線路諸標
安全運転や保守の面で必要な各種の標識が、線路の各所に設けられています。普通鉄道構造規則第52条に定められている距離標(kilometer−post)は、起点からの1kmごとの距離を示します。このほかに500mごとや100mごとの距離標を併設したり、200mごとの距離標を設けている事業者もあります。運転士はこうした位置を日ごろ記憶していますが、距離標によって確認しながら運転します。
曲線標(curve post)は、線路のカーブの始終点に設けられ、円曲線の半径・長さと緩和曲線の長さを示します。緩和曲線は、直線と曲線の移り目を徐々に緩やかに曲げている部分を指します。
こう配標(grade post)は、こう配が変わる地点(線路左側)に設けられます。腕木の上下の向きと、そこに書かれた数字によってこう配を示します。例えば上向きで「10」とあれば1000分の10の上り、下向きで「25」とあれば1000分の25の下りのこう配を表示していることになります。
車両接触限界標(clearance post)は、線路の分岐や交差の箇所の付近に設けられ、他の線路の列車と接触しない限界を表示しています。
線路諸標は、このほかに用地境界標(landmark=鉄道用地と他の土地の境界を示す)、量水標(water level mark=河川に架けられた橋梁などに設けられ、水位がわかる)、量雪標(降雪、積雪の量を観測する)、汽笛吹鳴標識(遮断機のない踏切などで事故防止のため列車接近を汽笛で周辺に知らせる箇所を示す)、保線作業予告標、一旦停止標、踏切名称標などがあります。
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