バンコク・スカイトレイン 計画と建設

バンコク・スカイトレイン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/16 18:55 UTC 版)

計画と建設

1970年代、西ドイツの助力を得て交通調査が実施され、1976年の最終報告書において都市鉄道整備案が提示された[4]。後に開通した地下鉄MRTブルーライン)、高架鉄道(現在のシーロム線など[注釈 4])はこの整備案の影響がみられるが、実態は複雑である。

ラヴァリン・スカイトレイン

1972年にタイ政府が設立したETA(高速道路・大量輸送手段公団)管轄による整備が1979年に決定したが[4]財政事情により直ちに着手することはできず、路線変更など紆余曲折の末に1990年、カナダの建設会社であるラヴァリン(英語)[注釈 5]社の提案が採用された[4]。これはバンクーバー・スカイトレインで導入された同国のUTDC[注釈 6]開発のICTS方式を導入し建設する予定だったためラヴァリン・スカイトレイン英語版スカイトレイン計画とも呼ばれた[4]

ラヴァリン社に対し1992年2月に免許が交付されたが、同年5月に発生した政変の余波を受け同年6月に失効、計画自体も白紙となった[4]

本計画では3路線が予定されていたが、予算制限により最終的にプラカノーン線、サートーン線の2路線に絞られた[4]。ただし、高架鉄道として完成した現在のスクムウィット線、シーロム線とは経路が異なる点に留意が必要である。

タナーヨン計画

上記とは別の、バンコク都主導による高架鉄道計画[4]。現行の2路線の原型となったのはこちら。経営母体の社名をとり「タナーヨン・スカイトレイン」とも呼ばれた。 ラヴァリン計画との兼ね合いで一部区間の地下化が検討された時期もあるが、結果的にすべて高架式のまま完成した[5]。なお下記の通り、計画段階では戦勝記念塔方向へ延びるのはシーロム線側だった。


  1. ^ 同社の公式サイトにおける英語表記はBTS SkyTrain。なお、企業名としての略称はBTSC
  2. ^ かつては磁気カードであったが、2018年から2019年にかけてシステムが更新された。
  3. ^ 但しアソーク駅など一部の駅の中にはコンコース外と直結しているものがあり、その場合は利用の際に係員を呼び出す必要がある。
  4. ^ MRTパープルラインエアポート・レール・リンクも含まれる
  5. ^ 1990年当時。1991年8月よりSNC-Lavalin(フランス語)
  6. ^ 1992年2月、ボンバルディア・トランスポーテーションが買収。
  7. ^ タークシン橋は当初より当線の計画を踏まえて上下線の間隔を空けて設計されており、この付近に関してはラヴァリン・スカイトレイン計画が実現したともいえる。
  8. ^ 調印後、起点をモーチット駅に変更し路線延長。
  9. ^ ボンバルディア・トランスポーテーションMoviaライセンス生産
  10. ^ マップが新規開業区間に対応していない編成はアップデート完了まで使用中止としている。
  1. ^ a b c Company’s Profile” (英語). Bangkok Mass Transit System Public Company Limited. 2022年1月2日閲覧。
  2. ^ Subsidiaries and Associated Companies” (英語). BTSグループ・ホールディングス. 2022年1月2日閲覧。
  3. ^ ANNUAL REPORT 2012/13 , BTSグループ・ホールディングス , p.44
  4. ^ a b c d e f g 柿崎一郎『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』(初版)京都大学学術出版会、2010年、314-317頁。ISBN 978-4-87698-848-8 
  5. ^ a b c 『王国の鉄路』p.319-321
  6. ^ เกษม/อาณัติ ความหมายของการรับงานที่ธนายง” (タイ語). プーヂャッガーン360°. 2022年1月2日閲覧。
  7. ^ a b c Gold Line to open Wednesday - Bangkok Post, 12 Dec. 2020
  8. ^ มาแล้วรถไฟฟ้าบีทีเอสใหม่จากจีน ขบวนแรก จาก 24 ขบวน” (タイ語) (2019年3月7日). 2022年2月3日閲覧。
  9. ^ “「鬼滅の刃」の全面広告電車、バンコクの高架鉄道に”. 読売新聞 (読売新聞社). (2021年3月8日). https://www.yomiuri.co.jp/world/20210308-OYT1T50174/ 2021年3月8日閲覧。 
  10. ^ “バンコク高架電車BTS、シーメンスなどから184両購入”. newsclip.be. (2016年5月25日). http://www.newsclip.be/article/2016/05/25/29323.html 2016年6月1日閲覧。 
  11. ^ 鉄道ジャーナル2012年11月号「Overseas Railway Topics」
  12. ^ (英語)First Inspiro for Bangkok unveiled”. インターナショナル・レールウェイ・ジャーナル (2018年6月19日). 2019年6月29日閲覧。
  13. ^ มาแล้วรถไฟฟ้าบีทีเอสใหม่จากจีน ขบวนแรก จาก 24 ขบวน” (タイ語). タイ・ラット (2019年3月7日). 2022年2月4日閲覧。
  14. ^ a b เปิดระบบรถไฟฟ้าสายสีทองความล้ำสมัยที่พร้อมให้บริการประชาชน” (タイ語). アイコンサイアム. 2022年2月4日閲覧。
  15. ^ “バンコク高架電車BTS、線路不具合でスクムビット線の一部とシーロム線結合”. newsclip.be. (2016年2月24日). http://www.newsclip.be/article/2016/02/24/28449.html 2016年12月12日閲覧。 
  16. ^ バンコク高架電車駅に自動ドア設置newsclip.be
  17. ^ “バンコク高架電車BTS 3月から営業時間延長、始発午前5時台に”. newsclip.be. (2014年2月17日). http://www.newsclip.be/article/2014/02/17/20790.html 2014年3月2日閲覧。 





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