OSによるリソースの仮想化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/02 19:04 UTC 版)
「仮想機械」の記事における「OSによるリソースの仮想化」の解説
OSの機能による各種リソースの仮想化には、仮想記憶やマルチタスク、マルチユーザー、タイムシェアリングなどがある。 主記憶装置の仮想化である仮想記憶は、商用では1961年のバロース B5000で登場し、1970年のIBM System/370で広く普及した。 マルチタスク(アプリケーションによるマルチプログラミングではなく、OSの機能によるマルチタスク)は商用では、OS/360のバリエーションのひとつであるMVTと、後継のMVSで登場し、広く普及した。入出力待ちなどにCPUが他の処理を行えるため、処理の応答時間短縮と全体のスループット向上がもたらされた。 なお、メインフレームにおけるこれらの「マルチタスク」は、単に複数のプログラムが同時に動かせるというだけではなく、複数の独立したアドレス空間(リージョン)を作成し、ハードウェアの機能も使用して完全に分離し、同時稼働するプログラム同士は直接見えない(バグや悪意あるプログラムでも相互に干渉できない)ものである。この点では、後の各種UNIXやWindowsなどの「マルチタスク」と比較すると、「仮想機械」に近いレベルのもので、可用性やセキュリティも向上した。同様の仕組みは2009年現在、MVSの後継のz/OSの他、IBM z/VSE、富士通 MSP/XSP、日立製作所 VOS3 などでも採用している。 タイムシェアリング(時分割多重)による並列処理(マルチユーザー)は、アプリケーションプログラムやユーザーに、複数のコンピュータを同時使用するイメージをもたらし、オンライン・リアルタイム処理の普及をもたらした。なお、マルチタスクとタイムシェアリングは別の技術であるが、現在では組み合わせて使用されている。(上記のMVSなどでは、マルチタスク環境の一部で、タイムシェアリング環境を稼働させ、それによりマルチユーザーを実現している。またマルチタスク自体も、初期には入出力待ちによる割り込みが基本であったが、現在ではタイムシェリングによる割り込みを併用している。)
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