メッセージ (コンピュータ)
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メッセージパッシング (英: message passing) とは、並行計算・並列計算、オブジェクト指向、プロセス間通信で使われる通信方式である。プロセスもしくはオブジェクトといったモデルではメッセージ(ゼロ以上のバイト、複雑なデータ構造、プログラムコードも含む)を送ったり受けたりできる。メッセージを待つことによって同期することもできる。メッセージパッシングに基づく主なモデルとしてアクターモデルやプロセス代数がある。
概要
メッセージパッシングは、ひとつもしくは多くの受信者 (receiver) に対して送信者 (sender) がデータを配送できる通信方法である。通報の形として遠隔メソッド呼び出し(英: remote method invocation; RMI)、シグナル、データパケットなどがある。メッセージパッシング機構を設計するとき、下記のような方針から設計方針を選択する。
- 個々のメッセージの送受信を確実に行うかどうか
- メッセージが送信した順序通りに受信されることを保証するかどうか
- メッセージのやりとりは一対一、一対多(マルチキャストもしくはブロードキャスト)、多対一(クライアントサーバモデル)か
- 通信の同期が必要か
重要な理論上の基礎であるアクターモデル、プロセス計算といった並行計算はメッセージパッシングを基礎としている。メッセージパッシングを使った並行システムは、言語内の機能としてメッセージパッシングする場合と言語からの一連のライブラリ呼び出しで実現する場合がある。 前者の例は多くの分散オブジェクトシステムが含まれる。後者の例としては、カーネルとサーバブロック間でメッセージをやりとりするマイクロカーネルオペレーティングシステムや、高性能計算における Message Passing Interface がある。メッセージパッシングの概念は、グラフモデル上のベイズ推定などでも使われている。
オペレーティングシステムにおけるメッセージ
Microsoft Windowsなどのオペレーティングシステムにおいて、メッセージとは、オペレーティングシステム上で動くアプリケーションに対して、オペレーティングシステムが管理しているデバイスあるいは別のプロセスやスレッドからの入力を伝えるために送られる、ひとかたまりのデータ集合のことである。メッセージを送受信することを通知とも呼ぶ。
オペレーティングシステムはメッセージをメッセージキューに保管し、アプリケーションはメッセージキューに保管されていたメッセージを受け取り、それを元に処理を行う。例えば「画面座標 (10, 20) の位置をマウスで左クリック」という情報をオペレーティングシステムが感知した場合、オペレーティングシステムはその情報をメッセージキューに保管する。アプリケーションはそのメッセージを受け取って対応した処理を行う。
アプリケーションは常にオペレーティングシステムからのメッセージを待機するようなイベント駆動方式のプログラムになっており、この一連のプログラムの機構をメッセージループという。メッセージキューを定期的に監視・確認するポーリング方式でメッセージループが実装されることもある。
メッセージパッシングシステムとモデル
分散オブジェクトや ONC RPC、CORBA、Java RMI、DCOM、SOAP、.NET Remoting、WCF、CTOS[要説明]、QNX Neutrino RTOS、OpenBinder、D-Bus のような遠隔メソッド呼び出しあるいはそれに類するものはメッセージパッシングシステムである。メッセージパッシングシステムは共有のないシステムと呼ばれている。なぜならば、メッセージパッシング型のシステムは、メッセージという抽象化によってその下位に存在する状態変化や実装などを隠蔽するものだからである。
メッセージパッシングモデルはデータを端末(アクター、プロセス、スレッドなど)に送信するような通達方式で、プログラミング言語で典型的に定義されている。そのようなメッセージングはSOAPによってWebサービスの中で使われている。この考え方はパケットより大きく、任意に信頼性や耐久性や安全性やトランザクションを追加したものを除く高いレベルのメッセージデータグラムである。メッセージもまた一般的に同じ向きのプロセス間通信に使われる。また別の一般的に使われる技術はストリームもしくはパイプで、そのようなデータは初歩的なデータアイテムの一連として送信される(仮想回線の高等レベルでは)。
注釈
出典
- 1 メッセージ (コンピュータ)とは
- 2 メッセージ (コンピュータ)の概要
- 3 同期通信と非同期通信
- 4 他のプログラミングモデルへの影響
- 5 脚注
- メッセージ (コンピュータ)のページへのリンク