逆転移
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 16:25 UTC 版)
逆転移(counter transference)とは、治療者が患者に対して抱く無意識の心の動きのこと。例えば、クライアントが診察に訪れる機会を楽しみに感じてしまう。この時点では、既に意識化されている。治療者は逆転移を足がかりにして、自身の中に想起する感情を自己点検し、コントロールする必要がある。 たとえば患者-治療者関係において、以下のようなやりとりがある。 患者「眠れないんです、睡眠薬ください!」「仕方ないわね、今回だけだからね」(陽性逆転移)- 治療者は患者を子供としてあやし、自立を阻害している。 「ダメです!薬ばかりに頼っては!」(陰性逆転移)- 治療者は患者を子供のように叱り、関係を壊している。
※この「逆転移」の解説は、「防衛機制」の解説の一部です。
「逆転移」を含む「防衛機制」の記事については、「防衛機制」の概要を参照ください。
逆転移
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 01:57 UTC 版)
フロイトは、治療者の側に未解決な心理的問題があった場合、治療場面において、治療者が患者に対して転移を起こしてしまう場合があることを見いだした。これを逆転移(Counter Transference)という。 逆転移は治療の障害になるため排除するべきものであり、治療者は患者の無意識が投映されやすいように、白紙のスクリーンにならなければならないと考えられた。しかし、そうした治療者の中立性に関しては、弟子の中にも異議を唱えたものが多かった(フェレンツィなど)。 現代の精神分析では、逆転移の定義はさらに広げられ、面接中に治療者が抱く感情の全てを含むものになっている。そして、逆転移の中には患者側の病理によって治療者の中に引き起こされる逆転移もあり、そうした逆転移は治療的に活用できるとする考えが主流を占めるようになっている。
※この「逆転移」の解説は、「精神分析学」の解説の一部です。
「逆転移」を含む「精神分析学」の記事については、「精神分析学」の概要を参照ください。
- 逆転移のページへのリンク