租・庸・調とは? わかりやすく解説

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そ‐よう‐ちょう〔‐テウ〕【租庸調】

読み方:そようちょう

中国隋・唐代均田法下の税法給田受けた丁男2159歳)に課したもので、租は粟(あわ)2石、庸は年20日閏年22日)の労役、または代納として1日当たり絹3尺、調は絹2丈と綿3両、または布2.5丈と麻3斤。8世紀後半均田法崩壊とともに両税法移行した

律令制で、唐制ならって行われた税制。→租 →庸 →調


租庸調

読み方:ソヨウチョウ(soyouchou)

古代律令制代表的な税の総称


租庸調

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/28 15:27 UTC 版)

租庸調(そようちょう)、または租調庸(そちょうよう)とは、日本中国及び朝鮮律令制下での租税制度である。


注釈

  1. ^ 大化の改新において、新たな施政方針を示した改新の詔のひとつに「罷旧賦役而行田之調」とあり、これが租税の改定を示す条文である。ここに示された田之調は田地面積に応じて賦課される租税である。後の律令制下の田租の前身に当たるものと見られている。
  2. ^ 実際に宝亀3年(772年)に豊後国で発生した山崩れ(現在でいう天然ダムの決壊に相当)が発生した際(『続日本紀』巻32)や天長7年(830年)の出羽国の地震(『日本逸史』巻38)、承和8年(841年)の伊豆国の地震(『続日本後紀』巻10)では、災害の記述とともに租庸調の一部が免除された記録がある。
  3. ^ ただし、京や畿内の庸が賦課されなかったり、調が軽減されたのは、財源不足時や緊急時に必要な労役(歳役)を課すことが出来るようにするためとする異説も存在する[1]
  4. ^ 律令制以前の、地方豪族(国造)から特産物を献上する慣行の性格を引き継いでいる。

出典

  1. ^ 今津勝紀「京畿内の調と力役」『古代日本の税制と社会』塙書房、2012年(原論文:1992年)。
  2. ^ a b 寺崎保広「庸米」『国史大辞典 14』 吉川弘文館、1993年、ISBN 4-642-00514-5ISBN 978-4-642-00514-2
  3. ^ 寺内浩「庸布」『日本歴史大事典 3』 小学館、2001年、ISBN 4-09-523003-7ISBN 978-4-095-23003-0
  4. ^ 今津勝紀「税の貢進」館野和己・出田和久 編『日本古代の交通・流通・情報 1 制度と実態』(吉川弘文館、2016年) ISBN 978-4-642-01728-2 P82-83
  5. ^ 清野陽一「延喜式諸国日数行程と移動コスト分析」『じんもんこん2011論文集』第2011巻第8号、2011年、37-42頁、2023年1月2日閲覧 
  6. ^ 古賀登『両税法成立史の研究』雄山閣、2012年、P523
  7. ^ 古賀登『両税法成立史の研究』雄山閣、2012年、P72-79・512-515
  8. ^ a b c d 租庸調Yahoo!百科事典
  9. ^ a b c d 租庸調ブリタニア百科


「租庸調」の続きの解説一覧

租庸調

出典:『Wiktionary』 (2015/12/27 10:01 UTC 版)

名詞

  調そようちょう

  1. 古代中国代に完成した律令制及びそれに影響受けた日本など周辺諸国古代法制における3種主要な税役。
    1. (唐均田制におけるもの)「」は、均田(支給され農地に対して一定量穀物貢納、「」は労役またはそれに代えた布の提供、「調」は絹糸綿糸麻糸など物産貢納課せられたもの。
    2. 日本口分田制におけるもの)「」は、口分田支給され農地に対して一定量の米の貢納、「」は労役またはそれに代えた米や物産の提供、「調」は繊維製品又はそれに代えた銭又は特産物貢納課せられたもの。

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