両性愛 近代西洋における両性愛の普及

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両性愛

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/26 16:43 UTC 版)

近代西洋における両性愛の普及

近代に入ってまとめられたいくつかの調査[要出典]によれば、西洋に住む人々のうち約2%から6%が両性愛者である。しかしながらこの調査には回答者の無作為抽出や回答者の規模などに関して方法的な難点が存在するし、回答を自己分析に頼ることによって正確性も疑問視されている[誰によって?]。したがって、この調査が報告する両性愛者の人口は論争の対象である。さらに、個々の調査で両性愛の基準が統一されていないことも問題である。ある調査[要出典]は両性愛という現象の存在自体を無視しているし、同性愛と異性愛のくくりに入れてしまう調査[要出典]も存在する。報告されている結果を検討しても、語の定義が統一されていないことから、同性愛と異性愛とどちらがより多く見られるのかを決定することはできない。ちなみに、西洋以外の地域からの逸話的報告[要出典]では、両性愛を示す割合が同性愛よりはるかに高いことが示唆されている。

おそらく人間についての統計を初めて記述した[要出典]精神科医ジークムント・フロイトは、「あらゆる人間は誰でも、人生のうちのある時期において両性愛者になりうる可能性を持っている」と考えた。彼は、人間の社会的成長の過程において、同一の性(それが自然に得たものか努力で得たものかにはよらない)における性的経験が、その人のもつであろう必要と欲望、特に性的欲望を愛着のもてるものとするか否かを決定するという考えに基づいているのである。

両性愛に関する諸研究

Main article:キンゼイ報告
アルフレッド・キンゼイSexual Behavior in the Human Male(1948)Sexual Behavior in the Human Female(1953)(人間男性の性行動・人間女性の性行動)に代表される数件の論文は、ほとんどの人はある程度両性愛的傾向を持つと述べている。つまり、異性愛を自覚する人は、ただ単に異性を同性より好むというだけであって、本来は同性に対する性的魅力も持っていると述べるのである。その他の調査によれば、完全な異性愛または同性愛と断定出来る人は全人口に対して5%ないし10%にすぎないという。一方で、ごく少数の人々は一方の性をより好むという自分の傾向をはっきりとは自覚していない。
両性愛はいずれの性に対しても同じくらいの強さで性的魅力を感じるということのみを意味するのではない。実際、一方の性を明確に好みながらも他方の性への魅力を排除しようとはしないという人は、両性愛者となりうるし実際自身が両性愛者であると認識していることも多い。2005年にメディアの注目を集めた、心理学者ジョン・マイケル・ベイリーによる今後議論を呼びそうな研究を含む、最近のいくつかの研究は、両性愛は男性にきわめて少ないものであるとする見解を提示している。

注釈

  1. ^ バイセクシャリティとも表記。
  2. ^ バイセクシャルとも表記。
  3. ^ 俗語隠語)として「両刀」という言葉もある。
  4. ^ 「pan」、「omni」は英語の接頭語であり、「全ての」という意味を添える。例:Pan-Pacific(パンパシフィック=環太平洋の)
  5. ^ 「バイ」(bi)は英語の接頭語(ラテン語系)であり、「両方の」「二つの」という意味を添える。例:bilingual(バイリンガル=二つの言語を使用できる人)
  6. ^ 「トリ」(tri)は英語の接頭語(ラテン語系)であり、「三つの」という意味を添える。
  7. ^ 「フォビア」は英語の接尾語であり、「〜恐怖症」という意味である。
  8. ^ 同性愛者であることについて非難されるのではないかと恐れること、またそのように恐れる人。
  9. ^ 異性愛者であることについて非難されるのではないかと恐れること。またそのように恐れる人。
  10. ^ 直訳すれば「とりあえず両性愛、あとで同性愛」。日本語にしてもわかるとおり、このスラングには両性愛者に対する誤解を内包している。
  11. ^ down-lowとは英語のスラングであって、隠れてする何かをいう時用いる。このような文脈では特に同性愛のことを指す。
  12. ^ 逆に、有史以前に遡るほど地母神崇拝・生殖器信仰もあり性的な表現には寛容である

出典

  1. ^ Crompton, Louis (2003). Homosexuality and Civilization. Cambridge, Massachusetts: Belknap Press. ISBN 978-0-674-01197-7. https://archive.org/details/homosexualityciv00crom 
  2. ^ Bagemihl, Bruce (1999). Biological Exuberance: Animal Homosexuality and Natural Diversity. London: Profile Books, Ltd.. ISBN 978-1-86197-182-1 
  3. ^ Roughgarden, Joan (May 2004). Evolution's Rainbow: Diversity, Gender, and Sexuality in Nature and People. Berkeley, CA: University of California Press. ISBN 978-0-520-24073-5. https://archive.org/details/evolutionsrainbo00roug 
  4. ^ Driscoll, Emily V. (2008年7月). “Bisexual Species: Unorthodox Sex in the Animal Kingdom”. Scientific American. http://www.sciam.com/article.cfm?id=bisexual-species 
  5. ^ Eisner, Shiri (2013). Bi: Notes for a Bi Revolution. Seal Press. ISBN 978-1-58005-474-4 
  6. ^ Szymanski, Mike (2008). “Moving Closer to the Middle: Kinsey the Movie, and Its Rocky Road to Bisexual Acceptance”. Journal of Bisexuality 8 (3–4): 287–308. doi:10.1080/15299710802501918. 
  7. ^ [1][リンク切れ]
  8. ^ (Oxford English Dictionary, 2nd ed. より出典)
  9. ^ Christopher Bollas, "The trisexual", In The shadow of the object, London, Free Association Books Ltd, 1987.
  10. ^ [2][3]
  11. ^ [4]アーカイブされたコピー”. 2006年4月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年4月27日閲覧。
  12. ^ [5] アーカイブ 2012年2月4日 - ウェイバックマシン[6]
  13. ^ アーカイブされたコピー”. 2006年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年10月2日閲覧。
  14. ^ アーカイブされたコピー”. 2006年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年10月2日閲覧。
  15. ^ (El-Rouayheb, 2005, pp. 14-24)より出典
  16. ^ (Monroe, 1997, p. 117)より出典
  17. ^ アーカイブされたコピー”. 2007年1月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年2月17日閲覧。






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