3章あらすじ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/07 14:07 UTC 版)
「無名祭祀書」には、南極の特定地域に「温水湖があり植物が生い茂る」場所が存在すると記されていた。このたわごとを真に受けたヒトラーは、探検家アルフレート・リッチャー(ドイツ語版)に調査を命じ、リッチャーは事実を証明する大量の写真と映画フィルムを持ち帰ってくる。ヒトラーはこの世紀の発見を喜び、ノイシュヴァーベンラント(新しきシュヴァーベン)と命名したが、リッチャーの報告をペテンと疑う者は多かった。ハオゼン陸軍少佐は合成写真に違いないと結論付けるが、党に反抗的であると目をつけられる。 1939年3月、ハオゼンはノイシュヴァーベンラント警備の任務を命じられる。存在しない領土に1年間行ってこいなど、正気の沙汰ではない。メンバーは国防軍兵士32名、SS14名、ゲシュタポ2名。この人事が意味するところは、ナチ党に非協力的な兵士とSSでも持て余す異常者たちを、まとめて南極に葬り去ろうという魂胆でしかない。 南極行きの船中、ハオゼンは同室の3人と仲良くなる。しかし出航から一週間が過ぎたころ、ミュラー少佐が監視部隊に連れて行かれる。ミュラーは「ヨス=トラゴンの仮面」をかぶせられ、奇怪な幻視に苛まされる。2ヶ月にわたる船旅で、ミュラーの絶叫が絶えない日はなかった。 南極に到着すると、ブラスキSS隊員は「狂気山脈の奥に、脅威となりうる危険が発見され、これから破壊任務に赴く」ことを告げる。船に「戦車」が積まれていたという事態に、兵士たちは戸惑う。到着地点からノイシュヴァーベンラントまでは1000キロあり、ブラスキとSSがメッサーシュミットと戦車で悠々と先行する傍らで、兵士たちは犬橇で移動する。野営中、監視役ハイニッケの悲鳴と銃声が響き、天幕がまるごと「完全な円形に」削り取られており、ミュラーの手首が落ちていた。ハオゼン指揮のもとに行軍が再開されるも、何者かに追跡されており、何人かが犬橇ごとそいつに呑まれ、消失する。 生き残ったハオゼンらは「温暖な環境と兵舎」に到着したものの、ノイシュヴァーベンラントが実在したことに驚きを禁じ得ない。だが先行で兵舎に来ていたSS隊は、何者かに殺されて全滅し、解剖されていた。ハオゲンはブラスキの部屋で、仮面と多くの資料を発見する。「1931年のミスカトニック大学探検隊の報告書」と「ショゴスの写真」および作戦指令書から、リッチャー大尉がショゴスを目覚めさせたことと、ヒムラーがショゴス掃討を命じたことが明らかとなる。 そして多数のショゴスたちがドイツ軍に襲いかかってくる。ハオゲンは、仮面が山脈の奥側にいる化物どもを呼びよせていることに気づく。クレンツらは戦車で砲撃を加えるも、四散して燃え上がった肉片はすぐさま再結合して復元し、戦車を包み込んで、装甲の隙間から入り込み乗員たちを喰い殺す。ハオゲンは、ハインリッヒが運転するメッサーシュミットに飛び乗り、南極の危険性を警告する文章を手帳に記すと、金属筒に納めて基地上空に投下する。手帳には、仮面ごと戦闘機で山脈の怪物どもに特攻を仕掛けるつもりであると記されていた。
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