置かれたかは不明(久光(1976)p163.)。その時に定められた貨幣単位が今日に受け継がれている。
- ^ 小泉(1979), p. 259
- ^ 二村隆夫監修:「丸善 単位の辞典」、p.377、2002年3月25日発行、ISBN 4-621-04989-5
- ^ 「金鵄」のバラ売り始める(昭和19年7月28日 毎日新聞(東京)『昭和ニュース辞典第8巻 昭和17年/昭和20年』p577 毎日コミュニケーションズ刊 1994年
- ^ 久光(1976)p163.
- ^ 小泉袈裟勝、『歴史の中の単位』、「銭以下は、分、厘、豪と10進法をとるのである。この方式もいつか日本に入った。」、p.259、総合科学出版、1974年11月10日発行
厘と同じ種類の言葉
- >> 「厘」を含む用語の索引
- 厘のページへのリンク