APA(JPA)ナインボール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 03:15 UTC 版)
「ナインボール」の記事における「APA(JPA)ナインボール」の解説
American Poolplayers Association(APA)がUSナインボール・テキサス・エクスプレス・ルールを基にして独自の得点システム・ハンディキャップシステムを盛り込んで作成したナインボールの一種。日本ではJapanese Poolplayers Association(JPA)が競技方法の管轄を行っている。 競技方法は通常のUSナインボールと同様に最小番号のボールよりポケットしていくが、1~8番のボールをポケットするごとに1点、9番ボールをポケットした場合は2点の得点を獲得できるようになっており、先に目標となる「上がり点」(後述)に達したほうが勝ちとなる点が異なる。つまり9番ボールだけを多くポケットしても勝ちとならない。 また、的球をポケットした際にファウルとなった場合、いずれのプレイヤーの得点にもならない無効球(デッドボール)としてカウントされる。例えばブレイクで1番ボール、3番ボールがポケットされたのにスクラッチしてしまった場合、無効球2個としてカウントされ、プレイは相手の手球フリーから続行される。この無効球はゲームの途中で合法的に9番ボールが落とされた場合にも発生し、例えばブレイクで9番ボールのみが入るブレイクエースとなった場合、残り8個の的球がすべて無効球となる。そのため、1ラックは「すべてのプレイヤーの得点+無効球を合せて必ず10点」で構成されるようになっており、スコアの付け間違いがないかの検算に利用される。 上がり点は各プレイヤー毎の腕前に応じて割り振られる。APAでは独自のコンピュータシステムを利用し、各プレイヤーの試合毎の情報をコンピュータに蓄積しており、この情報を基に統計分析を行って客観的な腕前を数値化している。この数値化された腕前はS/L(Skill Level、スキルレベル)という概念へ置き換えられる。上がり点はこのS/Lに応じて決定されることになる。例えばS/L1のビギナーであれば14ポイント、最高のS/L9となる超上級者であれば75ポイントが割り振られる。なお、試合で負け続きであればS/Lは下がることもある。 個人における対戦ルールは以上だが、正規のリーグ運営者が行うセッションリーグ(約3ヶ月)では最高8名を1チームとし、各地域毎に6~8チームが参加する「ディビジョン」という小単位でラウンドロビントーナメントを毎週行っている。1度の試合にはメンバのS/L合計が23以下となるような5名を編成して臨み、各チームのホームとなるビリヤード場を巡りながらチームポイントを競う。 チームポイントは一人の対戦で最高20点が得られるが、負けたプレイヤーにも獲得した点数に応じて分配される。例えば、負けたプレイヤーが後1点で上がれる状態であれば負けたプレイヤーには8点、勝ったプレイヤーには残りの12点が与えられる。チームポイントがどれくらいの比率分配となるかは負けたプレイヤーのS/Lと得点により決定されるようになっており、試合中に勝ち目が見えなくなった段階でも諦めなければ1点でも多くチームに貢献できるようになっている。 1試合で合計100点となるチームポイントを蓄積しながらセッションリーグを戦い抜き、上位に残るとプレイオフに参加できる。このプレイオフを制するとローカルエリアチャンピオンシップに参戦可能となり、優勝するとアメリカ・ラスベガスで行われるAPAナショナル・チャンピオンシップの招待選手として参加ができる。 なお、ビギナーの参加者も多数参加することから、いくつか独自のルールが設定されている。 的球の球触りをしてもファールとならない(元の状態に戻して続行) 3ファールしてもロストゲームとならない 合法的なブレイクが行われないときはプレイヤーを交代せずに再度ブレイク可能 試合中にタイムアウトを宣言してチームメンバから助言を得られる(回数はS/Lで規定される) 他、「ダブルヒットコールは認められない」「ジャンプキューによるジャンプショットの禁止」(プレイキューおよびブレイクキューで行うことは許されている。ただし、ブレイクジャンプキューの場合はバットを分離してはいけない。)などがある。
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