サラマンダー (ゾイド)
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概要
『ゾイド』シリーズにおいては第1期シリーズ(1983~1990)年にて初登場。その後は第2期シリーズ(1999~2006年)にも登場する。
トミーの袖島啓と田島豊はインタビューに際し、サラマンダーは翼竜型としつつも実際にはデザインは東宝特撮映画に登場するラドンをモチーフとしていたと語っており、実際に設定画においても「ラドン」と記載されていた[1]。
設定解説
サラマンダー SALAMANDER[2] | |
---|---|
番号 | RPZ-01(旧)[3] RZ-045(新)[2] |
所属 | ヘリック共和国[2] |
分類 | 翼竜型[3] 戦闘爆撃機械獣[3][2] プテラノドン型[4] |
全長 | 24.1m[2] |
全高 | 17.1m[2] |
全幅 | 26.6m[5][6] |
最大翼長 | 33.3m[6][5] |
重量 | 100.0t[2] |
最高速度 | M2.0[2] |
乗員人数 | 2名 |
設計者 | ハーバート・リー・チェスター教授[7] |
主な搭乗者 | フォンブラウン[8](旧) アインデッカー[9](旧) ゴードン・ジュニア[10](旧) ブルノ大尉(旧)[11] パフィ・フィスト[12][注 1](新) |
武装 (旧) |
火炎放射器[5] バルカンファランクス×2[5] 2連対空レーザー×2[5] 小口径レーザー×4[5] 連装ミサイル発射機[5] |
武装 装備 (新) |
AZ高熱火炎放射器[2] マルチブレードレーダー×2[2] バルカンファランクス×2[2] 2連対空ハイパーレーザーガン×2[2] 小口径対空レーザー×2[2] マグネッサーファルコンウィング×2[2] 2連装戦術ミサイル×1[2] |
- 『ゾイドバトルストーリー』におけるサラマンダー
- ZAC2031年の中央大陸戦争初期にヘリック共和国軍が開発した[13][注 2]翼竜型の戦闘爆撃機ゾイド[14]。同時代では「アイアンウイング」の通称で呼ばれた[13][注 3]。
- 主翼のマグネッサーファルコンウイングはマッハ2.0の最高飛行速度を叩きだし、巨体に似合わず旋回性能も良好かつ空中戦をも得意とする[5]。高高度・低空を問わず高い機動性を発揮可能で[3]、1万5000kmの航続距離を誇るとともに高度3万m以上の上昇能力を持つ[2][注 4]。太い両脚は爪で敵機につかみかかるほか、これによって陸上を走行することで体当たり攻撃も可能[5]。また、嘴も鋭く、攻撃に使用可能である[16]。中央大陸戦争においてはその航続距離によって国境を隔てる中央山脈を飛び越え帝国領土へ直接攻撃する役目も併せ持ち[17]、共和国軍が制空権を握った立役者となった[18]
- 群を抜いた爆弾積載量を誇り、大量配備さえ可能であればサラマンダーだけで戦争を勝利に導く力を持つと言われる[2]。しかし、元々ベースとなる個体数が少ないために量産は不可能とされ、ZAC2056年の惑星Zi大異変後は絶滅寸前にまで減少してしまった[2][注 5]。
- 第二次大陸間戦争期にも大量生産は不可能だが、暗黒大陸上陸作戦に備えて、ZAC2101年に再配備[14]。新たに「超爆竜」の異名を持った[20]。
- 『ZOIDS concept art』におけるサラマンダー
- こちらの設定では希少な大型翼竜のつがいをベースとしたゾイドとして登場しており、二体一組のペアで運用される[21]。
武装・装備
(旧)は中央大陸戦争時の呼称。(新)は第二次大陸間戦争時の呼称となる。
- 火炎放射器(旧) [注 6]/ AZ高熱火炎放射器(新)
- 口腔内に装備する[22]。
- バルカンファランクス
- 腹部に装備する。近距離において多数の敵を撃破することが可能な連射式機関砲[22]。偵察の際は取り外すこともある[22]。
- 爆撃後は火炎放射器やこのバルカンファランクスで地表の敵にトドメをさす戦法も得意とする[2]。
