3-サイト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/26 10:06 UTC 版)
3-サイトモデルは水分子の3つの原子に対応した3つの相互作用点を持つ。それぞれのサイトは点電荷を持ち、酸素原子に対応するサイトはレナード=ジョーンズパラメータも持つ。3-サイトモデルは高い計算効率を達成しているため、これらは分子動力学シミュレーションの多くの応用に広く用いられている。モデルのほとんどは実際の水分子のものと合致する剛体構造を使用している。例外はSPCモデルであり、このモデルはHOH角について観測値の104.5°ではなく、理想的な正四面体形状(109.47°)を仮定している。 以下の表は一部の3-サイトモデルに対するパラメータを載せている。 TIPSSPCTIP3PSPC/Er(OH), Å0.9572 1.0 0.9572 1.0 HOH, deg104.52 109.47 104.52 109.47 A × 10−3, kcal Å12/mol580.0 629.4 582.0 629.4 B, kcal Å6/mol525.0 625.5 595.0 625.5 q(O)−0.80 −0.82 −0.834 −0.8476 q(H)+0.40 +0.41 +0.417 +0.4238 SPC/Eモデルはポテンシャルエネルギー関数に平均分極補正を加えている。 E p o l = 1 2 ∑ i ( μ − μ 0 ) 2 α i {\displaystyle E_{pol}={\frac {1}{2}}\sum _{i}{\frac {(\mu -\mu ^{0})^{2}}{\alpha _{i}}}} ここで、μは有効に分極した水分子の双極子(SPC/Eモデルでは2.35 D)、 μ0は孤立した水分子の双極子モーメント(1.85 D、実験値から)、αiは等方性分極率定数(1.608 × 10−40 F m2)である。モデル中の電荷は一定であるため、この補正は全エネルギーに1.25 kcal/mol (5.22 kJ/mol) を加える結果となる。SPC/EモデルはSPCモデルよりも良い密度と拡散定数をもたらす。 CHARMM力場に実装されているTIP3Pモデルは元のモデルからわずかに修正された版である。この差異はレナード=ジョーンズパラメータにある。元のTIP3Pとは異なり、CHARMM版のTIP3Pは酸素原子上に加えて、2つの水素原子上にもレナード=ジョーンズパラメータを置いている。電荷は修正されていない。3-サイトモデル(TIP3P)は比熱の計算に優れた性能を示す。
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