ねじ締付け管理方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/03/08 14:10 UTC 版)
各締結法の比較
利点 | 欠点 | 締付け係数 | ||
---|---|---|---|---|
トルク法 | 簡易的 | 軸力のばらつきが大 | 1.4 - 3 | |
回転角法 | 弾性回転角法 | ねじ剛性が低い時、軸力は比較的安定 | ねじ剛性が高い時、軸力のばらつきが大 | 1.5 - 3 |
塑性回転角法 (スナッグトルク起点) |
ねじ剛性が低い時、軸力は比較的安定 大荷重を負荷出来る |
ねじ剛性が高い時、軸力のばらつきが大 ねじの再使用性に問題あり |
||
塑性回転角法 (降伏点起点) |
大荷重を負荷出来る 軸力が安定 |
降伏点締付けを行う必要あり ねじの再使用性に問題あり |
1.2 | |
トルク勾配法 | 軸力が安定 比較的大荷重を負荷出来る 再使用性の問題が少ない |
専用の器具が必要 工数の増加 |
1.2 |
その他の方法
上記以外の方法として、超音波などで軸力そのものを計測しながら締付ける方法(超音波ボルト軸力計)、伸びを計測しながら締付ける方法、高温に過熱したボルトをはめ、冷却による収縮で締付ける方法などもあるが、これらはあまり一般的ではない[3]。
参考資料
- JIS B 1083 ねじの締付け通則
- 酒井智次 『増補 ねじ締結概論』第8版 養賢堂、2000年第1版、2003年増補第4版
ISBN 978-4842503486
関連項目
- ^ 締付け係数とは、同条件でねじを締めた時の軸力の最大値 ()と最小値()の比のこと。
で表され軸力ばらつきを示す指標である。 - ^ a b c d ここに記載した締付け係数の値はJIS B 1083に拠るものである。しかしJISでは、各締付け法には影響を与える固有の因子が存在し、その状態如何で締付け係数は大きく変化するため、数字はあくまで目安に過ぎないとしている。
- ^ a b c (酒井智次 2003)参照
- ^ 締付けトルクの平均値をとすると、最大値、最小値はトルクばらつきによりそれぞれ 、
と表すことが出来る( )。
同様に摩擦係数の平均値をとすると摩擦係数の最大値、最小値は摩擦係数ばらつきによりそれぞれ
、 と表記出来る( )。
- 1 ねじ締付け管理方法とは
- 2 ねじ締付け管理方法の概要
- 3 トルク勾配法
- 4 各締結法の比較
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