- 2連対空レーザー(旧) / 2連対空ハイパーレーザーガン(新)
- 主翼に装備される。レーダーと連動することで高い命中率を発揮し、空中戦において威力を発揮する[22]。
- 砲塔は回転可能[5]。
- 小口径レーザー(旧) / 小口径対空レーザー(新)
- 主翼の翼端に設置される。
- 連装ミサイル発射機(旧) / 2連装戦術ミサイル(新)
- 背部に装備。地上・空中を問わずに使用可能[22]。
- 誘導は熱追尾式[22]。ブラッドロックの戦いでは、敵のミサイル攻撃を対ミサイル用ミサイルでインターセプトする迎撃能力を有した[8]。
- マルチブレードレーダー(新)
- 頭部両頬に設置する。飛行位置の把握や敵機補足に用いられる[22]。
- マグネッサーファルコンウィング(新)
- マグネッサーシステムを用いて機体を飛行させる主翼[22]。この部位は特殊改造が必要なことから、サラマンダーの量産化を妨げる一因となっている[22]
- 膜を取り付けて強化したタイプも存在する[22]。特殊合金製のウイングによるウイングチョップでヘルキャットを切断した例もあるが、大型以上のゾイドに対しての使用は推奨されない[23]。また、羽ばたいた際の風で敵機を吹き飛ばすことも可能[16]。
- 水平尾翼[22]
- 尾部先端に装備。飛行時には機体を水平に保つほか、急激な方向転換の際にも用いられる[22]。また、サラマンダーは尾部で敵機をはじき飛ばすことも可能としている[16]。
作中での活躍
バトルストーリー
- HISTORY OF ZOIDS(トミー)
- 共和国X-Day計画によって開発された一幕が描かれる。大隊長リヒトホーヘンから試作機を預けられたフォンブラウン軍曹によってテストフライトが繰り返され、激戦の地ブラッドロックにおいて当時ゼネバス帝国における主力飛行ゾイドであったシンカーを圧倒する初陣を飾った[8][注 2]。
- ゾイドバトルストーリー(小学館)
- 『ゾイドバトルストーリー』1巻から登場。ZAC2032年にはアイアンコング部隊が共和国領内に迫った際はコング部隊を猛爆するものの、コングのミサイル攻撃で地上に引きずりおろされて撃破された[24]。ZAC2035年にはゾイドを空輸する任務にも携わり、最大離陸重量を強化したうえでゴジュラスを数4機がかり敵地に移送した[25]。ZAC2037年に起こった帝国コマンド“エコー”中佐のウルトラザウルス強奪作戦においては奪取されたウルトラザウルス爆撃も試みたが、効果がなく失敗に終わった[26]。
- 『ゾイドバトルストーリー2』においてはZAC2039年には帝国基地や首都への爆撃任務を敢行する活躍を見せた[27]。同年におけるゼネバス皇帝のバレシア基地撤退作戦の折には、中央大陸北部海岸特有の嵐によって低空飛行を強いられ、基地司令官であるダニー・「タイガー」・ダンカン将軍操縦のサーベルタイガーに撃墜されている[28][注 7]。
- ZAC2043年には輸送タイプに改造されたサラマンダーがヨハン・エリクソン大佐を司令官としたシールドライガー・コマンドウルフら高速機動戦隊のエネルギー補給機として活躍[30]。
- 『ゾイドバトルストーリー3』においては、ZAC2045年3月にはウルトラザウルスとともにデスザウラー捕獲作戦を敢行。サラマンダーが攪乱を行い、ウルトラザウルスがデスザウラーの背部ファンを遠距離砲撃で破壊する算段を立てていたが、予定よりも先にサラマンダーがデスザウラーと遭遇したことで作戦は破綻し、参加したサラマンダーは撃破されている[31]。同年6月には入手したデスザウラーの作戦指令書をもとに新たな鹵獲作戦を決行。高空から赤外線ホーミングミサイルを用いり、サラマンダー単独の攻撃を行った。見事に後部吸入ファンの破壊に成功し、同時に潜伏していたコマンドウルフがコクピットに催眠ガスを注入したことでデスザウラーの捕獲に成功した[32][注 8]。
- ゾイドバトルストーリー(学年誌掲載版)
- ゼネバス帝国滅亡時に共和国全部隊の戦力としてニカイドス島に立て籠る帝国残存部隊を追い詰めたものの、途中参戦した暗黒軍のデッドボーダーによってレイノスもろとも長槍で串刺となり、撃墜されてしまう[33]。
