郷土の味
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/28 01:02 UTC 版)
愛知県尾張地方や岐阜県美濃地方ではギンブナを使用する。最初にはらわたを取り出したフナを丸ごと白焼きし、その後、半日ほど水に浸して戻した大豆(一番良いのは目黒大豆だと云われる)を敷き詰めた鍋の中に並べ(そこに好みでゴボウなどの野菜が加えられることもある)、番茶の煮出し汁(フナの生臭さが気になる場合は、その煮汁に生姜も加えたほうが良い)で3〜4時間煮た後、八丁味噌などの豆味噌に酒と砂糖(ざらめ)を加え、更に2〜3時間ほど煮込んで出来上がる。煮上がったフナは骨まで柔らかくなっており、殊に子持ちの鮒(卵巣の発達した雌)は喜ばれる。鮒味噌は栄養価にも、保存にも優れた冬の味覚として知られている。それゆえご飯のおかずとして食べる他、以前は冬季の保存食として利用していた。 かつてはこれらの地方のほとんどの家庭で作られ、各家庭独自の味がある郷土料理であったが、フナを入手し、食用とする機会が減ってしまった現在では、作る家庭も少なくなってきている。しかしながら、今なお根強い需要があり、同地方のスーパーマーケットでは、冬季にはごく普通に販売される惣菜である。
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