OS-9/680x0
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OS-9は、モトローラの16ビットCPU68000に移植された。以後、6809用はOS-9/6809、68000用はOS-9/68000と呼称されるようになった。その後、68000が68020、68030とシリーズ展開されるようになると、それらに最適化したOS-9/68020、OS-9/68030が開発された。 これらOS-9/680x0は、産業用RTOSとして高いシェアを占めていた。これは、20世紀末には、産業用システムのMPU (CPU) に680x0が広く採用されていたこと、ハードウェア資源を効率的に扱う多くの特徴を持っていること、OS-9自体の移植(ポーティング)が容易なことから必然的にそうなったのである。 例えば、ドライバ・モジュールのサンプルコードが多数提供されたことで、個別のハードウェアに対するドライバ・モジュールの移植が容易であり、ドライバモジュールの中であれば割り込み処理を通常のサブルーチンまたは関数として記述できるなど制約が少なく、安全で柔軟なシステム設計ができた。 また、アプリケーションをセルフで開発できることも評価されていた。ある程度規模の大きな産業用システムではVMEバスベースのシステムが採用されることが多かったが、これら自体によるセルフ開発が可能である。OS-9は数少ない、ターゲット上でセルフ開発が出来るRTOSであった(ただし、登場時のUNIXと同程度のCUIを利用する必要があった。その後、クロス開発環境が一般的になるにつれ、CodeWarriorが採用された時期もあった。現在ではWindowsで動作するGUIのクロス開発環境 Microware Hawk もしくはEclipse によるクロス開発のみ)。 様々な機能の追加による肥大化もあって、多機能版カーネル(デバッグ機能つき)と小型版カーネル(アトミックカーネル)の2種類に分化した。 (68000版を除いて)Ver.3からはセマフォ、マルチスレッド機能も追加され、必要な場合はPOSIXスレッドを使用することも可能となった。
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