- ゾイドオフィシャルファンブック・エクストラ(トミー)
- ZAC2106年春時点ではバスターイーグルとともに共和国軍の制空権確保に貢献したものの[34]、ZAC2108年時点においてはストームソーダーとともにサラマンダーはそのほとんどを損失している[35]。
- SMACK ZOIDS(電撃ホビーマガジン掲載)
- ZAC2103年〜2104年にかけてはデルダロス海域においてサラマンダー・ボンワイブがナイトワイズとともに航空部隊としてネオゼネバスと交戦した[36]。
- 漫画
- 学年誌「小学三年生」掲載漫画『ゾイド・ゼロ』においてはバックドラフト団にさらわれたライガーゼロを救出すべく、ビット・クラウドが搭乗。バックドラフト団にコントロールされたライガーゼロと交戦している。
- 『てれびくん』掲載ストーリー
- こちらのストーリーではストームソーダーと交戦。高速域での突撃を回避すると、火炎放射器によって撃破した[37]。
- ゲーム
- 『ゾイド 中央大陸の戦い』では、最初の街で仲間に加わるキャラクターで、「ていさつ」コマンドで敵の出現や地形を把握する能力がある。続く『ゾイド2 ゼネバスの逆襲』や『ゾイド伝説』でも引き続き登場するが、後者はプレイヤーがゼネバス帝国側を選んだ場合の敵キャラ(ヘリック共和国側)としての登場となる。『ゾイド黙示録』ではサラマンダーF²が登場。
- 『ゾイド -ZOIDS- 邪神復活!〜ジェノブレイカー編〜』では、ユニットサイズ「おおがた」のゾイドとして登場。通常のサラマンダー以外に、サラマンダーF2・マーキュリー・レッドバロン・ブラックバードが実装されている。いずれのタイプにも、前述のウイングチョップを反映してか「せつだんよく(切断翼)」が固定装備に含まれる。
- 『ゾイドインフィニティ』などのアクションゲームでは飛行ゾイド自体が登場しないケースもあるが、「ZOIDS VS.シリーズ」では対戦時のみ使用可能なゾイドとして登場(ただし、『VS.II』ではストーリーモード中の敵ゾイドとして登場するミッションがある)。『VS.III』ではバリエーション機体としてサラマンダーボンヴァーンが登場。
- 『ZOIDS 帝国VS共和国 メカ生体の遺伝子』『ZOIDS2 ヘリック共和国VSガイロス帝国』にも登場。後者では改造してマーキュリーにすることが可能。
- その他、『ZOIDS〜白銀の獣機神ライガーゼロ〜』「ZOIDS SAGA シリーズ」『ゾイドタクティクス』などにも登場する。
- また、キットの復刻に先んじて登場したゾイドバトルカードゲームでは、青を銀、灰を青、キャノピーをオレンジから赤へと変更したカラーリングとなっている。
注釈
- ^ ゾイドバトルカードゲームより。階級は記載されていない。
- ^ a b トミー刊「HISTORY OF ZOIDS」においては国家緊急法(X-Day)が発令されたZAC2033年から半年後に完成したする記述が存在し[8]、ゾイドバトルストーリーのものとは差異がある。
- ^ 学年誌『小学三年生』1985年6月号掲載時点では主翼をハイブリッドメタルで強化し、旋廻能力・機動力が向上した「翼強化型サラマンダー」の通称として扱われていた[15]。
- ^ ただし、ノーマル状態において1万5000kmという航続距離は非武装時の数値として扱われる[5]。
- ^ 一方で、コトブキヤより2017年11月に発売された「HMM ストームソーダー」の組立説明書においては量産できない理由付けが「惑星Zi大異変によって発生した磁気のアレルギー」へと改変されている。しかしながら、HMMシリーズの機体解説を手掛けたヤマザキ軍曹による『グレートメカニック』誌記事においては、「レイノスとサラマンダーは個体数の激減から主力の座を降りた」とする旨の説明文が掲載されている[19]。
- ^ レーザー砲とした資料もみられる[16]
- ^ 漫画『ゾイドバトルコミック』においては経過が若干変更され、嵐によって駐機を余儀なくされたサラマンダーがダンカン将軍の部隊に包囲され、脱出を試みたところ撃破されている[29]。
