不当利得
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/19 23:41 UTC 版)
転用物訴権と騙取金弁済
法律上の原因のない給付があった場合に、その受益が相手方のみならず実質的に第三者にも帰することになる場合がある。転用物訴権の問題と騙取金による弁済の問題がこれにあたり、その法的処理については議論がある。
転用物訴権
転用物訴権の項目を参照。
騙取金弁済
甲が、乙から金銭を騙し取りまたは横領し、その金銭で自己の債権者丙に対する債務を弁済した場合に、乙の丙に対する不当利得返還請求が認められるかの問題である。 これに関して、判例(最高裁昭和49年9月26日民集28巻6号1243頁)は、「社会通念上乙の金銭で丙の利益をはかったと認められるだけの連結がある場合には、なお不当利得の成立に必要な因果関係があるものと解すべきであり、また、丙が甲から右金銭を受領するにつき悪意又は重大な過失がある場合には、丙の右金銭の取得は、被騙取者又は被横領者たる乙に対する関係においては、法律上の原因がなく、不当利得となる」としている。
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参考文献
- 鈴木禄彌『債権法講義(3訂版)』(1995年、創文社)
- 加藤雅信『事務管理・不当利得・不法行為(第2版)』(2005年、有斐閣)
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- ^ 2020年4月1日施工の民法改正までは167条1項によるべきとされてきた。2020年4月1日施行の民法改正の時効期間の統一により167条は「人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効」の条文になっている。
- ^ 内田貴著 『民法Ⅱ 第3版 債権各論』 東京大学出版会、2011年2月、600頁
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- ^ 内田貴著 『民法Ⅱ 第3版 債権各論』 東京大学出版会、2011年2月、614頁
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