リー群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/16 13:43 UTC 版)
無限次元リー群
リー群は定義から有限次元である。しかし、有限次元性を除けばリー群に酷似した群というものがたくさん存在する。これらの群に対する一般論は少ないが、いくつかの例では研究がなされ結果が得られている。
- 多様体上の可微分同相写像全体の成す群。円周上定義される可微分同相写像全体の成す群はきわめてよく知られている例である。そのリー環というのは実質的にヴィット環 (Witt algebra) で、その中心拡大はヴィラソロ代数と呼ばれ、弦理論や共形場理論などで用いられている。より大きな次元の多様体上の可微分同相写像群についてはあまり知られていない。時空の可微分同相写像群は、重力の量子化に際してしばしば現れる。
- 多様体から有限次元群への滑らかな写像全体の成す群はゲージ群と呼ばれ、場の量子論やドナルドソン理論で用いられている。多様体として円周をとるときは、ループ群と呼ばれ、付随するリー環が実質的にカッツ・ムーディ代数であるような中心拡大を持つ。
- 一般線型群や直交群などに対する無限次元の類似物。重要な側面のひとつは、これらが「簡素な」位相的性質を持っているだろうということである。たとえば、クーパーの定理を参照。
参考文献
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和書
- 小林俊行、大島利雄『リー群と表現論』岩波書店、2005年4月6日。ISBN 4-00-006142-9 。
- 松本敏彦. (2005). 日評数学選書 リー群入門. 日本評論社.
- リー群論, 杉浦光夫著, ISBN 978-4-320-01637-8, 共立出版.
- はじめて学ぶリー群-線型代数から始めよう-, 井ノ口順一 著, ISBN 978-4-7687-0470-7, 現代数学社.
- リー群のユニタリ表現論,平井武、ISBN 978-4-320112087、共立出版(2022).
- Claude Chevalley, 齋藤正彦 (訳):「シュヴァレー リー群論」、筑摩書房、ISBN 978-4480094513(2012年6月6日)。
洋書
- Adams, J. Frank (December 1, 1996). Lectures on Exceptional Lie Groups. Chicago Lectures in Mathematics. University Of Chicago Press. ISBN 0-226-00527-5
- Fulton, William; Harris, Joe (July 30, 1999). Representation Theory : A First Course. Graduate Texts in Mathematics / Readings in Mathematics (1st ed.). Springer Verlag. ISBN 0-387-97495-4
- Knapp, Anthony W. (2002). Lie Groups Beyond an Introduction. Birkhäuser. ISBN 0-8176-4259-5
- Rossmann, Wulf (August 24, 2006). Lie Groups: An Introduction Through Linear Groups. Oxford Graduate Texts in Mathematics. Oxford University Press. ISBN 0-19-920251-6 - 注意:2003年刊の再版で初版の誤植が訂正されている。線型群(すなわち有限次元の行列で定義される連続群)のトリビアルでない実例を通じたリー群とリー代数の入門書。
- Serre, Jean-Pierre (1992). Lie Algebras and Lie Groups: 1964 Lectures given at Harvard University. Lecture Notes in Mathematics (2nd sub ed.). Springer. ISBN 3-540-55008-9
関連項目
固有名詞の分類
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