非直線性回路の電力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 02:03 UTC 版)
上記は電圧・電流ともに正弦波の場合であるが、ダイオードなどの非直線性素子が入った回路においては電流が正弦波とはならず、説明が複雑となる。基本は瞬時電圧と瞬時電流から瞬時電力を求め、それを平均することによりまず有効電力Pを求める。 また、電圧Vの実効値と電流Iの実効値の積から、皮相電力Sが求められる。 S = | V | | I | {\displaystyle S=|V||I|} さらに、皮相電力と有効電力、無効電力Qの関係式 S = P 2 + Q 2 {\displaystyle S={\sqrt {P^{2}+Q^{2}}}} を変形すると、皮相電力と有効電力から無効電力が求められる。 Q = S 2 − P 2 {\displaystyle Q={\sqrt {S^{2}-P^{2}}}} 非直線性回路では、電圧が正弦波であっても電流に高調波成分を含むことになり、従来力率改善に用いられた同期調相機や電力用コンデンサでは十分な改善効果が得られないだけでなく、電力用コンデンサなどに障害を与える場合がある。特に、コンピュータなどに内蔵されるAC-DCコンバータや、省エネルギーのためのインバータ制御機器が問題になる。このため、高調波成分を減少させ、力率を改善するための規制が行われることも多い。
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