キュクロープス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/26 09:25 UTC 版)
呼称
ギリシア語 Κύκλωψ の原義は "κύκλος"(kýklos、 円、丸)と "ὤψ"(ṓps、 眼)から求められる「丸い眼」にあり、額の中央に丸い眼が1つだけ付いていることに由来する。
ラテン語名 Cyclops(キュクロープス)。英語名は Cyclops(サイクロプス)であり、この英語名の発音も仮名転写され、日本語では一般的となっている。フランス語では cyclope (スィクロプ)、ドイツ語では Kyklop (キュクロープ)。中国語では「独眼巨人」、もしくは、音訳で「基克洛普斯」と記す。
- なお、その名に因んだ事象、および、ここから派生した二次創作物については「サイクロプス」を参照
神としてのキュクロープス
天空神ウーラノスと大地母神ガイアの息子たちで、アルゲース(落雷[1]・稲妻[2])、ステロペース(電光[1]・雷光[2])、ブロンテース(雷鳴[1][2])の3兄弟から構成される。いずれも雷に関連する名前であり、雷の精だったのではないかといわれる。
彼らは父神に嫌われ、兄弟族のヘカトンケイル族とともに奈落タルタロスへ落とされた。弟族のティーターン神の1人クロノスが政権を握ったあとも、久しく拘禁されたままであった。しかし、ティーターノマキアーの時、ゼウスらによって解放される。キュクロープス達はその礼として、ゼウスには雷霆を、ポセイドーンには三叉の銛を、ハーデースには隠れ兜を造った。
以後はヘーパイストスのもとで鍛冶業を続けたといわれる。その一方で、息子アスクレーピオスをゼウスの稲妻で失ったアポローンの八つ当たりを食らい、虐殺されたという悲劇的な異伝もある。
怪物としてのキュクロープス
ホメーロスの叙事詩『オデュッセイア』の第9歌に登場するキュクロープス族は、上述の高次元的存在としてのキュクロープスとは大きく異なり、旅人を食らうただ粗暴なだけの怪物である。ポセイドーン神を父に持つポリュペーモスも含めて、そうであった。
固有名詞の分類
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