ゲンゲ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/18 14:24 UTC 版)
特徴
越年草(二年草)[3][5]。中国原産で、日本では帰化植物であり、全国各地に分布するが岐阜県以西に多い[6][3]。やや湿った環境を好んで生える[7]。日本へは古くに渡来し、水田の緑肥として栽培されてきたが、現在では野生化して水田や周辺のあぜ、休耕田、草地などに見られる[3][8][5]。
全体に柔らかな草である。茎の高さ10 - 25 センチメートル (cm) になる[4]。根本で枝分かれしながら、地面を這いながら匍匐して[3]、長さ100 cmに達するものもある[8]。茎の先端は上を向く。また、根本から一回り細い匍匐茎を伸ばすこともある。葉は1回奇数羽状複葉[3]、4 - 5対前後のほぼ同じ大きさの小葉を付けていて、小葉は楕円形、先端は丸いか、少しくぼむ[4][8]。1枚の葉では基部から先端まで小葉の大きさがあまり変わらない。
花期は春(4 - 5月ごろ)[4][3]。花茎は葉腋から出てまっすぐに立ち、葉より高く突き出して、先端に長さ1 cmほどある蝶形の花を10個ほど輪生状にまとまってつく[9][8]。花色は紅紫色がほとんどだが、まれに白色(クリーム色)や濃い赤色の株もあり[4][8]、白花はシロバナレンゲとよばれている[3]。虫媒花で、ミツバチなどが花の横に突き出た花弁にのしかかるように止まり、吸蜜したり花粉を集めると、ミツバチの重さで下側の花弁(竜骨弁という)が割れて中から雄蕊や雌蕊が露出し、ミツバチの腹部に花粉がついて他の花へ媒介する[10]。
果実は豆果で、長さ2 - 3 cmほどの三角状で、はじめは緑色であるが黒く熟して、先はくちばし状になって上を向く[8][5]。サヤの中に並んで入っている種子は、ゆがんだ腎形、偏平で、へそは半円形に湾入した奥にある[5]。
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薄紫色のゲンゲ
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全植物体
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豆果(豆の莢、果実)
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Astragalus sinicus L. ゲンゲ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年3月24日閲覧。
- ^ 久志博信『「山野草の名前」1000がよくわかる図鑑』主婦と生活社、2010年、20ページ、ISBN 978-4-391-13849-8
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 金田初代 2010, p. 32.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 高野昭人監修 世界文化社編 2006, p. 84.
- ^ a b c d 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2018, p. 200.
- ^ a b c d e 角田公次 1997, p. 127.
- ^ 亀田辰吉 2019, p. 10.
- ^ a b c d e f g h 川原勝征 2015, p. 70.
- ^ 金田初代 2010, p. 33.
- ^ 亀田龍吉 2019, p. 10.
- ^ 大山の歴史編集委員会編『大山の歴史』大山町,1990年刊,p.525
- ^ 金田初代 2010, pp. 32–33.
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