質の低下
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 23:25 UTC 版)
2012年6月の朝日新聞土曜版のbeモニターに対するアンケート記事において、75%が最近のテレビはつまらないと答えている。 つまらないと答えた人の、つまらないジャンルはバラエティー・お笑い、ドラマ、情報・ワイド番組の順に高い。逆に、つまらなくないと答えた人の面白いジャンルは、ドキュメンタリー、ニュース、ドラマの順となっている。つまらない地上波放送局はフジ、日テレ、TBSの順であり、面白いチャンネルはNHK、テレ朝、NHK BSプレミアムの順となっている。 テレビがつまらないと答えている人が増えたのは、視聴率低下によってスポンサーからの広告収入が減少し、併せて製作費も減少することで質の高い番組が作れなくなったとの見方が強い。また報道番組などでは局の意向が強い、またはワイドショー化されて過剰な演出や低俗な報道が目立つとの批判もある。さらに、テレビ局が予算を抑えるため、下請けの制作会社に番組制作を一任し、制作環境や管理状態が悪化していることも問題視される。 バラエティ番組でも批判が多い。AOLニュースは、フジ系で放送された27時間テレビの2013年放送分に対するネット上の意見を視聴者の「テレビ離れ」ではなく、番組が内輪だけで受けている状態であるという「テレビの視聴者離れ」に基づくものと評した。地デジ化を理由に予算が減って、そのまま低予算低クオリティ体質が続くようになったとの声もある。また、2000年代に入っていくとテレビ放送の規制も厳しくなっていきかつてのような(1980~1990年代のバラエティー)番組を作ることが困難になり面白みが消えつまらないのも一つの要因としてとらえられている。なお、80年代-90年代のバラエティー番組では、過激な描写がゴールデンタイムに放送されたり、不適切な言葉が流れるなど今となってはありえない放送内容をしている事が多かった。 また、書籍やネットニュース、SNSからそのまま引用して番組やコーナーを構成することが増加したことも挙げられる。テレビプロデューサーの小松純也は、テレビがこうした他媒体を頼ることで、テレビの視聴による一次情報が減少し、引用元のメディアに視聴者が移動していると推論した。 制作会社側もテレビ離れや不況を受けてますます予算が減らされ、さらに質の低下を余儀なくされるという悪循環に陥っている。
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