空蝉
読み方:うつせみ
別表記:虚蝉
「空蝉」とは、中が空洞になった蝉という意味で「蝉の抜け殻」を意味する言葉である。俳句では夏の季語である。古語においては「空蝉(うつせみ)」は「現身(うつしみ)」に通じ、「この世」や「現世の人々」の意味でも用いられた。
もともと「空蝉」は、「現し臣(うつしおみ)」が転じて「うつしみ」または「うつそみ」となり、さらに「うつせみ」に変じて、これに「空蝉」という漢字が当てられるようになった、という経緯をもつ語彙である。その意味では「現世に生きる人」という語義が最も根源的といえる。
「空蝉」は「虚蝉」と表記されることもある。「空蝉」が「現世」や「現世を生きる人」という意味で用いられる場合にも、「現世は無常である」「現身は儚い」というニュアンスが込められていることが多い。
空蝉は、源氏物語第2巻(「帚木」)ではじめて登場する、空蝉は伊予介の後妻であった。光源氏に興味を持たれ、一度は同衾することになる。が、その後は光源氏の再三の誘惑を頑なに拒んだ。そして第3巻(「空蝉」)では、光源氏が空蝉に近づこうとするも、空蝉は薄衣をひとつ残して逃げ隠れてしまう。光源氏は薄衣を持ち帰り、そして薄衣を空蝉(ここでは「蝉の脱け殻」の意)に見立てて歌を詠んだ。
別表記:虚蝉
「空蝉」とは、中が空洞になった蝉という意味で「蝉の抜け殻」を意味する言葉である。俳句では夏の季語である。古語においては「空蝉(うつせみ)」は「現身(うつしみ)」に通じ、「この世」や「現世の人々」の意味でも用いられた。
もともと「空蝉」は、「現し臣(うつしおみ)」が転じて「うつしみ」または「うつそみ」となり、さらに「うつせみ」に変じて、これに「空蝉」という漢字が当てられるようになった、という経緯をもつ語彙である。その意味では「現世に生きる人」という語義が最も根源的といえる。
「空蝉」は「虚蝉」と表記されることもある。「空蝉」が「現世」や「現世を生きる人」という意味で用いられる場合にも、「現世は無常である」「現身は儚い」というニュアンスが込められていることが多い。
「源氏物語」の「空蝉」
「源氏物語」における「空蝉」は、第3巻の巻名(タイトル)、および、物語に登場する女性の名である。空蝉は、源氏物語第2巻(「帚木」)ではじめて登場する、空蝉は伊予介の後妻であった。光源氏に興味を持たれ、一度は同衾することになる。が、その後は光源氏の再三の誘惑を頑なに拒んだ。そして第3巻(「空蝉」)では、光源氏が空蝉に近づこうとするも、空蝉は薄衣をひとつ残して逃げ隠れてしまう。光源氏は薄衣を持ち帰り、そして薄衣を空蝉(ここでは「蝉の脱け殻」の意)に見立てて歌を詠んだ。
「空蝉(omoinotakeの曲)」
「空蝉」は、omoinotakeが2022年に配信限定でリリースし曲のタイトルでもある。ソニーミュージックの紹介文によれば「熱いラテンリズムに淡く切ない歌声をのせた、ひと夏のラヴソング」である。うつせみ【▽空×蝉】
虚蝉
虚蝉
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