- ^ ただし、この作戦指令書の入手と、それに伴う一連の作戦はヘリック大統領の信頼を勝ち取り、謁見することで誘拐を目論んだゼネバス帝国軍フランツ・ハルトマン大尉の罠であった。この計画は大統領親衛隊員ローザ・ラウリの手によって阻止され、鹵獲されたデスザウラーもフランツの手によって爆破処理されることとなる[32]
- ^ a b c d e f g h i j ゾイド -ZOIDS- 邪神復活!〜ジェノブレイカー編〜 公式ガイドブック(2000年、小学館)[42]。なお、ゲーム画面中のひらがな表記・短縮名は、漢字表記・玩具キットの正式名表記(第2期シリーズの名称)で記載している。
- ^ 機体と武装の名称は『月刊コロコロコミック』誌2001年04月号で紹介された際のものであり、公式ファンブックでの記述は単にサラマンダーとなっている。
- ^ 機体名称の「F²」とは「FIGHTING FALCON」を略し、頭文字の「F」を一つに重ね読みした呼び方。
- ^ 西方大陸戦争においても投入されたとする資料が存在する[60]。
出典
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- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 公式ファンブック3 2002, p. 68-69.
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- ^ 『ZOIDS情報 HOBBY NEWS 5』トミー、1985年、小冊子。
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- ^ a b c 「22 共和国ゾイド マーキュリー」『メカ生体ゾイド ウェファーチョコ』森永製菓、1987年、収録シール。
- ^ a b c d e f g h 『ZOIDS2 ヘリック共和国VSガイロス帝国』(2002年、トミー)ゲーム中のステータス画面および図鑑解説による。
- ^ 小学二年生1988年9月号 1988, p. 40-43.
- ^ a b 小学二年生1988年7月号 1988, p. 40-46.
- ^ a b 最強ゾイド改造図鑑 1989.
- ^ a b c d 『ZOIDS SAGA』トミー、2001年11月、ゲーム内ゾイド図鑑。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 『RPZ-14 サラマンダーF²』トミー、1989年10月、商品パッケージ。
- ^ 新ゾイドバトルストーリー 1990, p. 65.
- ^ a b 『SUPER REAL ACTION MAGAZINE ゾイドグラフィックスVOL18』トミー、1990年、小冊子。
- ^ 電撃ホビーマガジン2003年1月号 2003, p. 128-129.
- ^ 新ゾイドバトルストーリー 1990, p. 48-51.
- ^ 新ゾイドバトルストーリー 1990, p. 52-55.
- ^ 『DBOZ-17ギル・ベイダー』トミー、1989年10月発売、商品パッケージ。
- ^ a b c d e f g h i 『サラマンダーボンヴァーン』トミー、2003年11月27日発売、商品パッケージ。
- ^ a b c d e f g h i j k l m ゾイド改造マニュアル 2001, p. 28-29.
- ^ 小学四年生2001年7月号 2001, p. 30-33.
- ^ ゾイドバトラー雷牙・第2巻 2001, p. 75-83.
- ^ 小学六年生2001年6月号 2001, p. 172-173.
- ^ 小学四年生2001年8月号 2001, p. 31-33.
- 1 サラマンダー (ゾイド)とは
- 2 サラマンダー (ゾイド)の概要
- 3 キット
- 4 バリエーション
- 5 脚注
- サラマンダー (ゾイド)のページへのリンク