紙本著色平治物語絵〈/(常盤巻)〉
主名称: | 紙本著色平治物語絵〈/(常盤巻)〉 |
指定番号: | 1845 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1984.06.06(昭和59.06.06) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 絵画 |
ト書: | |
員数: | 1巻 |
時代区分: | 鎌倉 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 平治物語のうち、常磐の都落ちから頼朝配流までを五段に描いた絵巻である。箱の蓋には「伏見常磐」と題が書かれており、常磐を主人公として単独に作られたとみなして、『看聞御記』に記される「常磐絵二篇」に相当するかと推測されることもあるが、疑問である。むしろ、上皇と主上の不知や、経宗・維方の糾問断罪の段が巻中にかなりの量を占めていることから、平治物語絵の中の一巻が残ったものと思われる。 平治物語絵としては、「三条殿夜討巻」(ボストン美術館)、「信西巻」(静嘉堂)、「六波羅行幸巻」(東京国立博物館)等の一群のものが著名であるが、それと比べると本巻は、一巻中に異なった話譚をまじえ描く形式が異種であり、人物をより小振りに描く点でも違いがある。また先の一群と別系統と目される「常磐巻」(模本、東京国立博物館)は常磐の段を擁するが、本巻はそれとも内容を異にしている。このように本絵巻は、他の平治物語絵遺品とは別系・別種の一本として注目されるものである。 表現については、人物の彩色に彫塗の手法を多用し、文様を細かく施すなど丁寧な描法が行われるものの、建物の描写には簡略化ないし崩れが認められ、より古い原本の存在も考えられる。制作は鎌倉時代末期と思われる。 |
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