2013年 - 2015年:賛否両論の批評と監督デビュー
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「ライアン・ゴズリング」の記事における「2013年 - 2015年:賛否両論の批評と監督デビュー」の解説
2013年の犯罪スリラー映画『L.A. ギャング ストーリー』では、1940年代のロサンゼルス市警察に務め、ギャングのボスであるミッキー・コーエン(演:ショーン・ペン)に勝とうとするジェリー・ウーターズ巡査部長を演じた。この映画で恋仲になる人物を演じたのは、『ラブ・アゲイン』でも共演したエマ・ストーンだった。ストーンはこの映画に関するインタビューで、ゴズリングさえ良ければもっと多くの映画で共演したいと語っている。『ニューヨーク・タイムズ』のA・O・スコットは、キャストへの弁解として、「小金を稼ぐために、おかしな声を使い、彼らが持ち合わせているはずのニュアンスを全て抑圧した(映画)」と評価した。『ボストン・グローブ』のクリスティ・レミアは、ゴズリングの「奇妙なささやき声」と「充分に発展させられていない、一本調子な」人物造型を批判した。一方で『ロサンゼルス・タイムズ』のベッツィ・シャーキーは、ゴズリングとストーンの共演シーンには「魅惑的な力」(英: "a seductive power")があるとし、「それでもこの映画の酷いところと同じように、この脚本はたったの半分しか演じられていないのだ」と述べた。 『ブルーバレンタイン』のデレク・シアンフランス監督作であるクライムドラマ映画『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』では、家族を養うため銀行強盗を行うバイク・スタントマンを演じた。この映画の脚本執筆中、ゴズリングらと会食したシアンフランス監督は、ゴズリングに銀行強盗が長年の夢だったと聞かされ、方法を尋ねたところ執筆中の脚本とほぼ同じ内容だったと回想している。一方のゴズリングは、撮影について「今まで作った映画の中で最高の体験だった」と語っている。『ニューヨーク・タイムズ』のA・O・スコットは演技を絶賛し、「ゴズリング氏の非常にクールな落ち着いた側面—『ドライヴ』ではこの側面だけを見せていたのだが—は、子どものような純真さと脆さを仄めかすことにより興味深く複雑なものになった」と述べた。『ヴィレッジ・ボイス』のスコット・ファンダスは感銘を受けず、「ゴズリングの人物造型はほとんどパロディだ」「ゴズリングは穏やかで傷付いた半かすれ声を使い、これは全て一種のパロディなのだと教えてくれる」「ゴズリングの役はニコラス・ウィンディング・レフンの確かなハリウッド・スリラー『ドライヴ』の影響を強く受けている近縁種で、キャラクターが[『ドライヴ』からの]窃取であることは明白だ」と酷評した。『ザ・ニューヨーカー』のデイヴィッド・デンビーは、「ゴズリングは、『ドライヴ』以来の情けの無い一匹狼という自分のルーティンを繰り返している」と指摘した。 同じ年の後半、ゴズリングはレフンの暴力的復讐劇『オンリー・ゴッド』に出演した。ゴズリングは役作りのためムエタイのトレーニングを受け、脚本については「今まで読んだ中で1番奇妙なものだ」と述べた。『ニューヨーク』のデイヴィッド・エデルスタインは、「ゴズリングは『ザ・ビリーヴァー』のスキンヘッドや『ハーフネルソン』のスターのように大役者に見える。彼の『オンリー・ゴッド』での演技は(神はこの映画を許し給うか?)は、ひとつの長く湿っぽい凝視である」と述べた。『バラエティ』のピーター・デブルージュは、「壁紙の方がライアン・ゴズリングより感情を大きく表現している」と述べた。『ニューヨーク・タイムズ』のスティーヴン・ホールデンは、「自動機械に精神生活を提案してやることもできず、『オンリー・ゴッド』のゴズリング氏はスローモーションの呆然状態であるかのように演技している」と批判した。『ローリング・ストーン』のピーター・トラヴァースは、ゴズリングについて「何かを書き付けられる白紙だと意図されており、しばしばただの虚ろな存在になる」と述べた。『ロサンゼルス・タイムズ』のベッツィ・シャーキーはゴズリングの演技に失望し、「ほぼ無口なスタント・ドライバーとしては印象的で人の心を打つのに、(中略)ジュリアンに全く間に合っていない」「『オンリー・ゴッド』でゴズリングは、命を吹き込まれるのを待つマネキンのようにしか動いていない」と酷評した。『ニューヨーク・ポスト』のサラ・スチュアートも、「『きみに読む物語』の嫌なやつという汚名から逃げたがっているのは分かるが、もう十分だ」「ゴズリングは言葉少ない男性という人格を繰り返している」と述べた。 2013年初頭、ゴズリングは「自分が何をしているのか全く分からなくなっている。一旦休んで、なぜ、どのように[俳優業に取り組んでいる]のか再評価するのは自分にとって良いことだと思う。それに多分、それが[演技]について学ぶ良い方法だと思う」と述べて、俳優業を一時休止すると発表した。 ゴズリングの監督デビュー作『ロスト・リバー』は、2014年の第67回カンヌ国際映画祭・ある視点部門に出品された。ゴズリングの執筆した「ファンタジーノワール」(英: "fantasy noir")には、クリスティーナ・ヘンドリックス、シアーシャ・ローナン、ベン・メンデルソーン、マット・スミスなどが出演した。映画には主に酷評がついて回った。『ガーディアン』のピーター・ブラッドショウは、映画は「我慢できないほど思い上がって」(英: insufferably conceited)おり、ゴズリングは「調和や謙遜という感覚を全て」失っていると書いた。『バラエティ』のジャスティン・チャンは、「病気持ちの魅惑状態」として退けた。映画は『ドライヴ』『オンリー・ゴッド』を手掛けたニコラス・ウィンディング・レフンのものと酷似していると非難されたが、当のレフンは映画を気に入り、「僕らは双子で、そういう訳で同じ映画を作るんだ。生まれた時に生き別れたけど互いを見つけたんだ」と述べている。 2015年の金融映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』で、ゴズリングはボンドトレーダーを演じ、作品は翌年の第88回アカデミー賞でアカデミー作品賞にノミネートされた。『アトランティック』のデイヴィッド・シムズは、ゴズリングは「人に取り入るように面白く、どういうわけかずっとこちらを引きつけ反感を誘う。数年間2流の芸術映画という落とし穴でさまよった後、再び自由になった彼を観るのは素晴らしいことだ」と述べた。『ローリング・ストーン』のピーター・トラヴァースは、「低俗な物言いの名手であるゴズリングは、カメラに向かって真っ直ぐ話しかけ、火山のように凄まじく面白い」と述べた。『エンターテインメント・ウィークリー』のクリス・ナシャワティは、ゴズリングがうぬぼれ屋の魅力を滲み出させていると述べた。一方で『ボストン・グローブ』のピーター・キーオウは、ゴズリングの演技はブラッドリー・クーパーのまがい物に過ぎないと述べた。
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