ミラーレス一眼カメラ 短所

ミラーレス一眼カメラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/02 23:58 UTC 版)

短所

  • 電子式ファインダーの性能が不十分と感じる人がいる。
    • 表示に若干のタイムラグがある。
    • コントラストが低いため、白とびや黒つぶれが発生する。状況によっては被写体の確認すら困難になりかねない。
    • ファインダーの種類にもよるが、特に解像度が低くファインダー倍率が低いものでは精密なマニュアルフォーカスが困難である。その欠点を補うべくフォーカスが合った部分を強調表示するピーキング機能やフォーカスリングの操作に同調して自動で拡大表示されるなどの工夫がなされている。
    • 晴天時の屋外では周囲の自然光よりもモニタのバックライトが暗いため、背面モニタの視認性が著しく低下し、被写体の確認が困難になる。対策として、接眼して使用する電子ビューファインダーを内蔵したり、オプションで搭載できるようにしている機種もある。
  • 小型化のためにはレンズマウントの変更が不可欠であるため、過去のレンズ資産を継承しづらい。使用にはマウントアダプターが必要であったり、AFやAEなどの動作に制限が加わるリスクがある。
  • 撮像素子やファインダーが常に動作しているため、消費電力が大きく、ユーザー側でバッテリーを長持ちさせる工夫ができず、センサーの熱ノイズが増加するといった問題がある。一方、一眼レフでは液晶画面を消灯することでバッテリーの消費を抑えることができ、熱ノイズの増加も少ない。
    • 但し、一部を除く機種ではUSBから給電した状態で使用することができ、大容量モバイルバッテリーなどを活用することで長時間の撮影に対応できる場合がある。
  • 一眼レフと比べ、ファインダーに像が反映されない時間が長く被写体を追従するのが困難になる場合がある。この理由としては以下のものが挙げられる。
    • 撮影時にシャッターの余分な開閉動作が必要。この点については対応策として電子先幕シャッターを採用することにより機械的な開閉動作を減らし、ファインダーに像が反映されない時間やレリーズタイムラグを短縮している機種も登場してきている。
    • 撮影とファインダー表示に同じセンサーを兼用しているため、撮影済画像をイメージセンサーから読み出している間はファインダー像を表示できない。2017年、ソニー「α9」が、メモリー内蔵型イメージセンサーを搭載したことにより、一定条件化でのブラックアウト時間ゼロでの撮影を可能にした[25]

注釈

  1. ^ ニコンはかつて、2011年発売のNikon 1シリーズをレンズ交換式アドバンストカメラと称していた。しかし、2018年のZシリーズ発表以降は、Nikon 1を含めミラーレスカメラと称している。
  2. ^ 一眼レフカメラの場合に、同じマウントのカメラに撮像素子が35mmフルサイズのものとAPS-Cサイズのものがあるのと同様である。例えば、ペンタックスQは、若干の撮像素子サイズの変更が可能とされる[20]
  3. ^ ライカTマウントはAPS-C撮像素子を採用したライカT発売時の名称。35ミリフルサイズ撮像素子を採用したライカSLの発売時に「ライカLマウント」と改称された[21][22]。通称として「ライカLマウント」と呼ばれていたレンジファインダーのライカスクリューマウントとは異なる。
  4. ^ シグマのオートフォーカス一眼レフと同一規格
  5. ^ 2021年時点でカメラボディは現行機としてメーカーのラインナップにあるが、メーカーはLマウントのシグマfp発売時にSAマウント機の開発終了を発表している。
  6. ^ フィルムカメラ時代からのKマウントがベースとなっているKAF2マウントを採用しており、ペンタックスのデジタル一眼レフと同一規格である。
  7. ^ Kマウントのミラーレスは1機種のみであるが、Kマウントの一眼レフは2021年も新機種(K-3 Mark iii)が発売された。
  8. ^ ニコンではCXフォーマットと称している。
  9. ^ 2010年のα33系、α55系以降。これ以降のAマウント機は全てトランスルーセントミラー方式である。

出典

  1. ^ 【CP+】CIPA、ミラーレスカメラなどの呼称を「ノンレフレックス」に」『デジカメWatch』、2012年2月9日。
  2. ^ 「ノンレフレックス」から「ミラーレス」カメラに。CIPAが呼称変更。」『Impress Watch』、2019年2月5日。
  3. ^ 価格.comマガジン ミラーレス一眼カメラ 徹底比較特集価格.com 2010年6月18日
  4. ^ さらば、一眼レフ 「ミラーレス機」の秘密日本経済新聞 2010年4月9日
  5. ^ DCS StoryNikon and Kodak DSLR history
  6. ^ Kodakの歴史 1990~1999Kodak
  7. ^ デジカメの回復顕著 画素数アップが需要を喚起週刊BCN 2010年04月26日
  8. ^ オリンパスイメージングと松下電器 フォーサーズシステム規格の拡張規格「マイクロフォーサーズシステム規格」を策定オリンパスイメージング株式会社 2008年8月5日
  9. ^ マイクロフォーサーズ|規格説明フォーサーズウェブサイト
  10. ^ 初のマイクロフォーサーズ搭載機「LUMIX DMC-G1」発表ASCII.jp 2008年9月12日
  11. ^ Olympus E-330 DSLR has live LCD and new sensor technologydpnow.com 2006年1月26日
  12. ^ 【インタビュー】オリンパスに聞く“マイクロフォーサーズ”の狙いデジカメWatch 2008年8月11日
  13. ^ a b 2010年上半期、デジタル一眼1位はニコン、ミラーレス好調で変化の兆しも BCNランキング 2010年7月8日
  14. ^ サムスン、「NX10」を韓国で23日に先行発売デジカメWatch 2010年1月28日
  15. ^ 世界最小・最軽量ボディを実現 レンズ交換式デジタルカメラなど 2機種発売 ソニー株式会社 2010年5月11日
  16. ^ 2009年1月~12月までの実売データBCN Award 2010
  17. ^ a b c d e 五輪のカメラに異変 ミラーレスに脚光、「新興勢力」が存在感:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2021年8月8日閲覧。
  18. ^ 2018年デジタルカメラ生産出荷実績表カメラ映像機器工業会
  19. ^ 2020年デジタルカメラ生産出荷実績表カメラ映像機器工業会
  20. ^ ““Auto110デジタル”じゃダメだ――「PENTAX Q」誕生秘話 (1/2)”. ITmedia デジカメプラス. http://camera.itmedia.co.jp/dc/articles/1108/16/news026.html 
  21. ^ ライカSL、その名の由来は? キーパーソンに現地インタビュー」『Impress デジカメWatch』、2015年11月4日。
  22. ^ 【フォトキナ】インタビュー:「Lマウントアライアンス」の経緯と今後 ライカ、パナソニック、シグマに聞く」『Impress デジカメWatch』、2018年10月2日。
  23. ^ 一眼レフが抱えるブレ問題、その深刻さが明らかに 電通大らが開発。1/60秒シャッターで実質解像度は1/4以下日経エレクトロニクス2009年5月4日号
  24. ^ ミラーレスカメラの特徴と仕組みミラーレス一眼.jp
  25. ^ 月刊アサヒカメラ2017年10月号186ページ
  26. ^ さらば、一眼レフ 「ミラーレス機」の秘密(1)日本経済新聞 2010年4月9日





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ミラーレス一眼カメラ」の関連用語

ミラーレス一眼カメラのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ミラーレス一眼カメラのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのミラーレス一眼カメラ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS