誕生と初飛行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 04:52 UTC 版)
1909年(明治42年)、アンリ・ファルマンは自ら航空機の製造業を開始した。ファルマンIでの改良の経験を生かし、弟のモーリスと共に製作所(のちの「ファルマン航空社」)を設立し、そして最初に製作されたのが「ファルマンIII」だった。 この機体は、先端に突き出した一枚の昇降舵と、尾翼には方向舵があり、そして4翼すべての後縁に補助翼が搭載された推進式の複葉機だった。下翼面の中央前縁に座席するパイロットの後背に燃料タンク、エンジンとプロペラが後向きに配置された。木製の骨組にはパイン材が使用され、翼面などの布部には白色のゴム引布が、また各接続部には組立て・解体を容易にするためごく簡単なボルトやナットで連結され、これらの間を約160本以上のワイヤ金具で張り締めた。 同1909年4月6日には、まずVivinus社製の直列4気筒エンジン(50hp,37kW)を搭載して初飛行が行われた。その後まもなくエンジンは後述の競技会出場に際し 8月には当時最新のグノーム (Gnome)社製の50hp(37kW)空冷7気筒星型回転式エンジンに載せ換えられた。 さらにその後も細部の改良は重ねられ以下のような変遷がみられる。すなわち、前翼の大きな昇降舵は支柱の幅内に縮小し、より軽量化された4輪着陸ギアを導入し、等幅だった上下の翼幅は下翼を縮小・上翼が拡張された。また尾翼部は(英語圏でしばしば "I"-tailと通称される)"エ"型の方向舵1枚のものと、箱型で2枚が連動する方式のものとが初期のモデルでは混在している。
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