トーストマスターズ・インターナショナル トーストマスターズ・インターナショナルの概要

トーストマスターズ・インターナショナル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/16 22:26 UTC 版)

発祥は1924年10月22日、アメリカのカリフォルニア州サンタアナにあったYMCAで、そこに勤めていたラルフ・C・スメドリー博士によって最初のトーストマスターズクラブが作られ、やがて世界中に広がったのがきっかけである。YMCAで始まったが、宗教政治団体との関連は一切ない。

なお、「トーストマスター (toastmaster) 」とは、「乾杯の音頭を取る人」の意。

概要

2023年12月現在、日本を含む148カ国で27万人以上のトーストマスターズ会員が、14,200のクラブに所属している[1]。日本には226のクラブが存在する。1クラブの平均人数は10〜30人くらいで、運営は会員から選出されたクラブ役員ボランティアで行う。

クラブへは、18歳以上であれば、年齢(18歳未満の人を除く)、人種、肌の色、信条、性別、国籍または民族、性的指向に関係なく、個人が自分の努力でプログラムに参加できる限り、身体的または精神的な障害があっても原則入会可能。しかし、クラブによっては、たとえば特定の会社の従業員のみ入会することができるクラブ、または特定のコミュニティの住民のみ入会できるクラブ、または特別な興味を共有している人々のみが入会できるクラブなどがある。[2][3]。一人が複数のクラブに所属することもできる。国籍、人種、性別などによる差別やクラブ内でのハラスメントなどは、トーストマスターズ国際本部によって固く禁じられている。[4] 1924年の最初のトーストマスターズクラブ設立当初は男性のみがトーストマスターズクラブへの入会を認められたが、1973年8月、女性も入会が認められるようになった。[5]

トーストマスターズクラブは地域の公民館などで開催されるほか、会社内のクラブ、大学のクラブなど、さまざまな形態が存在する。また、通常のトーストマスターズよりも高いレベルの活動を行うことを目的とした「上級クラブ」もある。上級クラブはその主旨上、他のトーストマスターズクラブである程度経験を積んだ会員のみ、あるいはその他特定の要件を満たした会員のみが入会できることが多い。またオンラインのクラブも認められており、特定の国に属さずWeb会議システムを通して広く会員が参加するクラブもある。

日本のトーストマスターズクラブ

2023年12月現在、日本には226のクラブが存在している。半分以上が英語クラブだが、日本語で例会を行う日本語クラブ、日本語と英語の両方で例会を行うバイリンガルクラブも存在し、日本語・バイリンガルクラブの割合はここ数年特に増加傾向にある。[6]また、半数以上のクラブが関東地方である。ほとんどが地域の公民館などで行われるクラブ(コミュニティクラブ)だが、会社内のクラブもいくつか存在する。

日本最初のトーストマスターズクラブは東京トーストマスターズクラブ(1954年)。

2005年、日本全体が世界における一つの地区(ディストリクト76)として正式に国際本部より認められた。

教育プログラムの運用

講師は存在せず、会員同士のフィードバックを教育の柱としている。会員はクラブに所属し、月に1回〜数回行われる定期的な会合(例会)に参加する。例会は教育プログラムに基づいて準備され、各パートおよび例会全体は時間厳守が求められる。各パートではスピーチ(準備スピーチ)、即興スピーチ(テーブルトピックス)、スピーチへのフィードバック(論評)などが行われ、会員は毎回持ち回りで、スピーカーや論評者などの役割を行う。会では多くの場合、参加者全員による投票が行われ、最優秀スピーカー、即興スピーカー、論評者などの賞が授与される。

また、論評は「論評者が受けたポジティブな効果」「スピーチを次回もっと良くする改善点」など建設的な意見を述べることが望ましいとされており、トーストマスターズのプログラムの特徴のひとつとなっている。[7]


  1. ^ Toastmasters International -Who We Are
  2. ^ 出席会員の過半数の賛同を得る必要がある。また、クラブによっては所定の回数、ビジター(ゲスト)としての見学が入会条件となっている
  3. ^ CLUB CONSTITUTION FOR CLUBS OF TOASTMASTERS INTERNATIONAL”. 2018年12月28日閲覧。
  4. ^ Club Constitution and Bylaws.Toastmasters International.
  5. ^ The Story of Toastmasters Vol.II 1960-1998.(参考文献参照)
  6. ^ 2008年7月1日から2009年6月30日までの間に、英語クラブ2つ、日本語・バイリンガルクラブ7つが誕生した。
  7. ^ Effective Evaluation, Toastmasters International
  8. ^ Pathways 概要 (英語)”. 2018年12月28日閲覧。
  9. ^ スピーチ10本のほか、段階によってはワークショップをしたり、新会員のメンターとなることが必要となる場合もある。
  10. ^ Speech Contest Rulebook 2008" (PDF). Toastmasters International.
  11. ^ 2019年トーストマスターズ世界大会(英語)”. 2018年12月28日閲覧。
  12. ^ トーストマスターズ District76(日本本部)ホームページ
  13. ^ Famous Toastmasters.Toastmasters International.


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