観客の有無
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 09:06 UTC 版)
「新型コロナウイルス感染拡大による東京オリンピック・パラリンピックへの影響」の記事における「観客の有無」の解説
東京オリンピックは、大会の根幹とも言える観客の扱いが開幕直前になって二転三転する異例の事態となった。 2021年3月20日、5者協議を行い、日本側が「世界のコロナ禍の状況を考慮して海外観客の日本への受け入れは断念する」ことを、国際オリンピック委員会(IOC)と国際パラリンピック委員会(IPC)に伝えた。海外客受入断念による経済的打撃は大きく、2360億円の損失になるとの試算も発表されている。 5者は6月下旬の会議で、緊急事態宣言が出るか蔓延防止等重点措置が延長された場合には、「無観客も含めた対応を基本とする」と合意したものの、観客を入れるか否かの最終的な判断は先送りとした。 7月に入っても観客の有無すら決まらない状態であった。観客数の上限は6月21日の5者協議で、政府方針に合わせて「最大1万人」と決定したはずだった。上限を超える枚数を販売した時間帯ではチケットを再抽選し、6日未明に結果を通知するはずだったが、無観客を推す意見が高まったことで、抽選結果の発表を先送りする可能性も浮上している。7月上旬まで関係者内では、複数のシナリオが検討されており、あくまで観客を入れる案が基本線であった。 2021年7月8日、1都3県の会場では無観客と5者会議で決定した。政府や東京都、組織委員会がギリギリまで模索した「有観客」の可能性は、混乱のうちに潰えた。この時点では1都3県に含まれない、宮城・福島・静岡・北海道の会場では観客を入れると決定していた。茨城県についても1都3県に隣接していることから観戦客を入れるのは困難だとし、一般客の入場を断念し、学校連携プログラムで参加を希望している一部の県内学校のみの受け入れとなった。しかし、翌9日には組織委員会は一転して、北海道での競技も無観客で開催すると発表した。北海道は組織委員会に対して、1都3県の住民が観戦しないように求めていたが、組織委から実効性を担保する対策は示されなかった。知事の鈴木直道は「道民の安全・安心を最優先した」と方針転換の理由を話した。さらに翌10日には、組織委員会は福島県での競技も無観客で開催すると発表した。 2021年8月16日、東京オリンピック終了後までペンディングにされていた東京パラリンピックの観客の扱いについて政府・東京都・組織委員会・IPCの4者による協議が行われ、競技の全会場を無観客とすることが決まった。
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