鉄道総研LH02形電車とは? わかりやすく解説

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鉄道総研LH02形電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/02 08:33 UTC 版)

鉄道総研LH02形電車「Hi-tram」 札幌市中央区・電車事業所前にて
車両側面

鉄道総研LH02形電車(てつどうそうけんLH02がたでんしゃ)は、鉄道総合技術研究所が開発[1]・研究しているLRV試験車愛称は「Hi-tram(ハイ!トラム)」。

概要

新エネルギー・産業技術総合開発機構からの委託により、鉄道総研、東洋電機製造ジーエス・ユアサコーポレーション東急車輛製造[2]アルナ車両が共同で開発、製作した架線バッテリーハイブリッドLRVである。架線から得る電力だけでなく、車両に搭載した600Vリチウムイオン二次電池に充電した電力を用いての走行もできる。鉄道線での走行も想定しており、架線電圧は直流600Vおよび直流1,500Vに対応、最高速度は70km/hである。バッテリーへの充電は、走行中・駅停車中に架線から行うほか、回生ブレーキによる蓄電も行う。1回の充電で30kmほどの走行が可能。急速充電が可能だが、バッテリー温度の上昇は一定の範囲内に抑えられている。

2007年平成19年)10月に一般に公開された。当初鉄道総研内での試験を行ったのち、同年11月から翌2008年(平成20年)3月11日まで札幌市交通局札幌市電)での試験走行が実施されていた(非営業)。北海道の厳冬期の気候に対する耐久性や回生蓄電による省エネ効果などを、川崎重工業SWIMOとともに試験していた。3月12日の午前中に電車事業所内でトレーラーに載せられて回送準備に入り、同日午後に搬送された。

2009年(平成21年)11月に陸送で四国に渡り、四国旅客鉄道(JR四国)での本線上試験走行が実施された。当初は多度津駅を中心とした電化区間で最終列車後の深夜に走行試験を実施し、同月25日からは高徳線にて非電化区間での試験運転をそれぞれ実施し、最高80km/hで高速走行時の車両安定性および、バッテリー走行の持久性等のテストと確認がなされた。

2014年7月21日から8月13日まで富山県高岡市と射水市を結ぶ万葉線高岡軌道線新湊港線万葉線)にて走行試験が実施された[3]。走行試験では万葉線で導入する際の省エネ効果などを調べた[4]

諸元

その他

2008年(平成20年)3月9日に、当該車両を使用した体験試乗会(抽選で選ばれた希望者が対象)が札幌市で開催された(乗車区間は電車事業所からすすきのまでの片道)。札幌市交通局によると、60名の定員に対して1070名の応募があったとのことである。

2010年(平成22年)現在、岡山電気軌道の将来的な延長構想の発表について、「環状化されて一部架線レスの路線は、未来型の充電式電車(世界初のSWIMOなど)を登場させて…」の件があり、SWIMOとともに同様の架線・バッテリ充電式路面電車であるLH02形も想定されているものとみられる。[5]

外部リンク

関連項目

脚注

  1. ^ 開発設計製造は車輛メーカーと共同。
  2. ^ 現在同社の鉄道車両事業は総合車両製作所横浜事業所に継承
  3. ^ 万葉線で「Hi-Tram」の試験走行”. 鉄道ファン (2014年8月5日). 2015年2月14日閲覧。
  4. ^ ハイブリッド電車最大24%の省エネ効果”. 万葉線NEWS(北陸の私鉄) (2015年1月19日). 2015年3月14日閲覧。
  5. ^ 「エコ公共交通大国おかやま構想実現の提言」 ~世界一のエコ公共交通都市を岡山市において実現~ | 両備グループ ポータルサイト - Ryobi Group -”. 2020年10月26日閲覧。



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