都心部の一部の地下鉄路線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 08:17 UTC 版)
「オートロック」の記事における「都心部の一部の地下鉄路線」の解説
主に都市部においてワンマン運転を行っている地下鉄などの路線では乗務員室と客室との仕切部にある仕切扉に電磁鎖錠(でんじさじょう)と呼ばれるオートロックシステムを導入している。 2005年(平成17年)に韓国で発生した大邱地下鉄放火事件による鉄道に関する技術上の基準を定める省令改正により、ワンマン運転を行う地下鉄などでは本装置の設置が義務付けられている。 このシステムのない通勤形車両の仕切扉はからくりを使った簡単なものである。(主に小田急電鉄が使用している)この場合には乗務員室側からは前述の錠で、客室側から開けるには専用の鍵(ラッチキー、忍錠(しのびじょう)などと呼ばれる)で開けることになる。 一方、電磁鎖錠システムのある車両では乗務員室側にサムターン形の錠があり、扉を開けて閉めると自動で錠が掛かる。客室側から開けるには、前述のラッチキーで開けることになる。車両によって異なるが、扉をあけると両先頭車でブザーが鳴動するものや、モニタ装置に表示をして乗務員に知らせる機能がある。 ワンマン運転を行っている路線では運転士の乗務している先頭車から後方の先頭車の仕切扉の鎖錠・解錠を押しボタンで遠隔操作ができる。これは乗務員室内に設置した仕切開戸制御器(しきりひらきどせいぎょき)と呼ばれる装置で制御され、操作スイッチは仕切開戸操作器と呼ばれる。操作スイッチは運転台周辺に1か所設置されている。 このシステムは緊急時に乗客を避難させる場合等に使用するものである。列車走行中に緊急避難が必要とされる非常事態が発生した場合、運転士が列車を緊急停止させ、後方車両の仕切開戸を遠隔操作で解錠して後方車両の旅客への避難路を確保する。解錠された場合には扉上部の表示灯に通行可と表示される。例えば都営地下鉄三田線用の6300形や東京メトロ南北線用の9000系車両では「非常の場合 係員の指示に従ってドアを手であけてください」と案内シールがある。 都営地下鉄6300形・東京地下鉄9000系の設置例 都営6300形の乗務員室仕切壁。右上の青矢印部に通行表示灯がある。 6300形の通行表示灯周り。「通行可」の文字が見える。 6300形の側面乗務員室扉上部にある仕切開戸操作スイッチ。ボタンを押すと解錠される。 東京地下鉄9000系の乗務員室仕切壁。右上の緑矢印部に通行表示灯がある。 9000系の通行表示灯周り。切れているが、左端の「号車」の下に通行表示灯がある。
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