開門反対派の主張
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 15:52 UTC 版)
開門に反対する人々が問題としているのは下記の点である(以下列挙の出典は)。 水門を常時開放すると、水門の内外での水位差がなくなり、洪水に備えて水門内側の水位を下げておくという対応ができず、洪水被害が増えることが予想される。堤防ができる前は、諫早では数年に一度の頻度で市内を流れる本明川などが氾濫し、たびたび水害に悩まされてきた。昭和32年には500人の死者を出す諫早大水害が起きている。堤防ができてからは高潮や洪水に悩まされることがなくなっている。 干拓地では41経営体により672haの農地で農業が行われ、その背後地には約3500haの穀倉地帯が広がっている。調節池が海水化されて水源として使えなくなり、農業用水が不足する可能性がある。 かつて地下水を農業用水として利用していた地区もあり、地下水の採取による地盤沈下が深刻であった。再び地下水採取が必要となると、地盤沈下が再燃する可能性が大きい。 背後地(約3500haの穀倉地帯)の多くは、今回の干拓地より標高が低く、開門によって調節池の水位が上昇すれば排水不良となる可能性がある。 調節池の水位上昇により地下水位が上昇し、地下からの海水浸透による塩害が危惧される。干拓前は塩害に比較的強い米作が中心であったが、調節池淡水化後は土壌の塩分濃度低下をうけて畑作やビニールハウス栽培も盛んになっており、干拓以前にも増して塩害にシビアな状況になっている。 高潮や冠水にそなえる堤防や排水設備が老朽化しており、水門開放には対応できない。 狭い水門から大量の海水が出入りすることになり、海底のヘドロが巻き上げられ、水質が悪化する可能性がある。
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