2013年 - 2014年初頭:前作『sakanaction』のヒットからシングル『グッドバイ/ユリイカ』リリースまで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 11:54 UTC 版)
「834.194」の記事における「2013年 - 2014年初頭:前作『sakanaction』のヒットからシングル『グッドバイ/ユリイカ』リリースまで」の解説
2013年3月15日、サカナクションは6枚目のアルバム 『sakanaction』をリリースした。この作品はオリコン1位、20万枚以上を売り上げ、またアルバムツアーは8万人の動員を達成した。さらに年末には紅白歌合戦の出場も決定し、2013年はバンドにとって躍進の年となった。さらにこの年には映画『バクマン。』の劇伴および主題歌の制作依頼を初めとした新たなタイアップの企画がサカナクションに持ち上がるようになったが、山口は『sakanaction』のリリースおよびツアーをやり終えた後に新しい目標を見つけたいという感情と折り合いがつがず、この状況に悩みを抱いていた。この時期に制作されていた楽曲は、東進ハイスクールのCMソング「さよならはエモーション」と映画『ジャッジ!』の主題歌「ユリイカ」であったが、これらの楽曲制作のためのスタジオでの作業中に突如出来た楽曲が「グッドバイ」だった。先の2曲の制作にかなり苦労していた中で自然に出来たこの「グッドバイ」について山口は雑誌インタビューで以下のように述べている。 「 [中略] “さよならエモーション”のAメロとBメロを作らなきゃいけなくて、ひとりでスタジオ籠ったんだよね。そこでアコギを弾き語りしてた時に、勝手に出てきたのが“グッドバイ”だったから。なんかさ、久々に『歌を聴いて欲しい』と思ったんだよね。 」 —山口一郎(『MUSICA』(特集:THE YEAR in MUSIC 2013) 2014 vol.81より) この弾き語りを聴いたスタッフからも好評だったこともあり山口は、「グッドバイ」を東進ハイスクールのテレビCMに使用し、9枚目のシングルを『さよならはエモーション/ユリイカ』ではなく『グッドバイ/ユリイカ』として両A面でリリースしたいと考えた。しかしこの時すでに東進のCMは「さよならはエモーション」の音源を用いた状態で完成していたため、一時はそれが叶わないこととなり山口は酷く落ち込んだという。これがトリガーとなり精神的にかなり不安定に陥ってしまった状況に危機感を覚えた山口はスタッフになんとか「グッドバイ」を『sakanaction』以後の初リリースとなる作品にしたいと相談したところ、タイアップに使用する曲は変更できないもののシングルとしてリリースする楽曲の調整はできることとなった。こうして2014年1月15日、先に制作を開始していた「さよならはエモーション」を一旦差し置いて『グッドバイ/ユリイカ』を9枚目のシングルとしてリリースした。 ここで発表した二曲はミドルテンポかつミニマルな構成の楽曲であったことから、関係者からは楽曲としての完成度は評価されつつもこれらの作品を最新アルバムでオリコン1位を獲得した直後にリリースすることには当初反対が相次いだという。しかし山口にはこの2曲について「マジョリティの中のマイノリティ」というバンドの立ち位置を確立したいという強い意向があったためリリースに踏み切ったことを語っている。この時期に打ち立てられた「マスからのドロップアウト」というコンセプトは、その後何度か解釈・表現の仕方を変えつつも最終的なアルバムの完成まで受け継がれることとなる。
※この「2013年 - 2014年初頭:前作『sakanaction』のヒットからシングル『グッドバイ/ユリイカ』リリースまで」の解説は、「834.194」の解説の一部です。
「2013年 - 2014年初頭:前作『sakanaction』のヒットからシングル『グッドバイ/ユリイカ』リリースまで」を含む「834.194」の記事については、「834.194」の概要を参照ください。
- 2013年 - 2014年初頭:前作『sakanaction』のヒットからシングル『グッドバイ/ユリイカ』リリースまでのページへのリンク